中国、北京五輪の準備急ピッチ

中国、北京五輪の準備急ピッチ 観客入りの開催めざす
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【大連=渡辺伸】東京五輪・パラリンピックが幕を閉じる。次の五輪とパラリンピックは2022年2月から中国・北京で開催される。現地では準備が加速している。10~12月に開くスポーツイベントをテストと位置づけ、防疫体制を検証する。国威発揚と新型コロナウイルスの克服をアピールする好機と捉え、東京五輪の対策を参考に観客入りでの開催をめざす。

国家体育総局などによると、北京五輪組織委員会の医療担当幹部、王同国氏は「東京五輪の細かい防疫対策は学ぶべき価値がある」と話した。

具体的には、手の接触を防ぐための足で踏むタイプの消毒設備のほか、ホテルなどで入国から14日間経過しているかどうかで滞在者が過ごす場所を色分けして区別していたことなどを挙げた。

同局などによると、組織委は中国で10~12月、国際・国内大会を含めて15のテストイベントを開く予定。種目はスケートやスキージャンプなどで、海外の選手らも参加する見通しだ。

北京日報によると、組織委は8月30日の会議で「実戦形式で全面的に検証する最後の機会だ」と強調した。入国者に対する隔離体制、交通機関やホテルの防疫、人員の配置、競技の進行などを包括的に点検する。観客も入れる方針とみられる。

北京五輪は来年2月4~20日に開催する。08年の北京夏季五輪以来の世界的なスポーツイベントだけに、コロナ禍からの復活を世界に発信する場にもなる。組織委は東京五輪に34人の視察団を派遣した。現場の体制などを調査した成果を北京五輪でも生かす考えだ。

共産党系の英字紙、グローバルタイムズは8月17日、「多くの競技は屋外で開かれるので、観客を入れられるのでないか。室内競技では選手らと異なる通路を通って観客が出入りするだろう」との衛生専門家の見方を伝えた。

ただ国際オリンピック委員会(IOC)のデュビ五輪統括部長は8月5日、北京五輪を無観客で開催する可能性に触れた。米ブルームバーグ通信が報じた。観客の有無を巡る議論は開催直前まで続きそうだ。

コロナ以外に、人権問題が大きな火種になる可能性がある。中国による香港や新疆ウイグル自治区での人権弾圧を巡っては、反発する米欧の議会では閣僚など政府高官に招待辞退を求める「外交ボイコット」を呼びかける声が出ている。開催が近づくにつれてこうした声が大きくなりそうで、中国側は神経をとがらせている。