結局、現実に思想だけでは勝てない

結局、現実に思想だけでは勝てない : 机上空間
http://blog.livedoor.jp/goldentail/archives/26701961.html

 ※ 「実存は、本質に先立つ。」「本質は、実存を超えられない。」(実存主義)…。

『お隣の韓国で面白い現象が起きています。わざわざ、贈賄金額を水増しして、執行猶予の付かない実刑判決で刑務所にぶちこんだサムソン電子の副会長を、恩赦で釈放しました。この理由が、韓国政府がサムソンに外貨のドルを借りるためと言われています。

韓国政府は、多くの国との通貨スワップ締結、過去最高の外貨準備高を示して、外貨は十分に確保出来ているとしています。ところが、ウォンの価値を安定させる為の為替介入をする為のドルが足りなくて、外幣債という介入資金確保の為の借金を決めています。

この矛盾は、良く調べれば、種が割れます。まず、通貨スワップで提供されるのは、相手国の通貨であって、国際決済通貨のドルではありません。そして、外貨準備高の殆ども有価証券で持っていて、ドルでは持っていないのです。その為、為替介入するのにドルが不足しています。

どれだけ不足しているかと言うと、なんと中央銀行がサムスンにドルを借りる程に、切羽詰まっているのです。既に一回借りた上に、今回の釈放と引き換えに、さらに借りるのではないかと言われています。いくら、「財閥撲滅」などと威勢よく吠えても、実が伴わなければ、実際に価値を生める人間に司法を曲げてでも縋らないと国が回らない。これが、現実です。

韓国政府は三権分立だから、最高裁判所の決めた徴用工の賠償命令を取り消す事はできない(しかし、そもそも他国の裁判所が裁く事は国際法違反。それができたら、いくらでも外国との揉め事で、自国に有利な判決を出せてしまう)と言ってきたのですが、金に困って、自ら司法を曲げた形です。

利益というのは、口だけの無能な人間には生み出せません。いくら、御託を並べたところで、経済が行き詰まれば、価値を生める人間に仕切ってもらわないと、経済が立ち行かないのです。さんざん、見せしめ的に刑罰を課せられて、国の都合で釈放されるのだから、当事者からしたらたまったものではありません。

国民感情で晒し者にされる韓国企業の社長を、誰もやりたがらないのも判ります。外資の韓国GMの外国人社長は、労働争議に関する処罰で、国外へ出る事を禁じられましたしね。しかも、この判決、彼が関与した件ではなく、過去に遡及して告発されています。

無能な人間が権力を持つと、それを振り回して遊びたがります。韓国の財閥イジメも、それだけ事業を独占する事に対して、財閥以外の国民のフランストレーションが溜まっていた為です。権力を後ろ盾に、思う存分罰したはいいけど、その人間に代わって国の経済を支えられる人間が与党や官僚に1人もいなかったという事です。

これは、中国でも権力闘争をしている事もあって、盛んに使われる手です。中国共産党は、自分たちの経済失策を全て、成功した企業であるアリババのジャック・マー氏や、テンセントのポニー・マー氏が悪い事にしようとしています。アリババの最近の純利益は、2兆4千億円です。売上ではなく、純利益です。それなりの税金も収めている優良企業の代表者へ、世間の非難を集めているわけです。

これで、彼らが社会的に抹殺されたとして、何万人もの従業員の雇用を代わりに保証できる人間は、共産党の中にいるのでしょうか。経済失策を他人のせいにしている時点で、いないと確信できます。いたならば、誇らしく自慢しているでしょうからねぇ。

成長著しいIT企業に対して、数千億円単位の罰金を課して、事業の妨害をしていますが、経済が混乱した時に、誰が支えてくれるのか見ものです。無から価値を生めるような、魔法使いがいない限り、確実に経済が瓦解します。

恐らく、韓国の文政権は、サムスンに恩を売ったと考えているでしょうが、そもそもサムスン側からしたら、有罪ありきの裁判で実刑を食らわされて、金で困ったから釈放されただけです。刑務所にいた間、多くのトップの経営判断が遅れて、恐らくはこれから顕在化する経営戦略の遅れによる被害も出てきます。ヘソを曲げて、ドルを貸すのを断れば、困るのは韓国政府です。そもそも、サムソンだって、国際決済の為に企業の中でドルを確保しているのですから、国から貸せと言われて、ほいほい貸せるお金じゃないんです。

朴槿恵前大統領が逮捕され、サムスンの副会長が逮捕された時には、思う存分に気分が晴れた韓国国民ですが、外貨不足という現実の前に、自分達で葬った相手に、膝をついて帰還を懇願する事態になっています。絶対に客観的な事実は、認めないでしょうけどね。』