幹部背任容疑の日大、私大最大規模

幹部背任容疑の日大、私大最大規模 経営実態見えにくく
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUE088T80Y1A900C2000000/

『国内最大規模の学生数を誇る日本大学の幹部に8日、付属病院の建て替え工事に絡む背任の疑いが浮上した。東京地検特捜部は大学本部や理事長宅などを関係先として家宅捜索。かねて不透明さが指摘されてきたという日大の関連事業を巡る捜査は、幹部が大学側に与えた損害額や関与した人物の特定などに軸足を置いて進むとみられる。

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日大は法学や医学、芸術学など16学部と大学院19研究科を抱える私立総合大学。明治中期の1889年に国内法などを学ぶために創立された日本法律学校が前身で、2016年には危機管理学部を開設した。現在の学部・大学院生数は7万人超、卒業生の総数は119万人に上る。
関係者の話によると、以前から大学の事業や運営を巡って不透明な資金の存在が疑われていた。

特捜部での捜査経験がある検察幹部の一人は「(日大は)歴代特捜部の申し送り事項だった」と明かす。疑惑の舞台として関係者の間で取り沙汰されてきたのが、日大が10年に全額を出資して設立した日本大学事業部(東京・世田谷)だった。

同社のホームページなどには「大学のスケールメリットを生かした事務の効率化」「事業活動で得られた収益を日本大学に還元する」などと経営方針が掲げられている。

日大の理事やOBが取締役や監査役に名を連ねており、「情報開示に消極的だった」(民間信用調査会社)。大学関係者は「事業部の経営方針や事業実態は学内でも一部の関係者しか知らなかった」と話す。

日大が100%出資しているため、外部からの経営体制のチェックも働きにくい。

同社は日大が記念事業として進めていた大規模プロジェクトの日大医学部付属板橋病院(東京・板橋)の建て替え工事にも関わっていた。

特捜部は今後、同社が交わした契約について、意思決定の仕組みや締結に至る詳しい経緯、資金の流れなどを重点的に調べる方針。

私立大など学校法人の運営を巡っては、特定の理事らに権力が集中し、資産が不正に流出する事件が過去にも起きている。

19年12月には大阪観光大(大阪府熊取町)などを運営する学校法人「明浄学院」(同)の資金21億円を着服したとして、元理事長やマンション開発会社の元社長ら計6人が業務上横領罪で大阪地検特捜部に起訴された。

別の検察幹部は「株主総会などで取締役が選任される民間企業に比べ、私立学校の理事や理事長などの選任過程は透明性が低い。不正防止のためにも権限が複数の理事に適切に分散されるルールづくりが必要だ」と強調している。』