アフガン経済に打撃

アフガン経済に打撃 米欧、資産凍結や支援中止
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『イスラム主義組織タリバンが制圧したアフガニスタンの経済は一段と混迷しそうだ。海外からの援助に依存してきたが、米欧はタリバンへの資産凍結や支援中止を相次ぎ表明している。タリバン側は世界に新政権を承認させようと、イスラム法の範囲内という条件付きながら女性の権利確保、報道の自由容認など柔軟な姿勢をみせるが、国際社会は慎重だ。

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国際通貨基金(IMF)は18日、タリバンが支配するアフガンが国際社会から認められていないとして経済支援の送金を止めた。外貨支払いの準備不足に備える特別引き出し権(SDR)も使えないようにした。米メディアによると、バイデン米政権はアフガンの前の政府が米国で保有する約95億㌦(約1兆円)の中央銀行の資産を凍結した。

アフガン中央銀行のアフマディ総裁は18日「タリバンが使える可能性があるのはアフガン名義の海外準備預金のうち、おそらく0.1~0.2%程度だ」とツイートした。金融情報のリフィニティブによると18日に1ドル=86.05アフガニと、アフガン通貨はデータが遡れる1999年以降で最安値をつけた。

ドイツメディアによると、同国のマース外相は「タリバン政権には1セントも支援しない」と述べ、年4億3000万ユーロ(約550億円)だった援助の打ち切りを示唆した。民主主義を重視する米欧は厳格なイスラム法の適用を公言するタリバンによる新政権の樹立を強く懸念している。

日米など主要7カ国(G7)の外相は19日のオンライン協議で、タリバンによる新政権を承認するかどうかは基本的人権を尊重するかどうかを見極めて判断することで一致した。新政権が国際社会に受け入れられなければ、海外からの援助に6割以上を頼るアフガン経済は苦境に陥る可能性が高い。

すでに市中では混乱が広がっている。「銀行やATMでお金が引き出せない」。首都カブールに住む30代の男性は日本経済新聞の取材にこう答えた。金融機関の手持ちの資金は減っているもようで、営業を再開できない商店も多い。タリバンの監視強化による物流の乱れなどで、一部の商品の価格が大幅に上昇しているとの現地報道もある。

アフガンの1人あたり国内総生産(GDP)は20年が508㌦で、最貧国と呼ばれる水準にある。国連世界食糧計画(WFP)は市民の3人に1人にあたる1400万人が深刻な飢餓に直面しているとみている。(馬場燃)』