米政権、見通し甘さ露呈

米政権、見通し甘さ露呈 アフガン駐留米軍撤収
https://www.jiji.com/jc/article?k=2021081600148&g=int

『【ワシントン時事】アフガニスタン駐留米軍の撤収は、米国が2001年の米同時テロから続く対テロ戦争に幕を引き、中国を「戦略的競合国」とする大国間競争へのシフトを象徴するはずだった。だが、米国が巨額な資金を投じて支援したアフガン政府と軍は、反政府勢力タリバンの攻勢の前に崩壊。アフガン情勢は20年前の「振り出し」に戻り、バイデン政権の見通しの甘さと、テロとの戦いから抜け出す難しさが浮き彫りになった。

【特集】アフガニスタン情勢

 米軍は同時テロの約1カ月後、国際テロ組織アルカイダをかくまったアフガンのタリバン政権を攻撃した。ブッシュ(子)政権からアフガン戦争を引き継いだオバマ政権は長期化を嫌い、幾度となく撤収を模索。そのたびに野に下ったタリバンの抵抗に遭って増派を余儀なくされ、泥沼にはまっていった。

 トランプ政権は大国間競争への移行を打ち出し、「米史上最長の戦争」と呼ばれるようになったアフガン戦争の終結を目指した。タリバンと和平で合意し、大統領選前の撤収をもくろんだが実現しなかった。

 バイデン政権も同様に、中国を安全保障上の最大の課題に位置付ける。かねてアフガン増派に反対していたバイデン氏は「この責任を5人目の大統領に引き継ぐことはしない」と明言し、完全撤収を決断。同時テロ20周年を前にアフガン戦争を終結させ、自身の功績にしたいとの思惑があった。

 約883億ドル(約9兆7000億円)以上を投じて装備品を提供し、米軍が訓練を施したアフガン軍が容易に敗北しないとの計算もあった。だが、米軍撤収開始から3カ月余でアフガン軍は崩壊。米国の過去20年間の投資は水泡に帰した。

 タリバンはアルカイダと関係を維持しているとされ、アフガンが再びテロの温床になる可能性もある。バイデン氏が中間選挙や大統領選で見通しの甘さを追及されるのは確実。周囲の反対を押し切って撤収を決断し、「『トランプらしさ』でトランプ氏を超えた」と言われる強情さがあだになった形だ。』