米の武器売却に中国反発

米の武器売却に中国反発 台湾問題「内政干渉やめよ」
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM058I30V00C21A8000000/

『【北京=羽田野主】バイデン米政権として初めて台湾に武器売却を決めたことに中国が5日反発した。中国外務省報道官はホームページで「台湾は中国の分割できない領土だ。中国は断固として反対する」とコメントした。

報道官は「米国の台湾への武器売却は中国への内政干渉だ。中国の主権と安全利益に損害を与える」と強調した。米国側に抗議し、今後の米国の出方次第では対抗措置をとる構えをみせた。

中国外務省による反応では、格の高い「声明」やそれに次ぐ「報道官談話」などがあるが、今回は記者の質問にホームページで答える簡易的な体裁をとった。

バイデン米政権は4日、総額7億5000万ドル(約820億円)にのぼる台湾への武器売却を決め、米議会に通知した。40両の自走砲や20両の弾薬補給車などで、トランプ前政権から続く台湾への軍事支援の方針を鮮明にした。

米国務省は声明で「今回の売却で現在および将来の脅威に対処する能力の向上につながる。地域の基本的な軍事バランスは変わらない」と説明した。米議会は超党派で台湾を支援する姿勢で、武器売却を承認するとみられる。

台湾を「自国の領土」と位置づける中国共産党の習近平(シー・ジンピン)指導部はこうした動きを認めない考えだ。

中国国営中央テレビ(CCTV)は7月に人民解放軍が台湾に近い福建省の沿岸地域で上陸作戦を想定した実弾軍事演習する模様を伝えた。揚陸艦で運ばれた多数の水陸両用装甲車が沿岸を攻撃する場面を流した。

今後も軍事演習の継続や中国外務省の報道官らの威嚇的な発言を通じて米国と台湾の連携を阻もうとするとみられる。

一方で最近の習指導部の動きをみると、台湾へのさらなる軍事圧力の強化には慎重な姿勢も垣間見える。台湾の防空識別圏(ADIZ)に侵入する中国軍機はひところより減る傾向にある。解放軍に詳しい関係者は「2022年の北京冬季五輪が約半年後に迫っており、難しい時期に入った」と話す。

来年2月に開幕する北京冬季五輪は習指導部にとって集大成といえる重要イベントだ。来年秋には5年に1度の党大会が控えており、3期目入りをねらう習氏は冬季五輪の成功を政権の実績にしたい考えとみられる。

台湾への圧力強化で米欧などの反発が強まり、冬季五輪で主要国のボイコットが相次ぐ事態を警戒しているようだ。20年には香港への統制を強める香港国家安全維持法を制定したことをきっかけに米欧との溝が大きく広がった。

「台湾統一」という習指導部の政権公約とのはざまで、現実的な路線を探るとみられる 。』