チャートで見る人口減の世界

経済成長・高齢化・移民… チャートで見る人口減の世界
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCB20E3K0Q1A520C2000000/

『人類が初の減少局面を迎える。20世紀に人口を4倍に増やした人口爆発は陰りをみせ、今世紀にピークを迎える見通しだ。経済成長、物価、生産性、社会保障――。人口増を前提とした時代が終われば、世界も変わらざるを得ない。

【関連記事】
・人類史、迫る初の人口減少 繁栄の方程式問い直す
・労働輸出国で細る若年層 移民政策、国の盛衰占う
爆発的な増加に陰り

出所:国連

人類誕生以来、人口の増加は緩やかだった。それが一転したのはこの200年のことだ。産業革命や衛生・栄養環境の改善、医療の進歩などで、世界の人口は爆発的に伸びた。国連は2100年に世界人口が109億人に達すると予測する。

人口のピーク、前倒しも

出所:国連

しかし最近、このピークが早まるという予測が相次いでいる。米ワシントン大は世界の人口減少は国連予測より早く訪れ、2064年の97億人がピークだとみている。

増加のけん引役はアフリカだけに

出所:国連

今後の人口増の大半はアフリカが占める。人口の成長をけん引してきた中国は今まさにピークを迎え、2022年にも減少に転じるとの予測がある。中国に代わって人口トップに立つインドを含めアジア全体が2055年にもピークを過ぎ、移民の動きを除けば増える地域は事実上アフリカだけになる。

国別でもアフリカの存在感強まる

国別の人口上位も様変わりする。1950年には日本や欧州各国が上位に入っていたが、将来はナイジェリアやコンゴ民主共和国、エチオピアなどアフリカ諸国が台頭する。

「働き手」の減少、世界で加速

出所:国連

人口減少は労働力の低下に直結する。少子高齢化が進展し、世界では15~64歳の働き手の数(生産年齢人口)が全人口よりも急ピッチで減る。1980年に世界の国・地域のうち生産年齢人口の伸びがマイナスだったのは全体の6%だった。2020年では中国やフランスなど約23%、60年にはメキシコ、インドなど過半の国が減少局面に入る。アジアの減少が顕著で、増加し続けるのはアフリカなど世界でも一部だ。

豊かになる前に老いるアジア

注:国連、米保健福祉省のデータから作成。各国のカッコ内は高齢化社会から超高齢社会までの期間、年

65歳以上が人口の7%超を占める「高齢化社会」から21%超の「超高齢社会」へ、世界が駆け抜ける。超高齢社会まで156年かかったフランスに対し、日本はわずか38年。タイ(30年)や韓国(26年)はさらに短い。アジアは十分に豊かになる前に老い、成長の果実を取りこぼす。

増えない働き手、経済に逆風

注:国連のデータを基に日経算出
少子高齢化で、働き手が人口比で多い「人口ボーナス」期にある国が急減している。少ない働き手が多くの高齢者を支える「人口オーナス」という逆風下にある国が増え、経済成長にとって大きな課題となる。

経済も低成長時代に突入か

注:出所は国連、Maddison Project。1人あたり成長率はデータのある米英伊スウェーデンの10年間平均

過去200年、人口増加と経済成長は連動してきた。人口が増えなくなれば、経済の伸びも踊り場を迎える「低成長時代」が現実味を帯びる。

強まる移民頼み、文化の衝突も

出所:国連

出所:国連の2020年のデータ

働き手を増やすための有効な手段は海外から人材を招き入れることだ。これまではアジアやアフリカが供給源として存在感を示してきた。一方、移民を受け入れてきた国も文化の衝突や極右勢力の台頭など悩みを抱える。民族の伝統を守るのか、異なる文化や価値観を持つ人々とともに成長を目指すのか、国のあり方も問われる。』