[FT]ナイロビを金融ハブに ケニア・英が協力で合意

[FT]ナイロビを金融ハブに ケニア・英が協力で合意
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『アフリカ東部ケニアと英国は27日、ケニアの首都ナイロビへの投資促進を図る協定に署名した。ナイロビにはすでにアフリカ最大級の銀行の一部が本拠を構えるが、それをアフリカ大陸の金融センターに育て上げる狙いがある。
新協定の下、英保険大手プルーデンシャルがナイロビに地域本社を構える=ロイター

関係者らによると、この二国間協定はケニアや東アフリカへの国際投資の促進が目的だ。当局者は、今後5年間で少なくとも20億ドル(約2200億円)の投資につながると見込んでいる。やがてナイロビは地域のビジネス拠点として、アラブ首長国連邦(UAE)のドバイと競争できるようになるはずだという。

英保険大手プルーデンシャル、ナイロビにアフリカ本社

協定にはロンドンとナイロビの証券取引所の関係強化や、東アフリカの経済大国であるケニアで会社の設立・登記をしやすくする措置などが含まれている。

アフリカ8カ国に120万人の顧客を抱えており、同大陸で急成長している英保険大手プルーデンシャルは、新たな協定の下でナイロビに地域本社を構える初の非アフリカ企業となる。ケニアの鉱山会社メイフラワー・ゴールドも、ロンドンとナイロビの証券取引所で株式を重複上場して1400万ポンド(約21億円)を調達する計画を発表した。

ケニアのケニヤッタ大統領の3日間の英国訪問のスタートを飾る新協定により、両国間の経済関係のさらなる強化が見込まれる。両国は、2020年12月に署名した貿易協定を3月に批准した。英国の欧州連合(EU)離脱移行期間に署名された十数件の協定のうちの一つで、英国側は両国間の貿易を年間14億ポンド押し上げる効果があるとしている。

27日、ラーブ英外相がロンドンのマンションハウス(ロンドン市長公邸)でケニヤッタ氏を歓待し、1億3200万ポンドの新たな対ケニア投資を発表した。「この投資パッケージは新たな雇用を生み、ナイロビと(ロンドンの金融街)シティーの関係強化によって英国とケニア双方の企業に新たなビジネスチャンスをもたらす」とラーブ氏は語った。

ケニア財務・計画省の元上級顧問で国際金融センターの会長に就任するビンセント・ラグ氏は、ナイロビの長所として安定した政治と為替レート、良好な通信環境、多様で豊富な人材がいることを挙げる。「企業の誘致策はもちろん必要だが、それよりも基本的な部分において、規制などの枠組みと金融サービスの面でビジネスが活躍できる環境を提供しなければならないと思う」と同氏は言う。

ビジネス環境、ランキングは他国に後れ

ケニア商業銀行(KCB)やエクイティ銀行など、ケニアの銀行は地域進出を拡大しているとアフリカ駐在の英政府関係者は話す。「いま重要なのは、アフリカ全域に展開する企業をもっとナイロビに呼び込むことだ。ナイロビにアフリカ本社を置こうとする外国の多国籍金融機関などが考えられる」

だが、ある現地金融機関の幹部は、ナイロビが金融センターを目指すうえで「課題がないわけではない」と話し、世界銀行のビジネス環境ランキングでケニアはモーリシャスやルワンダよりも下位にあることを挙げた。最新の国際金融センター指数でもナイロビはドバイよりも下で、アフリカ内でもカサブランカ(モロッコ)、ケープタウン(南アフリカ)、ポートルイス(モーリシャス)、ヨハネスブルク(南ア)に後れを取っている。

By Andres Schipani

(2021年7月27日付 英フィナンシャル・タイムズ電子版 https://www.ft.com/)

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