異常気象、世界で猛威

異常気象、世界で猛威 トルコやイタリアで山火事
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN05F7T0V00C21A8000000/

『世界で異常気象が猛威をふるっている。トルコやイタリアでは大規模な山火事が発生し、ドイツやベルギーでは大洪水がおきた。地球温暖化の影響とみられ、国際商品価格の上昇や難民の増加にもつながっている。新型コロナウイルスの感染再拡大とともに、経済や社会活動への懸念が増している。

「これだけの火災は歴史上なかった」。トルコのエルドアン大統領は4日、地元テレビのインタビューで語った。トルコでは7月28日以降の約1週間で、南西部の地中海、エーゲ海地方を中心に180か所以上の山火事がおき、8人が死亡した。大部分は鎮圧したが、5日時点でなお15カ所で火災が続く。

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イタリア南部のシチリア島やサルデーニャ島でも7月下旬以降、100カ所以上で大規模な火事が発生し、森林やオリーブ畑、ビーチなど数万ヘクタールが焼失した。サルデーニャ州は「前例のない災害」として非常事態宣言を出し、航空機も投入して消火活動にあたった。フランスなど周辺国も航空機を派遣するなど支援した。

トルコの観光地マルマリス近くの森林でも山火事が起きた(3日、南西部ムーラ)=AP
ベルギーのルーバン大学の災害疫学研究センターがまとめている国際災害データベースによると、2021年は7月までで214件の災害があった。前年同期(222件)をやや下回るが、10年前に比べて4割近く増えている。

欧州連合(EU)のレナルチッチ欧州委員(危機管理担当)は声明で「欧州各地で火災が発生しているため、我々は24時間体制で救援を送っている」と述べた。大規模な災害やテロ事件の発生後に迅速に援助を提供する枠組み「EU市民保護メカニズム」を通じて支援し、欧州委が輸送費の多くを負担する。

米国やカナダでは今夏、記録的な熱波が続いた。観測史上の最高気温の記録を更新した都市も多かった。米カリフォルニア州では4日午後、北部サクラメント近郊で山火事が発生した。延焼面積は約1000ヘクタールに達し、数千人が避難している。

7月にはドイツやベルギーを襲った豪雨で大規模な洪水がおき、死者が200人を超えた。濁流が家屋を押し流し、道路などインフラを寸断した。依然行方不明者もおり、さらに被害者数が広がる可能性が高い。

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ブラジルでは霜や降雨不足の影響が広がっている。世界有数の生産量を誇るコーヒーやトウモロコシの生産地が打撃を受けており、国際商品価格の上昇につながっている。味の素AGFは3日、10月1日納品分から家庭用レギュラーコーヒーを約20%値上げすると発表した。
ノルウェー難民評議会(NRC)の国内避難民監視センター(IDMC)によると、自然災害や紛争によって自国内で避難生活を余儀なくされている国内避難民は2020年末時点で5500万人と、過去最高になった。中米を襲った暴風雨などで、20年1年間で新たに避難を余儀なくされた人数は4050万人に達し、過去10年で最多になった。(メキシコシティ=宮本英威、ウィーン=細川倫太郎、イスタンブール=木寺もも子) 』