カブール自爆テロ、専門家の見方

カブール自爆テロ、専門家の見方
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCB27CGO0X20C21A8000000/

『アフガニスタンの首都カブールの国際空港近くで26日に起きた自爆テロは少なくとも米兵13人、イスラム主義組織タリバンの構成員28人を含む100人超が死亡する惨事になった。アフガン、米国のそれぞれの専門家に情勢への影響を聞いた。

保坂修司・日本エネルギー経済研究所中東研究センター長

過激派組織「イスラム国」(IS)は、今後もタリバンや米軍にテロを仕掛ける可能性が高い。26日のテロの実行犯とされるIS「ホラサン州」は外国勢力を敵視し、米国との和平合意に署名したタリバンと対立してきた。タリバンのアフガン掌握で存在感が低下すると危機感を強めたことがテロにつながった可能性もある。

アフガンの行政機構は崩壊した。国際社会が同国への経済支援を停止した。タリバンの統治が機能しなければ、かつてのイラクやリビアと同じく過激派の流入が続きかねない。アフガンを拠点に国際テロが再発する事態も想定できる。

前嶋和弘・上智大教授(米国現代政治)

26日にカブールで起きたテロは、米国が事前に危険だと認識し周知しながらも防げなかった。タリバンとともにアフガニスタンの首都の治安を維持できていないことが明らかになった。米軍は安全を確保できないまま撤収しなければならない。期限が31日に迫り、一段と困難な活動になった。

米国がとれる手段は限られる。テロを実行したとされるIS系勢力を打倒するための米軍増派はできない。ミサイルなどによる攻撃はできるが、攻撃対象の特定には時間がかかる。中長期では、IS系の勢力がアフガンで伸長し、米国などを標的に新たなテロの実行を模索するシナリオも想定すべきだろう。』