モルディブ観光にぎわう ロシア軸に外国人3割増

モルディブ観光にぎわう ロシア軸に外国人3割増
経済重視で受け入れ早期再開
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGV051LN0V00C21A8000000/

『【バンコク=マルワーン・マカンマルカール、奥津茜】インド洋の島国モルディブが外国人観光客でにぎわっている。1~6月に受け入れた観光客は前年同期より3割多く、4分の1がロシアから。同国で人気のタイが新型コロナウイルス感染抑制のため外国人の大半を締め出している影響だとみられる。

経済重視で早期に外国人受け入れを再開したが、引き換えに新型コロナがまん延する。総人口が約54万人のモルディブで、新型コロナ感染者は累計で7万6000人を超えた。感染による死者は少なくとも219人にのぼる。

モルディブ観光省によると、1~6月に同国を訪れた観光客は約51万549人で、前年同期を33%上回った。新型コロナの感染が拡大する前の2019年前半より4割少ないが、世界の観光地の多くが外国人の受け入れ停止などで苦しむ現状を比べれば好調だ。

けん引するのはロシアからの観光客だ。1~6月は約12万5000人で、全体の24%を占めた。前年同期の4倍以上、19年同期の3倍近い。

モルディブは20年3月、新型コロナ対策で外国人受け入れを原則停止したが、同年7月、早々に再開した。ゲストハウスなど728軒の観光施設の営業も再開した。米欧を中心にワクチン接種が進んでおり、通年で受け入れる外国人観光客は21年に150万人を見込む。実現すれば過去最高だった19年の170万人に近づく。

モルディブのべラナ国際空港を利用する航空会社は35カ国の36社で、19年より2社増えた。19年までは中国人観光客が目立ったが、1~6月は前年同期の3%ほどに落ち込んだ。入国者数でロシア人の増加が中国人の激減の一部を埋め合わせている。

高級リゾートのソネバでは1~6月、ロシア人の予約が全体の3割。英国人が2割、ドイツ人が1割を占めた。宿泊数は平均で9泊だが、ロシア人は12泊ほど。20年の感染拡大時には3カ月以上、滞在するロシア人も多かったという。

モルディブの観光業は国内総生産(GDP)の3割を占める。18年には外貨収入の6割近くを観光が稼いだ。新型コロナによる打撃は、インド太平洋のほかの島国よりも大きい。

モルディブ金融管理局の総裁経験者は「今後もいまのような観光客数や滞在期間の傾向が続き、入国制限が強められなければ、21年の経済は力強く回復する」と見込む。同氏によると、好調な観光がけん引する形で、モルディブのGDPは1~3月、前四半期から34%増えた。

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