米オピオイド訴訟、2.9兆円で和解案

米オピオイド訴訟、2.9兆円で和解案 企業と自治体
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『【ニューヨーク=西邨紘子】医療用麻薬「オピオイド」を含む鎮痛剤の中毒問題の訴訟をめぐり、ニューヨーク州などの司法長官は21日、米製薬大手ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)と医薬品卸・流通大手3社が最大260億ドル(約2兆9000億円)を各州や自治体に支払う和解案を公表した。

和解案によると、米医薬品卸のカーディナル・ヘルス、アメリソースバーゲン、マッケソンの3社が210億ドルを18年かけて支払い、J&Jが50億ドルを9年かけて支払う。ニューヨーク州がすでに4社と合意していた総額125億ドルの和解金は、今回の支払いに組み入れられる。

支払金はオピオイド中毒患者の治療や回復の支援、中毒防止活動の資金などに充てられる。和解案は医薬品卸各社への受注や流通の透明性を高める第三者組織を設立するとの条件も含む。

J&Jなど4社は、他にも数多くの州や自治体が起こした訴訟に直面する。今回の和解案は、4社を同じく訴えている他の州や自治体が一定数、合意に加わることが条件になっている。今後、この和解案に同意する州や自治体が少なければ、企業側が合意を撤回する可能性もあるという。

米メディアによると、これまでにニューヨーク、コネティカット、ペンシルベニア、デラウェア、テネシー、ノースカロライナ、ルイジアナの7州が同案による和解で合意している。

オピオイド系鎮痛剤は従来薬に比べ依存症の危険が少ないとして1990年代に売り出され、使用が急速に拡大した。だがその後、乱用による中毒問題が深刻になった。オピオイド系の中毒による死者数は99年から2019年に計50万人近くに達した。

オピオイド系鎮痛剤を巡っては、危険性の周知を怠ったなどとして製薬各社の責任を問う訴訟が全米で相次ぎ起きた。医薬品の流通各社も特定の薬局からの大量受注など乱用が疑われる「不審な処方」について当局への報告義務をおろそかにしたとして訴えられていた。』