インドネシア、UAEとの貿易・投資を自由化へ

インドネシア、UAEとの貿易・投資を自由化へ
新型コロナからの早期経済回復目指す
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGV08BLH0Y1A900C2000000/

『【ジャカルタ=エルウィダ・マウリア、鈴木亘】インドネシアとアラブ首長国連邦(UAE)が2国間の貿易や投資の自由化を目指すことで一致した。インドネシアはアフリカ市場への輸出拡大も見据える。UAEは世界4位の人口大国のインフラ整備へ参入を進める。ともにイスラム教徒が大半の産油国だが、産業構造や意思決定の仕組みは異なり、早期に合意できるか不透明だ。

両国は9月初め、包括的経済連携協定(CEPA)の交渉開始を発表した。1年以内の妥結を目指す。自動車、貴金属、(イスラム法に沿った)ハラル食品などの市場へ相互に乗り入れる。

インドネシアは航空・海上輸送のハブであるUAEを通じ、アフリカ市場の開拓も模索する。UAEを構成する7首長国の一つ、ドバイの「発達した金融ネットワーク」を活用する構えもみせた。

インドネシアのルトフィ貿易相は「(UAEを含む)湾岸諸国だけでなくアフリカやそのほかの地域への窓口になるパートナー」を求めていたと明かした。新型コロナウイルスの感染拡大による打撃からの「経済回復が喫緊の課題」だとの認識も示した。

国際貿易センターによると、両国間の貿易額は2020年が約29億3000万ドル(約3200億円)で、インドネシアは約4億4000万ドルの輸入超過(貿易収支赤字)。同国の輸出は紙製品、家電、食品など多岐にわたるが、輸入は石油関連が大半を占める。

UAEのゼイユーディ貿易担当国務相は、この2国間の貿易額をCEPAで「5倍から10倍」に増やす考えだ。

石油輸出による資金を世界で運用してきたUAEは、人口が世界4位の約2億7000万人で高い経済成長を続けてきたインドネシアへの投資拡大を狙う。UAEはインドネシアの政府系ファンドに100億ドルを投資すると発表済みだ。イン​​フラ、観光、農業などのプロジェクトを支援する。

ゼイユーディ氏によると、両国はインドネシアの西ジャワ州における1億4000万ドルをかける「世界最大級の浮体式太陽光発電所」をはじめとする様々な事業ですでに協力している。UAEの事実上の最高指導者でアブダビ首長国のムハンマド皇太子は、インドネシアのジョコ大統領が進める首都移転計画に関わってきた。

CEPAの協力項目はバイオテクノロジー、デジタル、新エネルギー、宇宙開発などを優先する。だが、こうした分野でインドネシア側の水準は高いといえず、UAEも豊富な資金で外国から技術を導入しているのが実態だ。首長一族のトップダウンが一般的なUAEに対し、インドネシアでは大統領を議会がチェックする。政策決定を巡る違いは協議に影響しそうだ。

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