「戦争の効用に疑問」

「戦争の効用に疑問」 米メディア、アフガン撤収で
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN310LH0R30C21A8000000/

『【ニューヨーク=大島有美子】米軍が30日にアフガニスタンからの撤収を完了したことを米主要メディアはトップニュースとして速報した。米国の世論は撤収を支持しており、「戦争の効用に疑問を投げかける結果となった」(CNN)など、約20年続いた米史上最長の戦争に対して批判的な総括が目立った。米兵の死亡や、米軍に協力したアフガニスタン人の退避が間に合わなかったことなどを挙げ、撤収の不手際に対する指摘も上がった。

「緊迫し、混乱した血なまぐさい撤収が終わった」。CNNは「2兆ドルを投じ、約2000人の米兵を犠牲にした戦争は、親(世代)も子供も殺した」と戦争の長さを表現した。戦争を終えてもなお、アフガンに端を発するテロへの脅威に対処できているか疑問が残るとした。

米ブルームバーグ通信は「9月11日に同時テロから20年を迎えるとき、アフガンはタリバンの支配下にあるだろう。2001年に特殊部隊がアフガンに到着した際には想像しなかったことだ」として、想定外の結果に終わったむなしさをにじませた。

米紙ワシントン・ポストは14日以降の約12万人の撤収は「史上最大級の空の移動」としつつも、治安悪化と空港の混乱により、米国人や米軍に協力したアフガン人数千人が置き去りにされた点を今後の懸念として挙げた。

米CBSによると、アフガンでの従軍経験を持つ退役軍人には、アフガンの協力者から「助けてほしい。タリバンに殺される」とのメッセージが毎日届くという。退役軍人は「我々を守ってくれた人が危険にさらされている」と苦悩を語った。

米CBSの世論調査(8月18~20日に実施)によると、米国民の63%が撤収に賛成し、反対は37%にとどまる。

米紙ウォール・ストリート・ジャーナルは「バイデン米大統領にとってアフガン撤収は20年の大統領選時の公約で、とっくに戦争に飽きていた有権者の支持を幅広く得るものだった」とした。一方で「無秩序な撤収が、始まったばかりの大統領職で最大の外交政策上の危機をもたらした」と、今回の撤収がバイデン政権に与える負の影響も指摘した。

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