パナソニック、ブラジルでテレビ生産撤退

パナソニック、ブラジルでテレビ生産撤退 拠点6割減
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『パナソニックは2021年内にブラジルでのテレビ生産から撤退する。19年には8カ所あったテレビの生産拠点を6割減の3カ所まで絞り込む。パナソニックは低価格機種については中国家電大手のTCLに生産委託する方針だ。低コスト体質を確立し、テレビ事業での黒字定着を目指す。

ブラジル北部アマゾナス州の工場で、11月をめどにテレビやオーディオ機器の生産を終了する。同工場はブラジル国内向けの生産拠点で、1981年にテレビ製造を開始。21年3月期には約22万台を生産していた。

関連する従業員は130人程度いるとみられ、年内に解雇する方針。同工場では電子レンジや電子部品の生産も手掛けているが、AV機器以外の生産は継続する。

一時は日本勢が席巻したテレビ市場だが、中韓勢による激しい価格競争に敗れてシェアを失った。パナソニックは2000年代に2桁シェアを確保していたが、15年までに二大市場の米中での生産から撤退。足元のシェアは2%に満たない。

国内勢で世界と競争するのは上位機種に絞ったソニーと、台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業傘下で生産コストを引き下げたシャープなどにとどまる。

パナソニックは21年3月末までに日本、ベトナム、インドでのテレビ生産を止めた。19年にメキシコでの生産も撤退しており、2年間で5カ所で生産を終了することになる。

今後は主に上位機種を手がけるマレーシアと台湾、欧州の3拠点で自社生産を続ける見通し。21年3月期の生産台数は約360万台で、今後の自社生産は主に国内向けの有機ELテレビなど上位機種のみとなる見込みだ。

低価格機種はTCLに生産を委託する方向で調整している。中期的に開発も委託する考え。テレビはパネルが製造コストに占める割合が高く、規模拡大による調達メリットが大きい。テレビ販売で世界3位のTCLに生産委託し、価格競争力がある製品を供給できる体制の構築を目指す。

パナソニックのテレビ事業は20年3月期まで2期連続で赤字だった。足元
では「巣ごもり需要」にテレビの買い替えサイクルが重なった国内の堅調に助けられ、21年3月期に3期ぶりに黒字転換した。足元でも堅調だが黒字化定着にはさらなる固定費削減が必要と判断し、生産委託とともに自社生産拠点の整理も進める。

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