〔ホラーサーン〕

ホラーサーン
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9B%E3%83%A9%E3%83%BC%E3%82%B5%E3%83%BC%E3%83%B3

『ホラーサーン(ペルシア語: خراسان‎、英: Khorasan)は、イラン東部の州の名称で、この州は広大であったため、2004年9月29日、北ホラーサーン州、南ホラーサーン州、ラザヴィー・ホラーサーン州の3州に再編された。旧ホラーサーン州の州都は、マシュハド。「太陽の登るところ」を意味する。現在はラザヴィー・ホラーサーン州の州都となっている。』

『歴史
詳細は「en:Greater Khorasan」を参照

中世では、ホラーサーンとは、中世イラン語で (khor+ ayan)「(イランから見て)陽の登るところ」を意味し、アムダリヤ川以南、ヒンドゥークシュ山脈以北の東イラン、北西アフガニスタン、南トルクメニスタンを含む地域に対する呼び名であった。だいたいにおいて、アトラク川、ムールガーブ川、ハリー・ルード川などの流域の肥沃なオアシス地帯を指した。ニーシャプール、メルブ、ヘラート、バルフの4つに区分され、この4つが主要な都市であった。

ホラーサーンは、古来より、北方遊牧民族が中央アジアから南下して、イラン、インドに入る通り道にあたっていた。そのため、現イランの領域を含め、この地域を領有する王朝にとっては、重要な防衛ラインであって、歴代の皇太子が太守に任ぜられるのがならわしになっているほどであった。また、地政学的に東西交通の主要幹線が貫く地域であって、「シルクロード」のイラン地方を通過する部分は「ホラーサーン街道」と呼ばれた。

サーサーン朝がイスラム帝国に滅ぼされると(651年)、ホラーサーンは急速にイスラム化し、この地域を治める総督府は、メルブ(のちにニーシャプール)に置かれた。ウマイヤ朝を覆してアッバース朝を建てさせた原動力はこの地域の人々だったと言われる。

9世紀以降、イラン系のターヒル朝、サッファール朝、サーマーン朝、ゴール朝[1]、テュルク系のガズニ朝、セルジューク朝、ホラズム・シャー朝が興亡を繰り返した。

この間、ホラーサーンは、ペルシア文学復興の中心となり、諸都市は繁栄を極めた。

1220~22年にモンゴルによって蹂躙されると、メルブやバルフが再び復興しなかったほどの壊滅的な打撃を受けた。

一方、モンゴルの四ハン国のひとつ、イルハン朝で財政をつかさどったのは、経済について敏感なこの地方出身の貴族たちであった。

14世紀後半になると、ティムール帝国の支配下に置かれ、ヘラートは、ティムールの子、シャー・ルフの首都となり、15世紀には、イスラムの学術・文化の一大中心地となった。
16世紀、サファヴィー朝が、アムダリヤ川をウズベク族の南侵に対する防衛線とし、ホラーサーンを確保して、マシュハドをシーア派の聖地とした。 』

カブール爆弾テロの背後と名指しされる「イスラム国ホラサン州」とはどんな組織か?
https://www.wowkorea.jp/news/korea/2021/0827/10312722.html

『アフガニスタンからの脱出が続くカブール国際空港付近で26日(現地時間)、心配されていたテロ攻撃が起こった。米国高官は背後に「イスラム国家ホラサン州」(IS-K)がいるとの見通しを示した。

 IS-Kは、イスラム教スンニ派極端主義武装団体「イスラム国家(IS)」のアフガン支部組織にあたる。「ISIS-K」、「ISIL-KP」などと呼ばれることもある。ホラサン(Khorasan)は、イラン東部・中央アジア・アフガン・パキスタンを含む旧地名でもある。

 ISはシリアとイラク領土の相当部分を掌握した 米軍と国際同盟軍に押され、勢力が大きく弱体化した。その後、ISは他国へ進出したが、アフガンで2015年1月にIS-Kという組織をつくり、テロを繰り返してきた。

 IS-Kは2019年8月、カブール西部の結婚式場で自爆テロを敢行し、63人の命を奪った。昨年11月には、カブール大学でも銃撃テロを主導し、20人余りを死亡させた。

 同組織はタリバンと同じくスンニ派武装組織だが、タリバンが米軍と平和協定を締結したことに批判的な意見を示してきた。また、シーア派の対応で意見の食い違いを見せ、対立も増えていた。

 彼らはタリバンがカブールを占領した際、アルカイダがお祝いのメッセージを送ったのとは対照的に、「米国と取引して、ジハード武装勢力を裏切った」とタリバンを非難していた。

 IS-Kの現在の組織員規模につては、正確に知られていない。先月、国連安全保障理事会の報告書では、同組織の規模を「500人から数千人」と推定した。ロシアの駐アフガニスタン大使ドミトリー・ジルノフ氏はSNSを通じ、「アフガンには4000人のISテロ犯が活動中」と明らかにした。

2021/08/27 06:42配信 Copyright(C) herald wowkorea.jp 104 』

ホラサン、別名ISIL-K、ISKPのイスラーム国について私たちが知っていること

ホラサン、別名ISIL-K、ISKPのイスラーム国について私たちが知っていること
ISIL-Kは、カブール空港の外で致命的な自爆攻撃の責任を主張しています。このグループについて知っていることは次のとおりです。
https://www.aljazeera.com/news/2021/8/27/islamic-state-in-khorasan-iskp-aka-isil


『(※ 翻訳は、Google翻訳)

ISIL-ホラサンまたはISIL-Kとも呼ばれるホラサン州のイスラム国(ISKP)は、少なくとも72人のアフガニスタン人と13人の米兵が死亡し、数十人が負傷したカブール空港の外での致命的な自爆攻撃の責任を主張している。

ISIL-Kは、自爆テロリストが木曜日の夕方の攻撃で「アメリカ軍との翻訳者と協力者」を選び出したと言いました。

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「悪質な攻撃」:世界の指導者はカブールの自爆を非難
致命的な爆撃の後、カブールで避難飛行を再開:ライブ
カブール爆破事件:「私たちはあなたを追い詰めます」とバイデンは攻撃者に警告します
カブール爆破事件:空港での攻撃で13人の米軍要員が死亡

また、現在アフガニスタンを支配しているグループによると、死者の中には28人のタリバンメンバーが含まれていました。

ISIL-Kは、イラクとシリアに新しいカリフ制を確立しようとしていたイラク・イスラム国とレバント(ISIL、ISISまたはDaeshとも呼ばれる)のオフシュートとして知られています。

ホラサンは、かつてアフガニスタン、イラン、パキスタン、トルクメニスタンの一部を含んでいた古代のカリファテの下で歴史的地域への言及です。

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武装グループは2014年にパキスタンのタリバンの離脱戦闘員と、故ISILの指導者アブバクル・アル・バグダディに忠誠を誓ったアフガニスタンからの戦闘員によって結成された。
ISIL-Kはアフガニスタン北東部に強いルーツを持っていますが、カブールや他の州にスリーパーセルを設置しています。

彼らはタリバンの敵であり、厳格なスンニ派の信念の異なる教えを持っています。

2014年のアルジャジーラとのインタビューで、中東フォーラムのアイメン・ジャワド・アル=タミミ研究員は、ISIL-Kは「実際には別のグループではない」と述べ、アフガニスタンとパキスタンの国境地域から来たアルカイダのメンバーの不測の事態であると述べた。
血まみれの暴れ
発足以来、最も強硬なISIL-K戦闘機の一部は、ISILと戦い、支援し、西側の標的に対する攻撃を企てるためにアフガニスタンからイラクとシリアに渡ってきました。

何人の戦闘員がグループに加わったかは明らかではないが、ISIL-Kは近年アフガニスタンとパキスタンで最悪の攻撃の一部を担当しており、モスク、公共広場、さらには病院で人々を殺害している。

2020年5月にカブールの産科病棟で血まみれの暴れがあり、女性や乳児を含む24人が死亡した。

ISIL-Kは、外国軍を撤退させる取引を含め、タリバンと米国の協力に批判的である。

シンクタンク・ニューラインズ戦略政策研究所の非国家俳優プログラムの責任者であるラシャ・アル=アキーディは、ISIL-Kは攻撃をプロパガンダとして使用すると述べた。

ISIL-K(ISIL)の終盤戦は、どこで活動するにしても、即時の戦略的目標である必要はありません。「彼らは、彼らがまだ周りにいる、彼らがまだ脅威であることを示す目的で、できるだけ多くの大虐殺を引き起こすことを意図して、これらの操作を実行します」と、al-Aqeediが言いました。

「彼らの手口はイラクとシリアのISILと非常によく似ています」と、彼女が付け加えました。

出典:アルジャジーラ、ロイター 』

「弱い米国」危ういシグナル

「弱い米国」危ういシグナル 中東、反体制の暴発リスク
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCB18DYE0Y1A810C2000000/

『アフガニスタンでイスラム主義組織タリバンの支配が復活した。民衆は極端なイスラム法解釈と残忍な統治の再現におびえる。周辺国に難民が押し寄せる可能性もある。同じくらい深刻なのは「米国は弱い」という危険なシグナルが世界に発信されてしまったことだ。

タリバンによる首都制圧の衝撃が世界に広がった直後の16日。中国政府でアフガニスタン問題を担う岳暁勇特使はイランの首都テヘランにいた。ザリフ外相(当時)とアフガン情勢について協議。アフガンの隣国として協力することを確認した。

中国やイランが国内の民族独立意識や過激主義を刺激しかねないタリバンの復活を喜べるはずはない。旧ソ連支配への抵抗武装組織を源流とするタリバンはロシアにとっても大きな脅威だ。

しかし各国とも今回はタリバンに秋波を送る姿勢をみせている。米国の失態を際立たせ、覇権維持の負担を高めることが自国にとって有利に働くという計算がある。

「撤収という選択に完璧などなかった」とアラブ首長国連邦(UAE)のシンクタンク、トレンズのクリスチャン・アレクサンダー氏はいう。「バイデン米政権はテロ対策よりも中国やロシアとの戦略的な覇権争いに集中しようとした」。一定の混乱は覚悟のうえだったという説だ。

しかしその中国やロシアは米国の混乱で利益を手にした。「中ロは戦略的な同盟相手として米国がいかに頼りにならないかを熱心に説いて回るだろう」と米シンクタンク、アトランティック・カウンシルのカーステン・フォンテンローズ氏は指摘する。中ロは「多額の資金を投じてアフガンに治安部隊を育成しようなどという気はなく、むしろ治安の弱さを通じて影響力拡大や資源確保を進めたい立場だ」という。

サウジアラビアやUAEなど対米同盟国は「肝心な時に米国は助けてくれないかもしれない」と疑念をふくらませた。

UAEの有力政治評論家のアブドルハレク・アブドラ氏は地元紙への寄稿で湾岸諸国が米のアフガン撤収から学ぶべき教訓として「米国への戦略的な依存を減らし、信頼について見直す時だ」と指摘した。アフガンと同じく米が部隊撤収を表明しているイラクでも米国への不信が強まる。

中東の権威主義リーダーたちは「民主主義や自由主義が21世紀的な課題の解決にならない」との見方を強めた可能性がある。新型コロナウイルス対策で成功を収めたかに見える中国流の「民主主義なき発展モデル」に一段となびく。

「際限ない戦いを続けるわけにはいかない」とバイデン大統領は撤収を正当化する。技術革新で有力石油生産国となり、脱炭素へ巨額投資の目標を示した米国にとって、中東の戦略的な重要性は下がった。米国民からすれば、責任は米の負担にただのりしてきた同盟国の側にもある。

米国の中東での影響力低下は、多大な犠牲を払って抑え込んだ「イスラム国」(IS)など過激派を再び勢いづけかねない。「テロ組織をかくまうことはない」というタリバンの約束が守られる保証はまったくない。

パレスチナのイスラム原理主義勢力ハマス最高指導者のハニヤ氏はタリバンのアフガン制圧に祝意を送り「あらゆる占領の終わりの前奏曲になる」と語った。弾圧や差別や貧困に苦しむ人々にとって過激思想が唯一の救いと映ってもおかしくない。

英国のブレア元首相は自身のウェブサイトで、同盟国に十分な相談もなく進めた撤収について「悲劇的で危険、不必要」と批判した。欧米の約束に対する信頼は脆弱な通貨のようになったと断じた。

ベトナム戦争終結から4年後、イランではイスラム革命が起こり、米国は中東における最重要の同盟パートナーを失った。世界で最も不安定な地域である中東は、長期的な安定と繁栄への先導役を失い、一部の国や勢力が既存の体制や秩序に挑戦するような暴発リスクを抱えつつある。

(ドバイ=岐部秀光)

【関連記事】

・中国、タリバン支援に意欲 経済再建へ欧米と一線
・アフガン撤収期限「現時点で延長不要」 バイデン氏

アフガニスタン最新情報はこちら https://www.nikkei.com/theme/?dw=21081700&n_cid=DSREA_afghan

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小山堅
日本エネルギー経済研究所 専務理事 首席研究員

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別の視点 2001年同時多発テロ事件を受け米国の安全保障観で「テロとの戦い」が最重視されるに至った。

冷戦を勝利した米国の安全保障上の中心的脅威はテロ組織など非国家主体になった。

その後20年を経て米国と中国の対立が激化、再び安全保障の重点は国家間競争に移った。
米国がその対応で政策資源の重点を移し始めた矢先、アフガニスタンでタリバンの権力掌握という衝撃的事件が起きた。

米国は再びテロ・武装組織の脅威を意識せざるを得ない。「もはや世界の警察官ではない」と自認する米国が国家間競争とテロとの戦いの両面作戦を強いられるかもしれない。

米国が苦しむことは対抗勢力をさらに利することになる。国際情勢はますます混沌としてきた。

2021年8月27日 10:24いいね
5

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鈴木一人
東京大学 公共政策大学院 教授

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別の視点 米国が「弱くなった」というよりは、タリバンに対してレバレッジの効かない状況で退却することになった、ということであろう。

これだけのスピードでタリバンが出てくることを想定できなかったインテリジェンスの失敗、退却を優先し、アフガンの国家建設や人権保護といったことを投げ捨てた、というのも弱さに見えるが、一番の問題は、撤退することだけを想定して、タリバンに有利な合意をアフガン政府の頭越しに結んだトランプ政権の姿勢と、それを修正しなかったバイデン政権のやり方。

「タリバンに対する全面降伏」であり、米国が後先考えず自国の利益だけを優先した合意を結んだことが「米国の弱さ」。

2021年8月27日 11:49いいね
1 』

米、アフガン治安維持へタリバン頼み

米、アフガン治安維持へタリバン頼み 自爆テロ防げず
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN271DC0X20C21A8000000/

『【ワシントン=中村亮】26日にアフガニスタンの首都カブールで起きた自爆テロは、空港周辺でのテロ防止をイスラム主義組織タリバンに頼るバイデン政権の苦境を映す。米政権はタリバンによる電光石火のカブール制圧を予測できず後手に回り、米兵13人を含む多数の死者を出す悲劇につながった。

米軍によると26日、カブールの国際空港の入り口付近で過激派組織「イスラム国」(IS)系勢力の戦闘員が自爆テロを仕掛けた。それに続いて複数の戦闘員が米兵やアフガン市民に対して銃撃した。空港に近いホテルでも爆発があり、少なくとも米兵13人が死亡、18人が負傷した。

自爆テロがあった空港の入り口付近は、米軍が国外退避を望むアフガン人らが武器を所持していないかどうかを確かめるポイントとして活用していた。

中東地域を管轄する中央軍のマッケンジー司令官は26日の記者会見で「武器の有無を確かめるには人に近づかざるをえない」と語り、米兵が自爆テロ攻撃を受ける可能性が高い地点だったと認めた。マッケンジー氏は「ISによる攻撃は続くと予想している」とも語り、追加攻撃に備えるとした。

なぜ複数のIS戦闘員が空港に近づけたのか。国際危機グループのイブラヘーム・バヒス氏は、空港周辺の治安維持をタリバンが担っていることを理由にあげる。

タリバンは空港周辺に検問所を設けている。アフガン人らが暴行を受けるなど空港への移動をめぐり負の側面が指摘されている半面、米軍は検問所をテロ組織の戦闘員流入を防ぐ施設として重視してきた節がある。

マッケンジー氏はタリバンに対し、ISなどによるテロの手口を指南していたと明らかにした。バイデン政権は空港に対するテロのリスクが高まったと判断すると、防止策としてタリバンがそれまでよりも空港から遠い地点に検問所を設けていると説明。戦闘員の流入を防ぐためタリバンと連携していることを伺わせた。

米軍が空港周辺に出て検問所を設けるべきだとの見方もあるが、実行すれば検問所で米軍に対するテロが起きるリスクが出てくる。バイデン政権は一部の米国民の移動支援を除き、空港外に米軍は出ないとの方針を貫いてきた。

バイデン大統領は26日、ホワイトハウスで記者団に対して空港周辺でのタリバンとの協力について「タリバンは彼らの利益のために動いている」と語った。タリバンはこれまでISを敵視して掃討を目指してきた。米国とタリバンはISを共通の敵とみなしており、協力できるとバイデン氏はみている。

だがバヒス氏は「タリバンは治安部隊でも政府軍でもなく反乱分子だ。米国はタリバンに多くの信頼を置くべきではない」と指摘する。

2001年9月に起きた米同時テロ後、当時のブッシュ大統領(第43代)は首謀者である国際テロ組織アルカイダのウサマ・ビンラディン容疑者を引き渡さなかったとしてタリバン政権を打倒した。そのタリバンを米軍に対するテロ対策で頼らざるを得ないところに米政権の苦しさがある。

この状況に陥ったのは、タリバンによるカブール制圧がバイデン政権の想定よりもかなり早く起きたことが根底にある。現状では米軍に対するテロのリスクを抑えるうえで最善の策がタリバンに頼ることだった。

米軍制服組トップのミリー統合参謀本部議長は21年8月中旬の記者会見で「兵力30万人のアフガン軍がわずか11日間で消滅するとの報告は記憶していない」と指摘。アフガン戦争に従事してきたミリー氏にとってもタリバンの攻勢はサプライズであったことを認めていた。

アフガンには米国民1000人程度が残っているとみられ、テロを受けて今後の国外退避は不透明になっている。バイデン政権は31日までに米軍を撤収させた後に米国人らの国外退避に向けてタリバンと協力する構えを見せているが、具体策を示しておらず実効性も見えない。 』

日本政府、アフガン退避活動継続

日本政府、アフガン退避活動継続 「邦人被害情報なし」
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA2716R0X20C21A8000000/

『岸信夫防衛相は27日の閣議後の記者会見で、自衛隊機によるアフガニスタンからの邦人らの退避任務を継続する方針を示した。加藤勝信官房長官は首都カブールの空港周辺で26日に発生した爆発で、在留邦人や退避任務の従事者らに被害情報はないと説明した。

日本政府は邦人やアフガンの日本大使館に勤務していたアフガン人らを輸送するため自衛隊機を派遣している。

岸氏は「現在、カブール空港の安全は米軍によって確保されている」との認識を示した。「安全な退避実現に向けた努力を継続する考えだ」と語った。

退避活動の期限について「カブール空港での安全が確保されている状況で検討する。米軍が撤収することを考えると、我々の活動できる範囲も限られる」と話した。

加藤氏は空港周辺での自爆テロに関し「懸念を持って注視している。情勢は流動的で予断を許さない状況だ」と言及した。「あらゆる形態、目的のテロを断固非難する」と強調した。

菅義偉首相は27日午前、首相官邸で秋葉剛男国家安全保障局長や外務、防衛両省の幹部らと対応を協議した。

【関連記事】
・カブール空港周辺で自爆テロ、70人死亡か ISが犯行声明 』

危うい「警察官なき世界」 米アフガン撤収が放つ警告

危うい「警察官なき世界」 米アフガン撤収が放つ警告
本社コメンテーター 秋田浩之
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCD258SU0V20C21A8000000/

『最も恐れていたことが起きた。アフガニスタン首都、カブール空港の周辺。出国をめざし、ようやくたどり着いた人々をテロが襲った。

アフガンではただでさえ、恐るべき弾圧の予兆が漂っている。同国内には、米国への協力者が少なくとも約30万人いるとの試算もあり、イスラム主義組織タリバンによる迫害にさらされかねない。

筆者も今週、アフガン人の知人から「家族がタリバンの捜索対象になり、身の危険が迫っている」という悲痛な訴えを聞いた。これらの人々の命が脅かされず、安全が保たれることを切に願うばかりだ。

タリバンの圧政は心配だが、過激派「イスラム国」(IS)などのテロ組織が勢いづき、タリバンの統治すらもままならない状態に陥ることはさらに悪夢だ。

現地で人道支援に当たる組織からは「タリバンは問題が多いが、テロ集団がアフガンの主導権を握るのはもっと恐ろしい」との声が聞かれる。

この惨状を招いたきっかけは、米軍撤収を急いだバイデン米政権にある。だが、退却そのものの基本方針はオバマ時代に決まり、トランプ前政権がタリバンと合意していた。バイデン大統領はこれらを実行したにすぎない。

これらのできごとは国際政治上、何を意味するのだろうか。まず明確なのは米国が単独で「世界の警察」を任じる時代が終わり、とても不安定な局面に入ったということだ。

米国は世界の警察官ではないという立場は2013年、オバマ大統領が宣言した。今回の撤退はそれがおおげさではなく、本当であることを印象づけた。

冷戦終結から十数年の例外

米国は今後、軍事介入するにしても世界への影響と自国の利益を勘案し、より慎重に対象を絞り込むだろう。世界はこの現実を冷静に受け止め、対策を考えなければならない。そもそも、米国が世界の警察官らしき役割を演じられたのは、戦後のごく限られた期間にすぎない。

あえて言えば、そのような期間は米ソ冷戦が終わった1989年から対イラク開戦(2003年)の前までの十数年である。

これに先立つ1940年代後半~89年、世界は米ソ冷戦で東西陣営に分かれ、米国の「警察力」が及んだのは西側だけだった。

ソ連の崩壊によって冷戦が終わると、いったん米国の指導力は高まる。90年、フセイン・イラク政権がクウェートに侵攻した際、米国は国連決議を踏まえて多国籍軍を束ね、クウェートからイラク軍を追い出した。

米国は湾岸戦争で多国籍軍を主導し、クウェートからイラク軍を追い出した(91年2月)=AP

ところが03年、大量破壊兵器の保有を理由に米国がイラク戦争に踏み切ったころには、警察官としての米国の指導力は峠を越えていた。開戦には同盟国の仏独までも反対し、大量破壊兵器も見つからなかった。

そこに中国の台頭が追い打ちをかける。とりわけ、習近平(シー・ジンピン)氏が共産党総書記についた12年以降、中国は強硬路線にまい進し、米国主導の秩序に正面から挑みだした。

米国が好むと好まざるとにかかわらず、単独で警察役を果たせる時代はすでに終わっていたのだ。

カブール空港周辺の事件で改めて鮮明になったテロの脅威も含め、世界は安全保障上の火種に満ちている。なかでも秩序を左右するのが、強大になる中国にきちんと向き合い、責任ある行動を引き出していけるかだ。

この点でいえば、米軍のアフガン撤収は望ましい。米国がインド太平洋に軍事力や外交力を傾け、中国に対抗する余力が増えるからだ。

推計によれば、米国はアフガンに2兆2610億ドル(約250兆円)の戦費を投じ、米兵だけで二千数百人が命を落とした。この約1年半、米兵の死者は出ていないが、戦争を続ければ、莫大な予算がかかるうえ、米指導者は政治的な体力も奪われてしまう。

同盟国にも「ただ乗り」許さず

日本や東南アジアの当局者や識者らにたずねると、米国が対中戦略に専念しやすくなるとして、アフガン撤収を歓迎する声が少なくない。英国を代表する安全保障専門家、マイケル・クラーク氏(英王立防衛安全保障研究所・前所長)も、こう語る。

「バイデン政権がこのような形で撤退を実行したことに、欧州は非常に怒っている。しかし、アジアからみれば、今回の決定は長期的な安全保障の利益にかなう。インド太平洋の問題に、米国が集中する余地が増えるからだ」

だが、「よかった」で済む話ばかりではない。バイデン氏は8月14日の声明でこう強調した。「アフガン軍が自国を守ることができない、もしくは守る意志がないなら、米軍がさらに1年間または5年間駐留しても意味がない」

つまり、米軍へのただ乗りは許さないというわけだ。この発言をトランプ氏ではなく、同盟重視のバイデン氏が放った重みは大きい。今後、誰が次の大統領になろうとも、同盟国や友好国にただ乗りを認めることはないだろう。

むろん、米国の戦略上、日本や韓国、オーストラリアの重要度はアフガンよりもはるかに高く、比較にはならない。とはいえ、自助努力を怠っても必ず米国は守ってくれると考えるのは誤りだ。

特に、日本の防衛費は国内総生産(GDP)の1%であり、比率でみると世界の100位以下。韓国(2.7%)、豪州(2.1%)よりもずっと低い。

「日本が格段に防衛努力を増やさなければ、日米同盟をもってしても将来、中国から日本を守り切れなくなってしまう」。元米国防総省高官からは、こんな不安が聞かれる。

米国だけでは世界の警察役を果たしきれない以上、主要国が役割を分担し、みんなで治安を守っていくしかない。アフガン敗戦をきっかけに、各国はそんな目の前の現実に向き合うときだ。

ニュースを深く読み解く「Deep Insight」まとめへDeep Insight
https://www.nikkei.com/opinion/deepinsight/

秋田 浩之
長年、外交・安全保障を取材してきた。東京を拠点とし、北京とワシントンの駐在経験も。北京では鄧小平氏死去、ワシントンではイラク戦争などに遭遇した。著書に「暗流 米中日外交三国志」「乱流 米中日安全保障三国志」。

危うい「警察官なき世界」 米アフガン撤収が放つ警告(10:00)
タリバン復権、中ロ脅かす イスラム過激派流入の恐怖(16日)』

カブール空港周辺で自爆テロ、70人死亡か

カブール空港周辺で自爆テロ、70人死亡か ISが犯行声明
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN26F0W0W1A820C2000000/

『【ワシントン=中村亮、イスタンブール=木寺もも子】アフガニスタンの首都カブールの国際空港の周辺で26日、2回の爆発があった。過激派組織「イスラム国」(IS)が犯行声明を出し、米軍は少なくとも1回は自爆テロと指摘した。複数の米メディアによると、米兵13人を含む70人超が死亡したとみられる。

【関連記事】カブール空港爆発、「イスラム国」が犯行声明

テロを起こしたとみられるのは、アフガンや隣国パキスタンにまたがる地域の領有を一方的に主張するIS系勢力のIS「ホラサン州」。

米軍で中東地域を管轄するマッケンジー中央軍司令官によると、空港の入り口の一つである「アビー・ゲート」付近でIS戦闘員が自爆テロを実施した。その後に別の複数の戦闘員が米兵やアフガン市民に対して銃撃した。米軍はアビー・ゲートで、国外退避を望む人々が空港に入る前に武器を所持していないかどうかを確認していた。

もう一つの爆発はアビー・ゲートから数百メートルの距離にある「バロン・ホテル」で起きた。マッケンジー氏は手口について調査中だとした。バロン・ホテルは外国人の利用が多いとされる。米軍は19日、ヘリコプターを使って同ホテルから169人の米国人を空港に移動させていた。

米中央軍は2回の爆発などで米兵13人が死亡、18人が負傷したと明らかにした。複数の米メディアによると、アフガン人は少なくとも60人が死亡。負傷者は200人を超えたとの報道がある。

ロイター通信によるとISは26日、公式メディアを通じて犯行声明を出し「(イスラム主義組織)タリバン戦闘員を含む約60人を殺害、100人超を負傷させた」と主張した。マッケンジー氏は「ISによる攻撃が続くと想定している」と指摘、追加攻撃に強い警戒感を示した。米国人やアフガン人らの国外退避の支援は継続すると強調した。

ISと対立するタリバンは同日の声明で「人々の安全に注意を払ってきた」と強調し、爆発事件を非難した。ジョンソン英首相は「(爆発は)我々の進捗を妨げることはない」と退避活動を続ける考えを強調。ドイツのメルケル首相も退避の支援を続けると表明した。メルケル氏は28~30日に予定していた外遊を取りやめた。フランスのマクロン大統領は「米国と協調する」などと述べた。

【関連記事】
・ドイツとカナダ、アフガンでの救出作戦を終了
・カブール空港周辺で爆発、60人死亡か 自爆攻撃の可能性

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渡部恒雄
笹川平和財団 上席研究員

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分析・考察 最近でアフガニスタンでの米軍の死者はいなかったため、今回のテロはアフガンから撤退の混乱の中で、米国が恐れていたことが起こったといえます。

最新の情報では米軍の犠牲者は13人となり、バイデン大統領は犠牲者を悼み、殉職した米兵を英雄とよぶ演説を行い、イスラム国に対しては、我々は容赦はしない、見つけ出して報復すると発言しました。

ただ、アフガニスタンにおける米軍のインテリジェンス能力は益々低下していくことは必至であり、今後も難しい状況が続くと思われます。

2021年8月27日 8:12いいね
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岩間陽子
政策研究大学院大学 政策研究科 教授

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分析・考察 すでに水曜日中に、デンマーク、ベルギー、ポーランドはカブール空港での作戦を終了、ドイツとオランダも木曜中に終了することを発表していた中で起こったテロです。

アメリカからは繰り返しテロの危険に関する情報が同盟国に出されていました。

日本はこのような状況での自衛隊の派遣に関する法制を、見直す必要があります。カブール市内から空港への陸上輸送をやるとすれば、自衛隊法84条の3ですが、現状は条件が厳しすぎます。

空路の輸送は今回使った84条の4ですが、二つの条件が違うので同時に使えません。

また、意思決定の段取りも不明瞭。ドイツは議会の同意必要ですが、今回のような緊急時は事後承認が可能なので、それでやりました。

2021年8月27日 7:17いいね
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鈴木一人
東京大学 公共政策大学院 教授

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ひとこと解説 犯行声明を出したIS-Kは「イスラム国のKhorasan州」と名乗る組織で、世界的なカリフ制を作ろうとする「イスラム国」の一部。

このKhorasanはイラン、パキスタンやアフガニスタンの地域を示す地名だが、どうも聞き覚えがあると思ったら、かつて米国が安保理に提出したシリア空爆の理由を書いた書簡にKhorasan GroupはISの一派であり、それを攻撃の対象にしているから空爆は正当化されると主張していたのを見たのを思い出した。

その時はなぜシリアにKhorasanという関係ない地名が出てくるのか不思議だった。2015年7月にはそのボスを殺害している。IS-Kから見れば米軍に対する報復なのだろう。

2021年8月27日 11:30いいね
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滝田洋一
日本経済新聞社 編集委員

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ひとこと解説 8月23日のワールドビジネスサテライト(WBS)でもISによるカブール空港でのテロの可能性を指摘しました。そもそもテロのリスクは米国が警告しています。そして現実に米兵13人を含む70人超の死者を出すテロが発生してしまいました。

何とも痛ましい限りですが、バイデン政権の屋台骨を揺るがしかねません。

米軍のアフガン撤退はトランプ政権の時から決まっていたとはいえ、問題はその手順であり、事態の制御だったからです。タリバンによるカブール占拠が「バイデン政権のサイゴン陥落」だったとすれば、アフガンからの脱出に支障をきたし、取り残される人たちが出てくるようだと「テヘラン・米大使館占拠事件」の悪夢が甦ってきます。

2021年8月27日 9:22 (2021年8月27日 10:10更新)
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菅野幹雄
日本経済新聞社 ワシントン支局長・本社コメンテーター

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ひとこと解説 なお1000人規模とみられる米国人が数日後の8月末までの退避を急ぐなか、多くの米兵が犠牲となった自爆テロはバイデン米政権にとって余りにも早い悪夢です。
地上から空港へ入るチェックポイントと、ヘリ輸送の出発点のホテルという、まさに兵士と人々の流れの結節点が同時に襲われました。

バイデン大統領は「代償を支払わせる」とイスラム国(IS)への報復を誓いますが、その前に追加のテロ攻撃で米兵のみならず市民の命が狙われる可能性はなお非常に高いはず。
世論調査でバイデン氏の不支持率は支持率を上回りました。超高難度の作戦を完遂して信頼失墜に歯止めをかけるのか、それとも一段と傷口を広げるのか。政権の重大な岐路です。

2021年8月27日 8:27いいね
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IS攻撃計画の策定を指示 アフガン撤収は継続

IS攻撃計画の策定を指示 アフガン撤収は継続―米大統領
https://www.jiji.com/jc/article?k=2021082700293&g=int

『【ワシントン時事】バイデン米大統領は26日、ホワイトハウスで国民向けに演説し、アフガニスタンの首都カブールの空港周辺で起きた爆発について、過激派組織「イスラム国」(IS)によるテロ攻撃だと述べ、非難した。その上で、IS指導部などへの攻撃計画をまとめるよう軍幹部に指示したことを明らかにした。

 演説の途中、攻撃の犠牲になった米兵らを「英雄」とたたえた際には涙をこらえる様子を見せ、哀悼の意を表して約20秒間黙とうした。
 また、アフガンの実権を握ったイスラム主義組織タリバンとISが結託している証拠はないと主張。米国人やアフガン人の退避活動の安全確保でタリバンの協力を得ていることを正当化した。

 バイデン氏は「テロリストに(行動を)阻止されることはない」と強調。月末を期限とする米国人らの退避と米軍撤収は継続する意向を示した。退避活動に当たって「米軍部隊増派が必要なら許可する」と述べた。

 サキ大統領報道官も記者会見で、月末の撤収期限に「変更はない」と指摘する一方、希望する全てのアフガン人を国外退避させることは不可能だと述べた。』