バイデン政権、セクハラ疑惑のNY州知事に引導

バイデン政権、セクハラ疑惑のNY州知事に引導
既存政治家の言行不一致に強まる批判
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN110340R10C21A8000000/

 ※ 「ルール」とか、「倫理」とか、本来は「万人に共通」のもののハズだ…。

 ※ それが、「有能な人」「余人をもって、代えがたい人」には適用されない「例外」が生じる…。

 ※ 終い(しまい)には、「一般のルールが適用されないこと…。それが、「有能さ」「権力者」の証しである。」という本末転倒な「価値の逆転現象」が生じる…。

 ※ そして、最後には、「権力の支配下にあったはずの”被支配層”が、叛乱起こして」権力の座から、追放される…。

 ※ いつの世にも、繰り返される「現象」だ…。

 ※ そして、事態は混沌として、カオスになって行く…。

『【ニューヨーク=大島有美子、ワシントン=中村亮】米ニューヨーク州のクオモ知事が10日、セクハラ疑惑を受けて辞意を表明した。当初は続投に意欲を示していたが、来年の中間選挙への悪影響を懸念したバイデン政権が辞任に追い込んだ形だ。女性の権利向上を訴えながら多くのセクハラ行為の疑惑を生んだ同氏の問題は既存政治家の偽善の典型例ととらえられており、同氏を批判してきたトランプ前大統領らを勢いづかせる可能性がある。

「私は皆さんのために働いてきたから皆さんにとって正しいことをする」。クオモ氏は10日、州民に向けた演説で力説した。演説ではセクハラを引き続き否定したが、政治の空白をつくるわけにはいかないと辞任の理由を説明した。

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クオモ氏はセクハラなどに反対する女性らの「#MeToo」運動の強力な擁護者と目されてきた。2019年には女性活動家らに囲まれながら、セクハラに厳しく対処する内容の州法に署名していた。

トランプ氏が指名した連邦最高裁判所の判事候補の性的暴行疑惑を巡っても、クオモ氏は問題を告発した女性に向けて「私はあなたのために戦う」と宣言していた。それだけに州司法長官が3日に出した調査報告書で、同氏の多くのセクハラ行為を認定した衝撃は大きかった。

クオモ氏への批判は新型コロナウイルス対応でも起きていた。20年3月以降、連日の記者会見で入院患者数や感染者数など客観的なデータを列挙して対策などを発信。「ウイルスはすぐに消える」など非科学的な発言を繰り返したトランプ氏とは対照的な対応を称賛する声が相次いだ。

だが今年1月、州司法長官が高齢者施設の死者数について州政府が過少報告した可能性があると指摘。クオモ氏の側近がデータの公表を遅らせていたことも明らかになり、事実やデータを重視するとしていたこれまでの言動との整合性が問われた。

相次ぐ問題や調査報告書を受け、クオモ氏の盟友だったバイデン大統領も3日、辞任を勧告した。クオモ氏は続投を模索し続けたが、民主党の多くの州議会議員が知事の弾劾に賛成する姿勢を示し、引導を渡した形となった。「知事の決断に敬意を表する」。バイデン氏は10日、ホワイトハウスで記者団にこう語った。

バイデン政権が事態の収拾を急いだ背景には、バイデン氏やペロシ下院議長ら主流派にとって身内ともいえる大物政治家の問題を長引かせた場合、来年の議会中間選挙に大きな悪影響が出かねないことがある。

共和党で影響力を保持するトランプ氏は16年の大統領選で、ライバル候補の民主党のヒラリー・クリントン元国務長官をエリート政治家と位置づけて「言葉だけで行動が伴わない」との批判を展開。社会正義の実現を掲げながら特権階級に属し、格差拡大を許してきた既存の政治家の偽善を批判することで、岩盤支持層を築き上げた経緯がある。

格差問題などを巡るエリート層の偽善を追及し、若年層の支持を得てきた民主党左派もクオモ氏への対応が甘すぎると主流派を突き上げていた。過去に同氏の行政手腕を称賛していたメディアもクオモ氏への批判を強めていた。

米紙ワシントン・ポストは10日、女性の権利向上を推進してきた同氏の「傲慢と偽善」を批判する記事を配信した。クオモ氏の続投を容認すれば、トランプ氏を勢いづけるうえ、女性票や若者票の大量離反を招き、中間選挙での民主党の大敗につながる可能性があった。

クオモ氏は長年にわたってセクハラだけでなく部下への常習的なパワハラ行為も重ねたと指摘されているが、民主党執行部が同氏の有能さやバイデン氏との近さを勘案して黙認してきたとの批判もくすぶる。今回のクオモ氏の失脚を受け、企業幹部や公職者のパワハラやセクハラに向けられる社会の視線がさらに厳しくなる可能性もある。』