焦点:米中の膠着浮き彫り、天津会談でわかった埋めがたい溝

焦点:米中の膠着浮き彫り、天津会談でわかった埋めがたい溝
https://www.epochtimes.jp/p/2021/07/76647.html

『[ワシントン 26日 ロイター] – 26日の米中高官会談では、結果が一切発表されなかった上、首脳会談の準備が示唆されることもなかった。双方ともに相手方が譲歩する必要性を強調するばかりで、米中関係は膠着状態にあるようだ。

米国のシャーマン国務副長官は天津を訪れ、中国の王毅国務委員兼外相らと会談した。米高官らは会談の意味について、両国の競争関係が衝突に発展することをしっかりと防ぐチャンスだったと強調した。

しかし、会談から出てきたのは、けんか腰の声明だった。今年3月にアラスカで実施されたバイデン米政権下初の米中高官協議は、互いに相手方をこきおろす異例の展開となったが、今回のトーンもそれと鏡映しだった。アラスカ会談ほど敵意をむき出しにはしなかったものの、双方とも具体的な交渉には踏み込まず、これまで通りの要求を列挙することに固執した。

高官らは、密室会合の様子は声明よりわずかながら友好的だったと示唆している。

米政府高官は会談後、記者団に対し、気候変動やイラン、アフガニスタン、北朝鮮の問題などに触れ「米国が中国の協力を模索、懇願したという風に位置付けるのは間違いだ」と強調した。別の米政府高官は「今度は中国側が、次のステップに向けてどれくらい準備できているかを明確にすることになる」と述べた。

しかし、王外相は声明で、ボールは米国側のコートにあると主張。「国際ルールの尊重ということで言えば、考え直す必要があるのは米国側だ」と述べ、中国への一方的な制裁や関税の撤廃を求めた。

<関係改善は望み薄>

中国外務省は最近、米国に協力する際は、それがどんな種類の協力であれ、条件を出す可能性を示唆した。一部のアナリストらはこの姿勢について、外交を硬化させるものであり、関係改善の見通しは暗いと言う。

米ジャーマン・マーシャル財団のアジア専門家、ボニー・グレーサー氏は、天津ではフォローアップ会合や対話継続の仕組みについて合意がなかったようだと指摘。「米国の同盟国とパートナー諸国はおそらく不安になるだろう。これらの国々は、米中関係の安定性と予見可能性が高まることを望んでいる」と述べた。

グレーサー氏は、米中双方とも、相手国が最初に折れると期待すれば、失望に終わる可能性が高いと付け加えた。

外交サークルでは、10月にイタリアで開かれる20カ国・地域(G20)首脳会合の傍らでバイデン大統領と習近平国家主席が会談すると予想する声もある。

ホワイトハウスのサキ報道官は、天津では両首脳の会談の見通しは浮上しなかったと説明しながらも、今後ある時点で接触する何らかの機会はあるだろうと述べた。

バイデン政権は当面、中国への対抗措置を拡大しつつ、対中措置に関して同盟諸国との協力を強化していく可能性がある。トランプ政権下で実施された中国製品に対する関税を撤回する意向もほとんど示していない。

新型コロナウイルスの起源調査や気候変動問題について、中国の協力が得られる可能性は無いに等しい。

アメリカン・エンタープライズ公共政策研究所の客員フェロー、エリック・セイヤーズ氏は「天津で明らかになったのは、外交的関与の価値と役割について、双方の見解が依然かけ離れているということだ」と語った。

戦略国際問題研究所(ワシントン)の中国専門家、スコット・ケネディー氏は、米中ともに協力姿勢を強める余地は今のところ無いと指摘。「双方にとって、簡単に協力できる問題は存在せず、協力するジェスチャーを採れば国内的にも戦略的にも大きなコストを伴うのが実情だ」と説明した。

ケネディー氏は「双方が近い将来に共通点を見いだし、関係を安定させることを極力期待してはならない」と述べた。

(Michael Martina記者、David Brunnstrom記者)』