コラム:米国が手を引くアフガン、中国に課せられた重い「使命」

コラム:米国が手を引くアフガン、中国に課せられた重い「使命」
https://jp.reuters.com/article/breakingviews-afghanistan-china-idJPKBN2FI0A5

 ※ なるほど…。

 ※「帝国の墓場」のその「墓場」に、今度は中国が引きずり込まれる番になるのか…。
 ※ 一旦、「関与」して「利害関係」を結べば、今度はその「関係」が「枷」となって、足が抜けなくなる…。

 ※ そうやって、名だたる「帝国」が、嵌まって、足抜きできなくなって来たわけだ…。

 ※「援助」でも「支援」でも、結局は、「カネ」か「モノ」か「ヒト」かを、送り込むということだ…。

 ※ しかし、その「受け手」の側が「一枚岩」でなく、互いの「利害調整」がうまくつけられない場合、却って「争いのタネ」を提供するだけの話しとなる…。

 ※ 名だたる米国の「物量作戦」が上手くいかないケースは、殆んどがそういうケースのような気がする…。

 ※ ベトナム然り、イラク然り、そしてまた、今回アフガンがその隊列に加わった…。


『[香港 16日 ロイター Breakingviews] – 米国が支援してきたアフガニスタンの民主政権崩壊は、中国の指導体制にとって歴史的な重大局面だ。習近平国家主席はずっと前から、アジアの安全保障はアジア人に任せるべきだと主張してきた。そこで今、中国が迫られているのは、アフガニスタンの経済的な安定を後押ししながら、近隣への投資を守ることができると証明することだ。習氏は数多くの大きな課題を抱えたと言える。

 8月16日、米国が支援してきたアフガニスタンの民主政権崩壊は、中国の指導体制にとって歴史的な重大局面だ。写真はタリバンの戦闘員たち。カブールで16日撮影(2021年 ロイター)

米国は1つの国造りに費やした20年の歳月が無駄になったが、ともかくもその「安全保障の配当」の恩恵に浴したのが中国にほかならない。アフガンの安定を醸成しようと米軍が駐留していた中でさえ、中国は「上海協力機構(SCO)」や「アジア相互協力信頼醸成措置会議」といった米国抜きの地域安全保障機構を設置し、あるいは主導的な立場を築いた。また中国はインフラ整備に多額の資金を注ぎ込み、そのうちの幾つかは中国からアフガン国境付近を通過して欧州の市場や中東のエネルギー供給地域までをつなぐ役割を果たしている。

米国が恒久的に手を引こうとしている現在、これまで自らが米国の代わりに地域の経済開発と安全保障を担うとアピールしてきた中国は、満を持して本格的な援助や投資、技術支援に乗り出せる。国有鉱山会社は、2017年時点で価値3兆ドル超と試算された莫大なアフガン鉱物資源の開発を応援できる。中国の国有建設会社は習氏が掲げる「一帯一路」構想の大きな空白部分を埋めるための高速道路、鉄道、パイプライン敷設をこの地域で強行してもおかしくない。

一方で中国の外交当局は、アフガンを制圧したイスラム原理主義の反政府武装勢力タリバンに対して、中国国境を越えて新疆ウイグル自治区に入り込むような攻撃は控えることや、隣国パキスタンに滞在する中国人や中国の投資資産を標的にしている組織への支援を拒むことを要求するだろう。

ただタリバン指導部がこうしたことを全構成員に納得させるのは難しいかもしれない。なぜなら中国政府は、国連の推計で100万人余りのウイグル族その他のイスラム教少数民族を拘束しているからだ。これらの人々の多くは、過激とは到底思えないしきたりや振る舞いが「問題視」され、強制収容されている。中国側はテロ防止と職業訓練が目的と言い張っているが、それでイスラム教徒の怒りが収まるはずはない。

タリバン指導部は、中国の内政問題に関与しないと約束している。しかしタリバンがアフガンをしっかり統治できるかどうかはまだ分からない。できなければ、周辺諸国は中国が指導力を発揮するのを期待するだろう。それは米国がようやく抜け出した泥沼に、中国がはまる恐れがあるということだ。

●背景となるニュース

*アフガニスタンで反政府武装勢力タリバンが「戦争終結」を宣言したことで、西側諸国は16日、混乱が続く首都カブールからの自国民の国外避難の動きを加速させた。

*これに先立ち、中東のテレビ局アルジャジーラは、タリバンの司令官らが大勢の武器を携える戦闘員らを従えて大統領府の部屋に集まっている映像を放送した。

*アフガン政府軍は何年も米軍に武器を供与され、訓練を受けていたが、タリバンが侵攻するとあっという間に瓦解した。

(筆者は「Reuters Breakingviews」のコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています)

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