[FT]ルワンダがモザンビークに派兵

[FT]ルワンダがモザンビークに派兵 過激派との戦い支援
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『モザンビーク北部におけるイスラム過激派との戦いにルワンダの兵士が加わった。モザンビーク政府は数十億ドル規模のガス開発を脅威にさらしている紛争を巡り、アフリカ地域に軍事支援を求めている。

モザンビークに向けて出発するルワンダ軍の部隊(7月)=ロイター

7月下旬、ルワンダのカガメ大統領が派遣した総勢1000人の警察と兵士が北部カボデルガド州の戦闘地域に入った。2017年以降に3000人余りが殺害され、約80万人が家を追われた紛争を現地軍は食い止められていない。

3月には、武装勢力が沿岸部の町パルマで数十人を殺害し、近くで仏エネルギー大手トタルが進める液化天然ガス(LNG)開発が中断を余儀なくされた。それ以来、モザンビークのニュシ大統領は地域の軍事支援を受け入れるよう圧力を受けてきた。

この武装勢力は過激派組織「イスラム国」(IS)系とみられるが、地域独自のイスラム路線を打ち出すとともに、若年層が就職難に苦しむモザンビークの最貧困地域で不満分子につけ込もうと戦っている。1975年の独立から政権を握っている与党「モザンビーク解放戦線」の上層部は、この10年で天然ガス開発が進む以前から、採掘権などカボデルガド州の資源がもたらす富を支配した。

アフリカ南部諸国でつくる南部アフリカ開発共同体(SADC)も、ここ数日で多国籍軍の配備に着手している。だが、ニュシ大統領が7月の演説で最も高く評価したのは、SADCに加盟していないルワンダからの派兵だった。

モザンビーク大統領が支援要請

「カボデルガドやモザンビーク全体で日を追うごとに罪のない人々が犠牲になり、多くの家庭が痛みを抱えて暮らすという状況において、経験と即戦力を求めてルワンダに支援を要請した。ルワンダの参加は、崇高な共通の理念のために団結するという原則に基づくものであり、命を救うことが目的であることから極めて貴重だ」とニュシ氏は強調した。

だが、さまざまな地域の部隊が現場でどう協力するのか、軍資金がどのように支払われるのかには疑問がある。各部隊は装備が不十分なモザンビーク軍をはるかに超えるとされる複雑な鎮圧作戦に参加するからだ。ルワンダとSADCの部隊は独自の司令官や作戦地域を有しており、モザンビーク軍による調整はまだ具体化していないと専門家らは指摘する。

南アフリカのラマポーザ大統領は、最大1495人の部隊をモザンビークに派遣するよう議会に伝えた。ストックホルム国際平和研究所(SIPRI)の軍事支出データベースによると、南アの比較的限られた配備でさえ10億ランド(約76億円)近く、つまりルワンダの年間国防支出の約2倍の費用がかかるとみられる。

カガメ政権は、トタルの開発拠点であるアフンギ近郊に配備した部隊の財源について詳細を公表していない。同政権は今回の配備について「18年に複数の協定を締結したルワンダ共和国とモザンビーク共和国との良好な2国間関係に基づいている」と説明した。

専門家は仏やトタルの利益との関連性を指摘

独立系の安全保障問題アナリスト、ジャスミン・オッパーマン氏は、ルワンダ軍はそうした制限のない配備の下、「役割分担をはるかに超えて戦うことになる」と指摘する。ルワンダにとってモザンビークは、経済規模が大きく国境を接するコンゴ民主共和国(旧ザイール)やウガンダのような、長年の安全保障上の懸念とは遠いところにある。オッパーマン氏は私見として「部隊の配備はフランスの利益、トタルやアフンギに関連している」と述べた。

この件について説明を受けた関係者は、トタルはルワンダと取引したことがなく、モザンビークとルワンダの政府間の問題だと語った。トタルはコメントを差し控えた。フランスのある当局者は、ルワンダの取り組みに資金は提供していないと明言した。マクロン大統領は5月、両国の関係改善に向けてルワンダの首都キガリを訪問した。カガメ氏も「地域内で権力者のイメージを打ち出す」ことに熱心だとオッパーマン氏はみている。

モザンビークの紛争を監視する団体「カボリガド」によると、先週はルワンダ軍が数人の武装勢力を殺害した後、戦略的に重要な道路の分岐点を奪還したもようだ。これにより、1年近く政府の手から離れている主要な町、モシンボアダプライアの奪還に道が開かれる可能性がある。

ただオッパーマン氏は「カボデルガドはコンゴとは違い」、ルワンダにとって「環境も言葉も文化も異なる」と指摘した。「カボデルガドでの終わりなき戦争に対する懸念が表面化している」という。

By Joseph Cotterill, Andres Schipani and David Keohane

(2021年8月3日付 英フィナンシャル・タイムズ電子版 https://www.ft.com/)

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