中共、タリバンに手招き「落ち着けば一帯一路に加わって」

中共、タリバンに手招き「落ち着けば一帯一路に加わって」 アフガン掌握受けて
https://www.epochtimes.jp/p/2021/08/77391.html

『15日、アフガニスタンの反政府武装勢力タリバンが首都カブールの大統領府を掌握し、政権を奪取した。ガニ大統領は外国に脱出している。この混沌とした政変を、中国共産党の機関紙『人民日報』傘下の『環球時報』は「平和的な政権移行」を強調し、タリバン支配のアフガンに「落ち着いたら一帯一路への参加」の可能性を示唆した。

タリバン支配のアフガニスタンから外国人の撤退が進んでいる。タリバンの指導者は16日、「外国勢力」が退去したのち、新たな統治構造を編み出すと発表した。ロイター通信によると、タリバンの戦闘員に対しては、民間人に恐怖を与えないようにし、通常活動の再開を許可するよう指示しているという。タリバン傘下のメディアは、国民の「歓迎」を演出するプロパガンダ映像を拡散している。

タリバンは、政府軍を支援してきた駐留外国軍の撤退と、「米国の傀儡」とみなすアフガニスタン現政権の打倒を目標として掲げてきた。「アフガニスタン・イスラム首長国」による政府を樹立し、イスラムの宗教法「シャリーア」に基づく統治体制の確立を目指している。

こうしたなか、中国共産党はタリバンに対して支援を続けてきた。カブール奪取の報道を受けて、『環球時報』は「中国はアフガンの戦後復興に参加できる」と題した専門家意見に基づく評論を掲載。武装勢力の占拠を「平和的だ」と例えた。

また、「戦争で荒廃したが、安全と安定が回復したら」、中国共産党が主導する大規模インフラ開発投資計画「一帯一路(BRI)」のプロジェクトを推し進め、「復興と開発に貢献する」ことが可能だと主張している。

タリバンは、 米同時多発テロ「9・11」を実行したアルカイダに協力的な役割を果たしてきた。 米国は、タリバンを国際社会から孤立させるよう警告してきたが、中国共産党はこれに反して、タリバンの指導者とハイレベルな会合を継続させてきた。

タリバンが大統領府を占拠する前の12日、一部のメディアは中国共産党がタリバンを合法政府として認める用意があると報じた。USニューズ&ワールド・レポート(US News & World Report)誌は、中国共産党の軍部と情報部は、アフガニスタンの状況を評価したところ、タリバンとの正式な関係を準備するようになった、と伝えた。

7月下旬、中国の王毅外相は、アフガニスタン・タリバン政治委員会のリーダーであるガニ・バラーダル(Ghani Baradar)氏らと天津で会談した。 この会談で、王毅氏は、タリバンが「アフガニスタンにおける重要な軍事的・政治的勢力であり、アフガニスタンの平和、和解、復興のプロセスにおいて重要な役割を果たすことが期待されている」と述べた。

会談について、バラーダル氏は「中国がアフガニスタンの復興と経済発展に大きな役割を果たすことを期待している」とタリバン報道官モハマド・ナイム氏が答えている。さらに、タリバンは「アフガニスタンの領土で、中国にとって有害な働きをするいかなる勢力も許さない」と応じたという。

タリバンと中国共産党の会談は国際的な物議を醸した。中共政権によるタリバン容認姿勢は、新疆ウイグル自治区において、イスラム教信仰者を「過激派」として厳しく断罪する政策と矛盾している。さらに、ウイグルの「過激派」と呼ばれる人々が武装組織タリバンと結託しているとも発信してきた。中共政権はこれを大義名分として、人権を度外視した地域監視体制を強化し、大勢のウイグル人や少数民族を「再教育キャンプ」で拘束している。

アフガニスタンの近隣国であるパキスタンも近年、中国当局と経済・情報・軍事面での協力関係を強化している。また、パキスタン政府はタリバンに対して大きな影響力を持っている。これを理由に、米国では中国当局がアフガニスタン問題でパキスタンと連携しているとの推察もある。

独ドイチェ・べレ(DW)の取材に答えたドイツ・マーシャル基金のEU・中国関係専門家アンドリュー・スモール氏は、中国が今後しばらくの間、アフガニスタンへの唯一の経済援助国になるとタリバンはよく理解している。このため、中国の要求に対して協力的になると考えている。

いっぽう、スモール氏は、中共はアフガニスタンから得られる直接的な経済利益はかなり限定的で、地政学的には新疆ウイグル自治区とアフガニスタンを結ぶ回廊の計画もあるが、アフガンは安全保障上の脅威とも見なしている。

7月、パキスタン北西部で中国人技術者らを乗せたバスが爆発して峡谷に転落し、中国人9人が死亡した。パキスタン外相はこの事件を自爆テロと断定し、背後にはインドとアフガニスタンの情報部隊がいると非難した。

(翻訳編集・佐渡道世)』