[FT]インド、産児制限より教育を

[FT]インド、産児制限より教育を
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCB150PL0V10C21A7000000/

 ※ 「人口問題」は、どこの国家でも重大問題だ…。

 ※ 人口大国を誇った中国でも、将来の少子・高齢化の問題が浮上している…。

 ※ インドでは、ヒンドゥーvs.イスラムの問題が絡んで来るのか…。

 ※ 国家的な「コントロール」が難しい、難易度が高い問題だな…。

 ※ ただ、「国力」全体を上げようとして、熱心に「教育程度」を上げると、「避妊の知識」も行き渡るから、少子・高齢化となる…。

 ※ そこは、避けようが無いんじゃないか…。

『我が家に来てくれる50代後半の家政婦は14人きょうだいの家庭に育ち、学校に通えなかった。会ったこともない男性に16歳で嫁ぎ、21歳になるまでに子どもを3人産んだ。その数年後に4人目が生まれると、不妊手術を受けた。

インドでは複数の州が1家族の子どもの数を事実上制限しようとしている=ロイター
上の3人の子は2人ずつ子どもをもうけ、それ以上増やすつもりはない。教師の末の息子は2年前に結婚した。大卒の妻は何年か働いてから出産したい考えで、子どもはまだいない。

そう聞くと、教育機会が拡大し、急速な経済成長に伴って貧困層が縮小しているインドで、少産が奨励されていることがわかる。1人の女性が生涯に産む子どもの数を示す合計特殊出生率は1960年には6近かったが、2020年には2・2まで下がり、人口維持に必要な2・1すれすれになった。

ところが与党インド人民党(BJP)は人口増、とりわけ国内少数派のイスラム教徒の増加を警戒し続けている。BJPの支持母体でヒンズー至上主義を掲げる「民族義勇団(RSS)」は、イスラム教徒の方が出生率の低下が緩やかなので、ヒンズー教徒は数の優位性を脅かされていると不安をあおる。

インドで最も人口の多い北部ウッタルプラデシュ州は、アメとムチを使って子どもを2人までに制限しようと法整備に動いている。BJPが州議会で多数を占める北東部アッサム州、南部カルナタカ州、西部グジャラート州も同様の施策を検討中だ。

ウッタルプラデシュ州の法案では、子どもが3人以上いれば社会保障給付が受けられなくなり、地方選への出馬や公職に就くことも認められない。公務員は昇進できなくなる。一方、子どもを2人もうけた後に自ら、あるいは配偶者が不妊手術を受ければ、昇給など金銭的優遇の対象になる。子どもが1人なら、より手厚い特典がある。

「彼らに人口で追い抜かれる」

法案は特定の宗教に触れていない。しかしヒンズー教の聖職者で同州の州首相ヨギ・アディティヤナート氏は「特定の集団」は人口抑制の緊急性をもっと自覚する必要があると述べた。

印アショカ大学のアシュウィニ・デシュパンデ教授は「イスラム教徒は大家族だという迷信が昔からあり、助長されてきた」と話す。「『うかうかしていると彼らに人口で追い抜かれ、インドはやがてヒンズー国家ではなくなってしまうぞ』とけしかけている」

新型コロナウイルス禍のさなかにBJPが法整備に乗り出したのは、とりわけ残酷だ。政府の統計によると、高学歴の女性ほど子どもの数が少ない。だが昨春、新型コロナの感染拡大で学校が休校となったことで、多くの貧しい女性が学校を中退し、結婚させられる恐れが高まっている。

法案が成立すれば最貧困層が社会福祉の恩恵を受けられず、伝統的に男児が好まれる傾向から、男女産み分けの堕胎圧力が強まりかねない。専門家らは、州政府は強制的な産児制限ではなく、公衆衛生や教育を充実させ少子化を促す環境を整えるべきだと訴える。

「貧しい家庭が子だくさんになりがちなのは、何人生き残るかわからないため」とデシュパンデ氏は言う。「この問題を解決できなければ人々は苦しむ。子どもを多く持とうとする状況を変えなければならない」

By Amy Kazmin

(2021年7月16日付 英フィナンシャル・タイムズ紙 https://www.ft.com/)

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