アフガン政府軍、なぜ弱かった?

アフガン政府軍、なぜ弱かった? 米など9兆円支援、役に立たず
https://www.jiji.com/jc/article?k=2021081600710&g=int

『アフガニスタンの首都カブールを15日制圧したイスラム原理主義勢力タリバン。今月に入り次々と主要都市を陥落させた勢いはどこから来たのか。数では圧倒していた政府軍がやすやすと敗北した背景には、兵士が簡単に任務を放棄してしまうアフガンの根深い腐敗体質があると指摘される。

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 アフガン陸軍、空軍、警察部隊の合計は公称30万人。米国の支援を受けてきた軍はタリバンよりも資金や武器は豊富だった。アフガンの治安部隊に米国などは計880億ドル(約9兆6000億円)を費やしてきた。
 しかし、英BBC放送によれば、兵士らは自分の家族や部族とのつながりがない地域に派遣され、士気に影響した。戦闘に従事せず早々と現場を放棄するケースが相次いだもようだ。

 さらに「幽霊兵士」と呼ばれる実体のない軍人の給与を上官がくすねるケースもあり、汚職のまん延が軍を根底から腐らせた。米議会に提出された報告書で、米政府高官は「汚職について深刻な懸念があり、兵力のデータには疑問符が付く」と述べており、実際の兵員数は公式発表を大きく下回っていた可能性がある。

 これに対しタリバンは6万人程度とされるが、他の武装勢力や支持者を含めると20万人を超えると分析されることもある。
 アフガン事情に詳しい元英軍将校マイク・マーティン氏はBBC放送に、アフガン政府当局者は生き残るため敵方に寝返る戦乱の歴史を繰り返してきたと指摘した。最近陥落した西部の主要都市ヘラートでは、州知事をはじめ高官がタリバン側に寝返ったと報じられた。

 タリバンは最近の進撃で、米国などから供与された政府軍の兵器を奪い、戦力増強につなげてきた。米軍の支援が最終的にタリバンを利する皮肉な結果となった。』