〔台湾内部の複雑な事情…。〕

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「宮崎正弘の国際情勢解題」 
令和三年(2021)8月26日(木曜日)
通巻第7028号  
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 ★アンディ・チャンのアメリカ通信  ★アンディ・チャンのアメリカ通信 
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アフガンの次は台湾か
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 世界の歴史に残るアフガンの撤退に大失敗をやらかしたバイデンは、その後の記者会見でも続けて自己弁護と嘘の陳述を繰り返したが、今では彼の信用度は限りなくゼロである。アフガンの次は台湾じゃないかと誰もが言い出している。

 中国は米国は頼りにならぬ、米国は台湾を捨てる、台湾は自力防衛ができないと宣伝している。米国国務省はバイデンが大失敗を犯した後、米国が台湾を放棄することは絶対にないと言明した。台湾は自力で防衛できる。攻撃されたら中国に壊滅的な攻撃、例えば三峡ダムを破壊すると言う。これほどの国辱を犯したにも拘らず、バイデンとサヨク政治家はアフガンに取り残された外国人の安否と脱出について一言も言及していない。諸国は米国を信用できなくなったのである。

 アフガンの次は台湾だと言われている。バイデンの無責任な態度で台湾の安否が心配になる。多くの人が台湾の将来についてさまざまな予想を述べている。将来のことは誰もわからないが、私なりに台湾の将来について米中台の三方面から分析してみよう。

 米国:バイデンは「アフガンの為に我々の血を流すことはしない」と言ったから台湾の為に血を流すことも拒否するかもしれない。バイデンの戦略顧問、Jake Sullivanは嘗てヒラリーの選挙参謀をしていた2016年に中国が保有している1.14兆ドルの米国債と引き換えに台湾を放棄しようと提案してヒラリーが良い意見だと言ったことがあった。

ヒラリーが当選しなかったので台湾、東南アジアは救われたのかもしれない。でもアメリカの政治はそれほどクリントン、オバマやバイデンに左右されるはずがない。

 米国では反戦気分が民間にみなぎっているが、サリバンのようなサヨクの意見(陰謀)は別として米国が台湾を放棄することはまず絶対にない。

中国が台湾を併呑すれば米国は太平洋防衛線をグアムとハワイまで引き下げ、アジア諸国との同盟関係を失い、日本、韓国も中国の脅威に晒される。中東は中国の一帯一路が欧州まで伸びて中国覇権が完成する。

つまり台湾を放棄することはアメリカが世界のリーダーから転落し、パックスアメリカーナが崩壊することだ。台湾の地位はそれほど重要なのだ。

 ▼米議会とペンタゴンは台湾重視に傾斜しているが。。

 中国:台湾は中国の派遣進出にとって非常に重要だから中国はどうしても台湾を併呑したい。だがバイデンのアフガン失策で台湾が危なくなったのではなく、国会とペンタゴンはこれまで以上に台湾を重視するようになった。

中共が下手に台湾を攻撃したら大きな戦争になるかもしれず、小さな紛争を起こしても台湾と米国の手痛い反撃をうけるだろう。中国は台湾を併呑するためさまざまな戦略を考慮しているはずだが、ひとまず先に台湾海峡で小さな紛争を起こして米国の出方を見ると思われる。

 武力で台湾を攻略して台湾の経済基礎を破壊するようなことはせず、メディアの宣伝と台湾にいる親中派の籠絡などが主要戦略となるだろう。

武力で台湾を攻撃すれば大きな戦争となって米国、日本の他に英国、オーストラリアなども参戦する。中国が大戦争で勝てる見込みはない。

武力よりも宣伝の方が効果がある。アメリカは頼りにならない、台湾の為にアメリカ人の血を流すことはない、台湾は地力防衛ができないと宣伝して台湾人を恫喝する。その上で台湾内部の親中派を籠絡し買収する。

台湾を籠絡するだけでなく諸外国に働きかけて台湾を孤立させる。これならあまり金がかからないし米国も干渉できない。軍艦を使って海上封鎖や大量の漁船を台湾海峡の中間線まで接近させるなども戦略の一つだろう。台湾の漁船を拿捕してアメリカの反応を見るのも一つの方法だ。

 台湾:台湾は中国の領土ではない。台湾人の90%は反中国である。

中国の武力侵略が成功しても民衆の反抗が続くから兵隊が上陸し占領しても補給が続かないし米国も黙っているはずがない。

そこまでやれば日本や英国も援軍を送るだろう。武力で台湾に侵入しても台湾人の反抗はどこまでも続く。それよりメディア宣伝で台湾民衆の反中国意識と戦意を削ぐ方が安上がりだ。

台湾を武力で併呑するのは難しいが台湾には親中派がいる。外省人、国民党上層部、軍の上層部の他に中華統一促進党と呼ぶ台湾最大の黒社会グループがいる。中共が武力攻撃すれば内応するゲリラが内応する可能性が高い。

つまり台湾内部の親中派はアフガン国内のタリバンみたいなものだ。いつ内乱を起こすかわからない。

 国民党上層部には馬英九、朱立倫などの親中派がいる。彼らは今でも「92共識」と呼ぶ台湾と中国は同宗同族だと言って中共と媾和条約を結ぶことを主張している。媾和論とは「香港方式の台湾併呑」であるから台湾人は大反対だが、中国の宣伝と恫喝に内応して媾和論を唱える親中派が出てくるだろう。

 蔡英文総統は台湾は米軍に頼らず自衛するべきだと言ったが、台湾が「中華民国」の国名を維持し続ける限り中国の圧力が絶えない。

中国は台湾が独立すれば直ちに攻撃すると恫喝している。台湾独立を主張する民意が不十分である上に政党の民進党が反対する。これが現状である。

台湾が独立するには米国をはじめ世界各国が台湾を独立国と認めてからようやく現実となる。

▼台湾の軍隊は戦えるか?

台湾は徴兵制から募兵制になったので90%の兵隊が台湾人の兵士になった。彼らの訓練の程度や士気、戦闘能力と祖国防衛の決心がどれほどかは未知数である。

軍の最上層部は今でも外省人だし海軍には青幇の分子が多く、台湾の青幇は中国の青幇と繋がっている。民間にも竹聯幇、統一促進党などがいる。

 台湾の軍隊は戦えるかという疑問の他に、米国はどこまで台湾の軍隊を信用しているかという問題もある。

米国はこの数年の間に台湾に最新式武器を提供してきた。だが米国は台湾に提供した戦闘機を操縦して中共に寝返った事件や、最新情報を中共に売った上級将校がいたことも忘れていない

つまり米国は台湾に最新軍備を提供しても米軍兵士の血を流すことはしないと思う。第7艦隊が台湾を防衛するに違いはないが陸軍は派遣しないはずだ。

 以上が米中台の三方面から見た現状分析だが単なる私論として諸氏の参考にしたい。

               (アンディ・チャン氏は在米評論家)

【解説】トランプ米政権とタリバンが交わした撤退合意 現状への影響は

【解説】トランプ米政権とタリバンが交わした撤退合意 現状への影響は
https://www.bbc.com/japanese/video-58313031

『2021年8月25日

アフガニスタン駐留米軍の大多数が7月初めまでに撤収した後、武装勢力タリバンはたちまち全土を制圧し、8月15日には首都カブールを掌握した。

アメリカが後押ししたガニ政権は崩壊し、アメリカをはじめ多くの国は自国民や自国に協力したアフガニスタン人の脱出におおわらわとなった。

この事態の発端は、2020年2月にカタール・ドーハでタリバンとトランプ米政権(当時)が米軍撤退について合意を交わしたことだった。

トランプ政権とタリバンの合意が、タリバンの急激な復権にどう関係したのか、BBCのロス・アトキンス司会者が解説する。

(製作:トム・ブラダ)』

〔アフガニスタン、地形・地勢〕

※ まず、「山岳国家」だ…。

※ 次に、「内陸国家」だ…。

※ 兵員送るにしても、「兵站」確保するにしても、「海上通運」「河川の舟運」は使えない…。

※ 陸路に頼るしかない…。

※ 平坦な場所でなく、「山岳地帯」だから、「隊列」も小規模なものにならざるを得ない…。

※ おまけに、この通りの「多民族国家」だ…。

※ 民族的には、隣国パキスタンと深い繋がりがある…。

※ 周辺の隣国とも、民族的には繋がっている…。

※ 国内には、「虫食い状」に、けっこうな規模の「各民族集団の居住地域」が点在している…。

※ 「帝国の墓場」になるわけだよ…。