米・インドネシア、最大規模の離島防衛演習

米・インドネシア、最大規模の離島防衛演習 中国を念頭
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM2919B0Z20C21A7000000/

『【ジャカルタ=地曳航也】米国とインドネシアの両国陸軍は8月1日からインドネシアで離島防衛演習を実施する。計4500人以上が参加し両国の合同軍事演習として過去最大規模になるという。南シナ海の軍事拠点化を進め東南アジアなど周辺諸国と摩擦を起こしている中国への対応が念頭にある。

インドネシア国軍関係者が日本経済新聞に明らかにした。8月1日から14日まで、インドネシアのスマトラ島、カリマンタン島、スラウェシ島の計3カ所で、主に離島防衛を想定し、沿岸上陸や特殊部隊、空挺(くうてい)部隊などの演習を展開する。両国陸軍が2007年から毎年実施している「ガルーダ・シールド」の一環で、米国から2282人、インドネシアから2246人が参加する。

両国は海上安全保障での協力を強化している。両国の海兵隊も6月、相互運用性の向上をめざし、インドネシアで市街戦などを想定した合同演習を実施した。今年後半にも米国で同様の訓練を予定している。同月にはマラッカ海峡のインドネシア領リアウ諸島で共同の海上安保の訓練センターの起工式を開いた。

念頭にあるのは海洋進出を続ける中国の動きだ。南シナ海の南側にあるインドネシア領ナトゥナ諸島の周辺の排他的経済水域(EEZ)と中国が南シナ海の境界線として独自に主張する「九段線」内の海域は重複しており、インドネシアは中国の公船や漁船の動きに神経をとがらせる。インドネシア海軍は20年7月に南シナ海の南の海域で大規模な演習に踏み切った。

インドネシアは米軍との合同演習をナトゥナ諸島防衛のための抑止力と位置づける。米国にとってもインドネシアとの演習は、南シナ海での中国の軍事拠点化に対抗する包囲網作りの一環でもある。

就任後初めて東南アジア各国を訪問しているオースティン米国防長官は27日、シンガポールでの演説で、南シナ海をめぐる中国の主権主張について「根拠がない」と強調。周辺の同盟国や友好国との関係を強化して対応する考えを示した。オーストラリア周辺では現在、同盟国の日英豪加韓など計7カ国が軍事演習を続けている。

一方、インドネシアは中国と経済的結びつきを強めており、中国製の新型コロナウイルスワクチンを大量に調達している。中国を過度に刺激するのを避けるため、バランスを取っている面もある。5月にはインドネシアの首都ジャカルタ周辺の海域で中国とも合同演習を実施した。』