NATOが中国にアフガン国境の開放を要請か―インドメディア Record China 2009年3月4日

NATOが中国にアフガン国境の開放を要請か―インドメディア
Record China 2009年3月4日(水) 15時4分
https://www.recordchina.co.jp/b29141-s0-c30-d0000.html

『2009年3月2日、インド紙タイムズ・オブ・インディアは米国の関係筋の話しとして、北大西洋条約機構(NATO)がアフガニスタン駐留軍への物資輸送ルートを確保するため、中国に国境を開放するよう求める動きがあると報じた。3日付で中国紙・環球時報が伝えた。
【その他の写真】

これまで利用されてきたパキスタンからの陸路輸送ルートは、物資を運んだトラックが焼かれたり、橋が爆破されたりするなど何度も武装勢力の攻撃に遭い、その都度補給の中断が余儀なくされていた。そのため、ドイツなど一部の国はロシア領を通過するルートに切り替えているが、米国やNATOの他の国は別ルートを探す必要がある。

そこで目を付けられたのが、中国とアフガニスタンを結ぶワハーン回廊だ。東西に細長く走る渓谷で、新疆ウイグル自治区カシュガル地区のタシュクルガン県に接する国境線はわずか90km余り。かつては中国と領有権を争ったが、1963年に中国がそれを放棄した。

国境を挟んでアフガニスタン側にはキルギス族、中国側にはタジク族がすんでいる。かつて米同時多発テロ事件など様々なテロの首謀者であるウサマ・ビンラディンが潜伏していたとの証言もあった場所だ。(翻訳・編集/NN)』

〔ワハーン回廊〕

ワハーン回廊
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AF%E3%83%8F%E3%83%BC%E3%83%B3%E5%9B%9E%E5%BB%8A

『ワハーン回廊(ペルシア語:وخان)とは、アフガニスタン北東のバダフシャーン州に位置する東西に細長く伸びた回廊地帯。ワハーン渓谷、ワハン回廊とも。』

『歴史

かつてはタクラマカン砂漠を通って東西を結ぶシルクロード、いわゆる「オアシスの道」の一部をなす重要な経路であった。

19世紀にはグレート・ゲームの主要な舞台となる。1890年に、フランシス・ヤングハズバンドが南下するロシア帝国のブロニスラフ・グロンブチェフスキー率いるロシア軍兵士にワハーン回廊のボザイ・グンバズで拘束されそうになる事件が発生し、1891年に英領インド帝国はフンザ藩王国とナガル藩王国を相手にフンザ・ナガル戦争を開始した。その結果、親英のアフガニスタンに組み込まれ、イギリス・ロシア両勢力間の緩衝地帯となった。
地政学的に極めて重要にも関わらず、厳しい気象条件、険しい地形など外部から人を寄せ付けない要素が重なり、中央の支配や軍事的な関心が及ばない地域となっている。1970年代のソ連によるアフガニスタン侵攻、ソ連撤退後の内戦状態、2000年代のタリバンによる国土支配とその後の内戦などとも無縁のまま、ワハン人およそ1万2000人とキルギス人遊牧民1,100人ほどの住民は、回廊内でひっそりと暮らしている[1]。

2018年8月、国境を接する中華人民共和国がバダフシャーン州に中国人民解放軍の軍事基地を建設しているとする報道が各国メディアでなされ[2][3][4][5]、中国政府は否定した[6]。翌2019年2月、ワシントン・ポストがワハーン回廊に繋がるタジキスタンとアフガニスタンの国境にある中国軍の駐留施設を衛星写真や現地取材を基に報じるも[7]、タジキスタン政府は否定した。』

『地理

「ワハーン(英語版)」も参照

パミール高原を東西に貫くこの地域は、西を本土とわずかに連絡する他は北をタジキスタン、東を中華人民共和国(新疆ウイグル自治区カシュガル地区タシュクルガン・タジク自治県)、南をパキスタン(カシミールの一部を含む)に囲まれた東西200km、南北15kmの狭隘な高原である。

ヒンドゥークシュ山脈を越える南部のパキスタン国境(デュアランド・ライン)には、ブロゴル峠(英語版)、カランダル峠(英語版)、イルシャード峠(英語版)、Dilisang Passがある。

ヒンドゥークシュ山脈を越える東部の中国国境には、世界でも最も標高の高い国境のひとつとされるワフジール峠(4923m)(北緯37度5分33秒 東経74度28分49秒)があり、峠の東西で3時間30分もの時差がある。長らく峠は(少なくとも中国側は)閉鎖されている状態で、数十キロにわたり車両が往来する明瞭な道路は存在しない。2009年初頭、アフガニスタンに展開していたNATO軍は、安全な輸送路を確保するために中国に対して国境の開放を求めた。中国側は、回答をしないままタシュクルガン・タジク自治県側から道路工事の一部を開始したが、最終的に開放には至らなかった[8]。

住民

人口は疎薄で、ワヒ族を中心にキルギス族が少数居住している。

稀少動物

ユキヒョウの生息が確認されている[9]。』

戦火さえ来ない最果ての地、アフガニスタンのワハン回廊
2018年3月11日
https://www.afpbb.com/articles/-/3163394

少子化克服は「百年の計」 出生率1.5の落とし穴

少子化克服は「百年の計」 出生率1.5の落とし穴
人口と世界 成長神話の先に(3)
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOFE2575A0V20C21A5000000/

 ※「価値」とか、「目的(目標)」とかは、対立する…。

 ※ ジェンダー・フリーを叫んで、「女子の選択肢を増やそう!」ということと、「少子化の抑制」は、両立が困難だ…。

 ※ 世の中、全てが「こちら立てれば、あちら立たず」の関係にある…。

 ※ 結局のところ、「妥協の産物」「まあまあ、そんなに酷くは無いところ」に落ち着かせる他は無い…。

 ※ 人によって、「価値観」って、異なるからな…。

『「子どもがいなければもっと自由に生きられる」。韓国の大手エンターテインメント企業の女性管理職(41)は結婚時、夫と話し合い子どもを持たないと決めた。

【前回記事】労働輸出国で細る若年層 移民政策、国の盛衰占う
【関連記事】経済成長・高齢化・移民… チャートで見る人口減の世界

子どもは好きだが、教育費は増すばかり。あるソウルの有名学習塾の費用は月500万ウォン(約50万円)。不動産の高騰や厳しい雇用環境も子育ての足かせとなる。周りには結婚すらしない人も多く、小学校教諭の姉も「非婚宣言」した。

韓国は2020年の出生数が過去最少の27万2400人。女性1人が生涯に産む子どもの推定数(合計特殊出生率)は0.84で世界最低水準だ。

超少子化に陥る分水嶺とされる出生率1.5を長く下回った後に回復した国はほぼない。子どもが少ないのが当たり前の社会になり、脱少子化が困難な「低出生率のわな」に陥る。1.34の日本も直面する現実だ。

なぜ少子化が進むのか。人口学者が指摘するのは、女性の教育と社会進出だ。男女格差が縮小するのは社会にとって大きな前進だが、女性にばかり育児の負担がかかる環境が変わらないと、働きながら望むように子どもを産み育てられない。

「フルタイムで働きながら子育てなんて考えただけで疲れる」。バンコクの女性大学院生(35)は嘆く。タイの20年の出生率は1.5で低出生率のわなの瀬戸際に立つ。

タイ女性の大学進学率は58%で男性の41%を上回る。英HSBCによると、大部分の国民が高等教育を受ける国で高出生率の国は一つもない。だが女性の教育を後戻りさせるわけにはいかない。

福祉国家フィンランドも出生率が10年の1.87から急減し、20年は1.37。少子化対策が手厚いはずの同国の急降下は大きな謎とされる。非政府組織(NGO)の人口問題連盟の調査ディレクター、ベンラ・ベリ氏は「女性は男性にもっと平等に家庭に参加してほしいと考えている」と指摘する。

ヒントはどこにあるのか。少子化対策の優等生といわれてきたフランス。ここ数年は出生率が下がりつつあるが、それでも1.8台を維持する。子育て支援などの家族関係社会支出は国内総生産(GDP)比で2.9%と日本の約2倍だ。

フランスは少子化対策を重視する(病院を視察するマクロン仏大統領)=ロイター


きっかけは1870年の普仏戦争だ。直前まで欧州で人口最大だった仏がドイツに逆転され、敗戦も喫した。仏が少子化対策を「国家百年の計」とした背景には、この苦い記憶がある。仏は家族のあり方も大きく変え、1999年に事実婚制度PACSを導入した。2019年に仏で生まれた子の6割が婚外子だ。

制度を変えても社会に根付くには時間がかかる。儒教思想が根強い韓国でも着手した。韓国政府は4月、家族の定義を見直す方針を打ち出した。婚姻や血縁などによる家族の定義を民法から削除し、事実婚カップルらも家族と認める。

「産めよ殖やせよ」と声高に叫ぶ時代ではない。それでも安心して子育てができる社会をつくるには一定の出生率の維持が欠かせない。社会全体の生産性を上げなければ経済や社会保障は縮小し、少子化が一段と加速する悪循環に陥りかねない。百年の計をいまこそスタートさせる時だ。』

少女よ大志を抱け 「理系は男性」の偏見さよなら

少女よ大志を抱け 「理系は男性」の偏見さよなら 
思い上がれない女性たち(2)
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOKC29DH10Z20C21A7000000/

『「少年よ大志を抱け(Boys, be ambitious)」は1876年に札幌農学校の初代教頭に就いたクラーク博士の名言だ。それから月日は流れたが、果たして現代の「少女」はどうか。自分の信じる道を大手を振って歩めているだろうか。

「母親から、そんな男の子ばかりの進路はやめなさいと言われるんです」。一般社団法人「Waffle」には、女子中高生からこうした相談が舞い込む。2019年設立のWaffleはIT(情報技術)分野におけるジェンダーギャップの解消を掲げ、オンラインでのプログラミング教室やアプリコンテストを実施する。

Waffleの共同代表を務める田中沙弥果さん(左)と斎藤明日美さん(東京都千代田区)
代表理事を務める田中沙弥果さんは「男の子と同じようにプログラミングを楽しんでいた女の子が、10代になると一気に遠慮がちになる。背景にあるのが社会のジェンダーバイアス(性的偏見)」と話す。IT関連のイベントに集まるのは男子が大半で参加することに引け目を感じたり、大学で理系に進むことを親や教師が不安視したりする。「このもったいなさすぎる状況をなんとか変えないと」

工学部、いまだに女性15%

経済協力開発機構(OECD)が実施する15歳の国際学習到達度調査(PISA)では女子の学力は男子を上回る。25~64歳で大学などの高等教育を卒業した比率はOECD平均で女性が約41%、男性が約35%だった。一方で課題となっているのが、STEM(科学・技術・工学・数学)分野における女性進出の遅れだ。

特に文理の選択を早く迫られる日本では、「女性らしくない」という偏見が人生の選択肢を狭めている。文部科学省によると、大学の理学部における女子生徒の割合は約28%。工学部に至っては約15%にとどまる。

2年待ったけど誰もやらなかった

Waffleの田中さんは外国語学部を卒業した「文系」だが、留学先の米国で初めてITの「クールな姿」を目にして女性の視野を広げたいと思い立った。最初は10代女子向けの活動を立ち上げてくれるエンジニアなどを探して奔走したが、2年間たっても本腰を入れようという人や団体は現れない。しびれを切らして自ら起業した。

田中さんと、もうひとりの共同代表である斎藤明日美さんにも、かつて「女性らしさ」をめぐる葛藤があった。田中さんは中学に進学すると「『モテ』を意識して自分から手を挙げなくなってしまった」。斎藤さんは入学した大学の農学部で女性が圧倒的に少なく、男子学生を立てて一歩引いていることに疑問を感じた。そんな思いが原動力になっている。
Waffleがこれまでに開いたプログラミング教室は26回、参加者は約130人に上る。好きなK-POPを紹介するウェブサイトを作成するなど、女子学生は思い思いの関心を形にしていく。Waffleとの出会いで、理系の大学に進む一歩を踏み出せたとの声も届いた。斎藤さんは言う。「女の子はもっと自分の進む道に自信を持っていい。そんな気持ちを応援できる、あたたかい居場所をこれからも作ってあげたい」

日本の若者は世界的にみても、男女ともに自分を肯定的に捉えられていないといった調査もある。内閣府が18年に各国の13~29歳の男女に調査したところ、「自分自身に満足している」の項目に「そう思う」「どちらかといえばそう思う」と答えた日本の若者の割合は約45%。最も高い米国の半分程度だった。

自分の現状や進む道を肯定的に捉えられなくなるのは、周囲の環境や何気ない言葉などに原因がある。課題解決の糸口は、幼少期にもありそうだ。

ネジに「かわいい!」

乳幼児向けの玩具を手掛けるピープルで商品企画を担当する上原麻里衣さんは、モニターとして開発に参加した6歳前後の女の子を前に、本物のネジや工具を見せて驚いた。女の子たちは武骨な道具に飛びつき、口々に「かわいい」と思わぬ反応をみせた。

女の子向けのDIYおもちゃ「ねじハピ」のドライバー

従来のDIY玩具といえば「大工さんセット」といった男の子向けがほとんど。聞けば、最近はDIYに取り組む母親の姿を家庭で目にしたり、女性が工具を駆使して家を改装したりするテレビ番組が人気を集めたりしているという。

18年に発売した「ねじハピ」は、電動ドライバーで箱や家を組み立てる。パステルカラーを使い、ねじを星形にするなど女の子も興味を持てる見た目にした。一方で電動ドライバーの使用感は本物さながらで、ネジも150個以上使う。

娘の興味を大事にしたい

購入の後押しをしているのが「興味のあることを応援したい」という親心だという。「最近の父母世代は男女のイメージに関係なく、欲しがる娘を受け入れ可能性を広げてあげたいと思っているのでは」(上原さん)とみる。

人生の初期段階で可能性が狭められることは、特定分野の人材不足や男女の賃金格差につながる。少女が様々な分野で「大志」を育める環境づくりが急務だ。

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岩間陽子
政策研究大学院大学 政策研究科 教授

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貴重な体験談 母親が持っているバイアスは、すごく大きいと思う。「男の子はこういうもの、女の子はこういうもの」という自分の価値観を必死で子供に投影してくる。

日本の女の子は、毎日母親と戦い続けなければ、自己実現すらできない。

周り道に思えても、孤立した子育てを社会に解放して、母子が孤立しない環境を作り、「今、社会はこういう人間を求めている」というのが子育ての現場に届くようにすることが必要。

父親が子育て参加、母親が社会参加し、社会全体が子育てに関わる仕組みを作っていかなければ、今の日本の子育てから自己肯定感のある人間を作るのは難しいと感じている。学校の先生も案外世間知らずです。大人が子育てに関わってください。

2021年8月24日 9:21いいね
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野崎浩成
東洋大学 国際学部教授

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分析・考察 「リケジョ」という言葉が死語になるような世の中を目指したいものです。
そのためには、ねじハピのような「入口」の環境づくりをするとともに、卒業後の「出口」の環境整備も必要です。

たとえば、男職場の象徴とも言える建設・土木の現場における仕事環境の見直しです。国交省は「ドボジョ(土木女子)」をキーワードに業界への働きかけを行うほか、ゼネコン各社は現場での女性専用トイレやパウダールーム設置などハード面の配慮と育休などのソフト面での改善を図っていますが、大きな変化は見られないようです。

環境・制度面での見直しは当然として、女性が自然に働きやすさを感じるための、周りの意識変革が必要条件だと思います。

2021年8月24日 8:01 (2021年8月24日 9:19更新)
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村上臣
リンクトイン日本代表

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分析・考察 いまビジネスの世界ではダイバーシティが大きな課題となっており、そのための社員トレーニング等が盛んに行われています。代表的なものに「無意識のバイアス(アンコンシャス・バイアス)」を認識して打破するといったものがあり、採用や昇進をより適切に行うことが期待されています。

このバイアスがどのように形成されるかについては諸説ありますが、家庭や教育環境に起因するものが大きいと考えています。間接的に影響を与えているメディアの役割は重大です。安易に「女性役員」「リケジョ」「美しすぎる女性議員」などとはやし立てることは、このバイアスを社会のコンセンサスとして追認することにつながります。

2021年8月24日 9:06いいね
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中空麻奈
BNPパリバ証券 グローバルマーケット統括本部 副会長
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別の視点 男女機会均等法が施行されたのが1986年。と思っていたら、その源流となる勤労婦人福祉法の制定は1972年に遡る。ほぼ50年前の出来事だ。ということは男女機会均等という案については、50年前から“気が付いていた”ということになる。

にも拘わらず、50年経っても、いまだに、こうした記事が出てしまう寂しさ。潜在的な思い込みや因習を根本から変えるには時間がかかる。「なんで男性には一般職採用がないんだろう?」と同じゼミの男の子が嘆いていたことを今も思い出す。

2021年8月24日 9:06いいね
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大湾秀雄
早稲田大学 教授
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分析・考察 男がヒーローで女は助けられるお姫様という筋書きの絵本など、子供の頃から教えられる性別役割分担でジェンダーバイアスが植えつけられる。

「女性らしくしなさい」という親の教えは、しゃしゃり出ず控えめに行動し、結婚市場で有利になるよう、大学での専攻も、主婦や母親志向をシグナル出来る家政学、教育学、文学が好まれる。

こうした傾向は日本や韓国でとりわけ強く、職業選択における男女格差とそれによる賃金格差を生んでいる。

日本人女性は国際比較で自己奉仕バイアスが低いことも示されているが、失敗すると反省を促し、成功すると周りに感謝するよう教える教育のせいだろう。これもキャリア選択やメンタルヘルスに影響を与えている。

2021年8月24日 7:50いいね
13 』

増える在宅患者、届かぬ医療機器

増える在宅患者、届かぬ医療機器 体制作りが急務
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCC232WB0T20C21A8000000/

『新型コロナウイルス患者が自宅療養するための医療機器活用が十分に進んでいない。自宅療養者(療養先調整中含む)が過去1カ月で9倍に急増し、配布・生産が追いつかない状況だ。呼吸困難に対応するための酸素濃縮器は医師の立ち会いが必要とされるなど制約がある。効率利用できる体制づくりやメーカーの増産が急務だ。

【関連記事】
・厚労省と東京都、医療機関にコロナ患者受け入れ要請
・都、酸素ステーション開設 24時間態勢で重症化阻止

コロナ患者が在宅で利用する医療機器には、空気中に21%ある酸素を25~30%に高めて投与するための酸素濃縮器や、指に装着して血中の酸素飽和度を測る「パルスオキシメーター」がある。現在の課題は数量の確保と、効率的な活用に向けた体制づくりだ。

厚生労働省によると「自宅療養者等」と「療養先調整中」の合計人数(8月18日時点)は全国では12.7万人で、7月21日時点の1.4万人から急増した。都内でも0.6万人から3.4万人に増え、増加傾向が続く。

数万単位で増えた自宅療養者数に対し、都が確保した酸素濃縮器は約500台。ほぼすべてが稼働中で、都は販売会社5社に追加を要請中だ。23日には救急搬送を要請した患者が短期滞在する「酸素ステーション」の運用を始めたが、当初の規模は130床。都とは別に区などが独自に用意している酸素濃縮器もあるとはいえ、心もとない。

厚労省も「近い時期に感染者数が減少に転じなければ不足する恐れがある」と指摘する。8月13日には経済産業省と連名でメーカーに安定供給と増産を求める通知を出した。厚労省の担当者は「合計で月1千台以上の増産が必要」とみる。

パルスオキシメーターも不足する懸念が強まっている。返却は自宅療養者任せで、利用可能な台数が目減りしている可能性がある。約7万5千台を確保している都も返却数は「把握していない」(担当者)という。

大阪府も府管轄の保健所などで約1万7千台確保しているが、8月中に3千~4千台を追加するためメーカー側と調整中だ。神奈川県は8月21日から1人1台としていた方針を1家族1台に転換している。

メーカー側も増産を急ぐ。酸素濃縮器は従来、全国に20万人弱いる慢性呼吸不全患者が主な利用者で、出荷台数は月に2千~5千台程度だった。4月ごろには業界全体で在庫を1千~2千台積み増したが注文が急増。国内最大手で50%前後のシェアを持つ帝人は「需要すべてに応えるのは難しい」と説明する。

パルスオキシメーターは、国内大手のコニカミノルタが6月以降は月産でコロナ禍前の約20倍を生産。オムロンは計画値の約2倍の注文があり、売り切れ状態。9月に生産委託先からの供給を増やす見通しだ。

酸素濃縮器もパルスオキシメーターも、壁は半導体不足だ。フクダ電子は酸素濃縮器や生体情報モニターなど幅広い製品の生産に影響が出ているという。あるパルスオキシメーターメーカーは「マイコンを中心に10種類以上の半導体が不足している」と明かす。

酸素濃縮器が増えるだけでは効率利用に結びつかない。使用の判断は保健所や医師が担うが、インド型(デルタ型)の変異ウイルスの感染急拡大で入院調整そのものが停滞しているのが現状だ。

酸素濃縮器の装着・回収にあたっては、そのつど診察が必要なため、利用台数が増えるほど医師の確保が課題になる。反対に「医師なし」で利用可能にするには、適切な酸素吸入量の設定など安全を保証する仕組みづくりが不可欠だ。

都内の保健所では毎日1回以上、自宅療養者と電話などでやりとりし、血液中の酸素飽和度や体温を聞き取る。酸素飽和度が93%以下になると、酸素投与が必要な「中等症2」にあたり、入院が必要となるが、受け入れ先の病院が見つからないケースが増えている。

「酸素投与は医療行為にあたるため、酸素濃縮器も医師しか使えない。まずは医師会などに連絡して、自宅に行ってもらうところから調整しなければならない」と保健所担当者は話す。ただ都が確保している機器の大半は貸し出され、濃縮器そのものが足りていない。医師が自分の病院から持ち出す例もあるという。

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セブンが全国で宅配参入

セブンが全国で宅配参入 2万店最短30分、Amazon対抗
【イブニングスクープ】
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC100WF0Q1A810C2000000/

『セブン&アイ・ホールディングスは国内コンビニエンスストアの全約2万店を活用した宅配事業に参入する。きめ細かい店舗網を生かし最短30分で商品を届ける。2025年度をメドに実現する。国内コンビニ市場は20年度に初めてマイナス成長に転じた。セブンがネットと店舗を融合した宅配サービスでアマゾン・ドット・コムなどに対抗することで、小売業の競争は新たな段階に入る。

コンビニ子会社のセブン―イレブン・ジャパンが、東京、北海道、広島の一部地域の約550店舗で提供している宅配サービスを全国に広げる。店舗オーナーの判断に任せるが、大半が宅配を導入する見通しだ。

消費者に身近なコンビニを配送拠点とし、家庭までの「ラストワンマイル」でスピード配達する。井阪隆一社長は「店舗は商品を買っていただく場所であると同時に在庫保管場所だ。設備投資せずに短時間で広げられる」と話す。

専用サイトやアプリで注文を受け付ける。店舗で扱う食品や日用品など約3千品目を対象にする。税抜き1千円以上の注文から対応し、330円の配送料を徴収する。午後11時までの宅配に応じる。

宅配範囲は店舗から半径500メートル程度を想定するが、需要次第で拡大する可能性もある。コンビニは日々の販売分析から選んだ売れ筋をそろえる。大規模倉庫を駆使するアマゾンの膨大な品数にはかなわないが、弁当や生鮮品、急に必要になった日用品などを即時配達できるのが強みだ。

配送は各地域で物流業者に委託する。すでに物流企業10社弱との連携にメドをつけた。宅配代行サービス「ウーバーイーツ」などの個人事業者に委託するより、配送の質や配送員確保で優れるとみている。

全国展開に備え、セブンは人工知能(AI)を活用した物流システムを開発。車両や運転手の手配や配送ルートを最適化する。セブン以外の荷物を運びながら最低限の車両や運転手で宅配をこなせるようにする。

現在1店舗当たりの宅配の受注件数は1日数件だが、全国展開後は同15件以上をめざす。小売業の宅配は米国でも広がっており、米国セブンでは宅配利用者の平均客単価は14.5ドルと店舗の1.7倍。日本でも宅配導入で頭打ちの国内の既存店売上高を引き上げる。

日本経済新聞社の20年度コンビニ調査では国内全店舗売上高(比較可能な8社対象)が前年度比6%減の11兆886億円と、結果を遡れる1981年度以降で初のマイナスに転じた。セブンも11年ぶりに減収となった。

一方で2020年のネット通販市場(物販)は新型コロナウイルス下の外出自粛などを追い風に22%増の12兆2333億円と急拡大。コンビニの市場規模を初めて上回った。成熟するコンビニ業界では宅配の取り込みが急務となっており、セブンは宅配の全国展開を再成長につなげる。

セブン以外ではローソンがウーバーイーツなどを使った宅配を1日時点で32都道府県の約2千店に導入しており、21年度中に3千店まで増やす。宅配サービスがコンビニにも広がることで、人々の消費活動のネット通販シフトが加速する可能性もある。

米国では中小の小売業者に電子商取引(EC)システムを提供するカナダのショッピファイが急成長している。セブンは5月に買収したガソリンスタンド併設型コンビニ「スピードウェイ」でも宅配対応を進め、25年までに全米6500店舗(現状約3900店)にサービスを広げる。

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Nikkei Asia

【関連記事】
・セブンは五輪イヤーに動く 米社買収や新サービス投入
・処方薬を終日受け取り ファミマ、オンライン薬局と連携
・ローソン、ウーバーイーツで医薬品配達 風邪薬や湿布

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風早隆弘のアバター
風早隆弘
クレディ・スイス証券 株式調査部 株式調査共同統括部長

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ひとこと解説 世界的にも、スマホで注文し短時間で商品を受け取るサービスに対する消費者のニーズは高まっています。

例えば、トルコではGetirという企業が、注文から最短10分で商品を届けるサービスで事業拡大に成功し、英国などでも事業展開を進めています。

セブン-イレブン・ジャパンの店舗数は、日本の小売り企業の中では、2位以下を大きく引き離して最も多く、おにぎりやサンドイッチなど鮮度の要求される商品を全国の店舗で提供するためのIT・物流ネットワークも構築済です。このため、既存のインフラ活用で消費者の新たな需要創造に成功すれば、人件費の上昇などに頭を悩ませている加盟店の収益にとってもプラスになりそうです。

2021年8月24日 7:48いいね
10

岩間陽子のアバター
岩間陽子
政策研究大学院大学 政策研究科 教授

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貴重な体験談 コロナ、高齢化、共働き、どれをとってもこのようなサービスへのニーズは高いです。

他方で特に生鮮食品は冷蔵状態で運ぶ必要があるものが多く、宅配ボックス等の使用に限界がありますし、大量に買い置きできるものではないので、小口の小回りの効く配達の数が必要です。

西友、ダイエー、楽天スーパー、Amazonと多数参入はしていますが、どこも配送の問題で壁にぶつかり、本当に消費者が望む規模と頻度でのサービス展開に達したところはありません。

生協やヨシケイは保冷用宅配ボックスで玄関前に置くタイプですが、どちらも一週間前注文です。セブンが本当にそこをクリアできるのであれば画期的です。楽しみに待ちたいと思います。

2021年8月23日 23:01いいね
21

大岩佐和子のアバター
大岩佐和子
日本経済新聞社 編集委員

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ひとこと解説 コンビニも、もはや店を構えて待っているだけのビジネスでは厳しい状況で、宅配で攻めていく必要があります。

買い物の小商圏化、食のEC化、さらにはサービス実現の2026年は団塊の世代が後期高齢者の年齢に達し数百メートルの移動も難しいと感じる人が増えますからニーズは今以上に高まることでしょう。

ただ店舗出荷型では、商品のピックアップなど店舗の作業量は増えます。サービス導入には加盟店の店舗オペレーションの改善が欠かせません。

2021年8月23日 19:55いいね
34 』

みずほシステム統合の謎、参加ベンダー「約1000社」の衝撃

みずほシステム統合の謎、参加ベンダー「約1000社」の衝撃
岡部 一詩 日経 xTECH/日経FinTech 山端 宏実、中田 敦 日経 xTECH/日経コンピュータ
2019.09.06
有料会員限定
https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/column/18/00942/082900007/

※ この記事でも、「前代未聞の規模」」と言っているな…。

※ そうやって開発した、「前代未聞のシステム」なわけだ…。

※ ベンダーは、「とっとと逃げる」わけだよ…。

※ 支払いの様子は、どうだったんだろう…。

※ 「気持ち良く、支払ってくれた。」ならいいが、これが「散々、苦労かけた上に、渋ちんでした。」ということだと、「二度と、お付き合いするのは、ゴメンです。」ということになる…。

※ そうやって、ふと気づいて辺りを見渡すと、「誰も、いなくなっている…。」…、という話しになるんだよ…。

『新システム「MINORI」の開発に参加したITベンダーの数は、前代未聞の規模に膨れ上がった。取りまとめ役であるみずほ情報総研(IR)の1次委託先だけで70~80社。2次委託先、3次委託先を合わせると約1000社に上る。総務省の調査によると情報通信業を手掛ける企業数は5474社で、子会社や関連会社を含めても9806社(2015年度)。実に日本中のITベンダーの少なくとも約1割が集結した。

 とりわけ重要な役割を担ったのが富士通、日立製作所、日本IBM、NTTデータの主要4ベンダーだ。MINORIを構成する業務アプリケーションの大半を開発した。

 富士通は銀行業務の中核となる「流動性預金」を中心に担当。日立は「外国為替取引」などを手掛けた。日本IBMはメインフレームをはじめとする基盤提供を主な役割とし、NTTデータはPMO(プロジェクト・マネジメント・オフィス)の支援を担った。

 主要4ベンダーを含め、プロジェクト終盤で組織した「トップマネジメント定例」の構成企業16社が、外部委託した全開発工数の約4分の3を占める。

図 主要機能と担当ベンダー
実績を重視して選定
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「難しい判断」と富士通

 みずほ銀行がベンダー選定で重視したのは実績だ。流動性預金が分かりやすい。流動性預金は特にトランザクションが多い業務アプリケーションであり、ミッションクリティカルな運用が求められる。日本IBM製メインフレーム上で稼働させることを決めたが、アプリケーションの開発は旧システム「STEPS」を開発・保守してきた富士通に委託した。「流動性預金は銀行業務の根幹。長年信頼関係を築いてきた富士通が最適と判断した」と、みずほ銀行の石井頼幸IT・システム統括第一部副部長は説明する。

 富士通の馬場俊介みずほ事業部事業部長は、「当社は既存システムを手掛けてきた立場。IBMの基盤上でアプリケーションを開発する判断を下すのは正直難しかった」と明かす。とはいえ、これだけの大型案件に参画しないわけにはいかない。富士通はみずほフィナンシャルグループ(FG)の提案を受け入れた。

 基盤とアプリ開発のベンダーが異なることで特有の難しさも生じた。富士通はIBMの基盤上で動作するCOBOLプログラムを開発しなければならなかった。「プロジェクトの初期段階である2012~2013年にかけて、膝詰めで技術検証した」と、日本IBMの林勇太金融第二ソリューション・デリバリー 統括部長は振り返る。結果として、富士通の開発ツールで生成したプログラムに起因する大きなトラブルは1度もなかったという。

 MINORIの開発においてITベンダーは単なる手足ではない。みずほFGはプロジェクトの序盤と終盤に特別な会議体を発足し、主要ベンダーの知恵やノウハウを活用している。

図 みずほ情報総研の委託先体制

国内ITベンダーの少なくとも1割が参加
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左から日立製作所の服部善成事業執行役員、富士通の馬場俊介みずほ事業部事業部長、日本IBMの林勇太金融第二ソリューション・デリバリー統括部長、NTTデータの荻田直人メガバンク統括部第一開発担当部長
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『有識者会議を週3回ペースで開催

 最初に発足したのが、新システムのアーキテクチャーや実装方針を議論する「技術アドバイザリーデスク」。2012年11月のことだ。みずほ銀行やみずほIRのメンバー10人に加え、主要4ベンダーから各社2人ずつ、部長級の有識者が出席した。

 「所属企業の意識は捨てて、みずほ銀行にとって最適なシステムの在り方を議論してもらった」と、みずほ銀行の間仁田幹央IT・システム統括第一部次長は振り返る。ベンダーの垣根を越えて議論するため、個別にNDA(秘密保持契約)も締結。情報交換の活性化を促したという。

 技術アドバイザリーデスクでの議論は、既に採用が決まっていたSOA(サービス指向アーキテクチャー)の実現方法が中心だった。最も苦労したのが各業務アプリケーションを構成する「商品サービス」の粒度だ。利用頻度が高いサービスは粒度が小さい方が再利用性が高まる。逆にあまり使われないものは、大きい粒度でまとめた方が効率が良い。この最適解を探るため、多い時で週3回、それぞれ2時間に及ぶ議論を重ねた。

 プロジェクト終盤の2017年5月には、3つの会議体からなる「トップマネジメント定例」と呼ぶ取り組みを始めた。参加メンバーはMINORI開発の大部分を担う16社だ。「この16社が抱える問題を解決していけば、プロジェクトを正確な方向に導けると考えた」と、みずほIRの向井康真社長は話す。開発完了とシステム移行を目の前にして、開発の進捗や課題を正確に把握し、移行準備に万全を期す狙いがあった。

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みずほ障害、バックアップ欠陥 「多重防御」機能せず

みずほ障害、バックアップ欠陥 「多重防御」機能せず
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB231P50T20C21A8000000/

 ※ みずほの5回目のシステム障害についての話しだ…。

 ※ 『みずほ銀行の基幹システムは東京23区外にある。正副の2系統あり、障害時にすぐ切り替えられるように備えている。今回はまず正系統のディスク装置の機器が破損。正系統内の予備の装置に切り替えようとしたが、これも起動せず、同じ拠点内の副系統に切り替えようとしたが、これにも失敗した。』…、と言うことだ…。

 ※ 「ハードの破損」の場合は、切り替えできない「仕様」にでもなっているのか…。
 ※ 何のための「バックアップ」なんだ…。

 ※ 大体が、「合併・統合」により生まれた金融機関なんで、「基幹勘定系」が4系統もある…。

 ※ それで、それを「統合」するのは諦めて、「MINORI(みのり)」とか言う「4系統」を「リング状につなぐ」、新システムを導入したハズだ…。

 ※ その「MINORI(みのり)」システムが、障害が生じたときに、上手く「バックアップに切り替わる」ところまで、実験・検証がされていない…、ということなのか…。

 ※『20日の記者会見で、みずほFGの石井哲最高情報責任者(CIO)は「ホットスタンバイのハードウエアで切り替わる仕掛けになっていた」と説明しているが、なぜすぐに切り替わらなかったのかは不明なままだ。』

 ※ そういうことで、「最高情報責任者(CIO)」が務まるのか…。

 ※『みずほFGは新システムの開発を富士通、日立製作所、日本IBM、NTTデータの4社に委託した。ただし全体を管理するのはあくまで委託元のみずほFGで、みずほ銀行、みずほ信託銀行、みずほFG子会社のみずほリサーチ&テクノロジーズ(MHRT)が運営している。MHRTはさらに再委託する複雑な枠組みで、開発から運営まで一括管理する体制が不十分になっている構図が浮かぶ。』…。

 ※ やはり、ベンダー各社は「直接は責任を負わず」、「みずほFG子会社のみずほリサーチ&テクノロジーズ(MHRT)」なるものが「責任を負う」体制になっていたんだな…。

 ※ ベンダーは、みんな、「逃げた」んだろう…。

 ※ こういう「継ぎ接ぎ(つぎはぎ)システム」は、必ずどこかに「バグ」なり、「穴」は避けがたい…。

 ※ さりとて、4系統の基幹勘定系に抜本的なメスを入れるわけにもいかんだろうしな…。


 ※ なにせ、旧各行の「創業以来の」取引勘定を、引きずっているわけだからな…。

※ 作業部会の多さを、見てくれ…。旧各行のそれぞれの部門が、我も我もと参加したんだろう…。旧各行間で、主導権争いをしている(今風に言えば、”マウント取り合ってる”)から、「それ!乗り遅れるな!」という心理が働いたんだろう…。

※ そうなると、「船頭多くして、船山に上る」になってしまう…。

※ まあ、みずほは、全てがこれだな…。

『みずほフィナンシャルグループ(FG)で20日起きたシステム障害で、バックアップ体制に欠陥があることが明らかになった。影響を最小限におさえるための「多重防御」が不十分で、復旧までに時間がかかった。システムの開発が4社にまたがり、さらに再委託するなど複雑な運用もベンダー任せの構図につながっている。

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障害は19日午後8時57分に発生し、翌20日に全店舗の窓口業務を一時停止する事態に発展した。

みずほ銀行の基幹システムは東京23区外にある。正副の2系統あり、障害時にすぐ切り替えられるように備えている。今回はまず正系統のディスク装置の機器が破損。正系統内の予備の装置に切り替えようとしたが、これも起動せず、同じ拠点内の副系統に切り替えようとしたが、これにも失敗した。

このため、みずほは千葉県内にある災害対策用の予備の拠点のバックアップを使おうとした。だが千葉拠点の正系統へのデータ移行にも失敗した。「最後のとりで」となる千葉の副系統に切り替え始めたのは20日の朝方だった。同ルートでの復旧を確認し、起動を終えた時はすでに20日午前9時の営業開始時間を過ぎていた。

システム運用では通常、機器の故障に備えて同じ機能を持つサーバーなどの機器を用意し「ホットスタンバイ」と呼ぶ二重稼働の状態にしておく。これに対し、機器を用意しておくものの、故障時に新たに起動させる必要がある状態を「コールドスタンバイ」と呼ぶ。
みずほの千葉拠点は都内の拠点からデータ自体は流し込まれているものの、異常時には手動での切り替えが必要で「ホット」状態にはあたらない。しかし「コールド」状態よりは素早く対応できる「ウォーム」状態にして備えてあったという。

他のメガバンクでも予備のシステムを同時に稼働してシステム障害に備えている。金融機関どうしの送金に使われる全国銀行データ通信システム(全銀システム)は全国で計4系統を同時に稼働させることで、障害時に予備系統を立ち上げる必要すらない仕組みとしている。

20日の記者会見で、みずほFGの石井哲最高情報責任者(CIO)は「ホットスタンバイのハードウエアで切り替わる仕掛けになっていた」と説明しているが、なぜすぐに切り替わらなかったのかは不明なままだ。

今回のみずほ障害は「機器の故障が引き金になったというが、バックアップが機能しないということはソフトウエアにも問題があったということ。そもそも正しく備えられていたのか」(メガバンク関係者)との声もあがる。

みずほFGは新システムの開発を富士通、日立製作所、日本IBM、NTTデータの4社に委託した。ただし全体を管理するのはあくまで委託元のみずほFGで、みずほ銀行、みずほ信託銀行、みずほFG子会社のみずほリサーチ&テクノロジーズ(MHRT)が運営している。MHRTはさらに再委託する複雑な枠組みで、開発から運営まで一括管理する体制が不十分になっている構図が浮かぶ。

金融庁は追加で報告命令を出し、立ち入り検査も延長する方針だ。今回、明らかになったのは、みずほのシステムに複合的な欠陥が存在する可能性だ。手続きをチェックし、対策に不十分な点がなかったか調べてきたが、それだけでは本質的な原因をあぶり出せなかった。

金融庁幹部は「一連の障害はみずほFG全体の構造問題を映し出したもの。真因を究明するまで徹底的に調査する」と語る。メガバンクのみずほで起きた一連の障害は金融システム全体にとっても影響が大きい。システム障害のたびに業務改善命令を出してきた金融庁も複雑なシステムの根っこに潜む問題に迫れるか。監督・検査能力を試される。

(五艘志織、金融エディター 玉木淳)

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上杉素直
本社コメンテーター・論説委員

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ひとこと解説 いざというときのバックアップ機能の不備は、昨年起きた東証のシステム障害でも批判を浴びました。

どんなに高価な機器やシステムを用意しても、使いこなせなければ意味がありません。たとえば先週起きた障害に対処するバックアップの訓練をいつどんな形で行っていたのか、みずほに説明してほしいところです。

2021年8月24日 7:42いいね
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