コロナ下の五輪、安全優先に 経費2940億円積み増し

コロナ下の五輪、安全優先に 経費2940億円積み増し
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『新型コロナウイルス下の東京五輪が23日夜、開幕する。大部分の競技会場が無観客となる異例の大会に、様々な制約にもかかわらず200超の国・地域から過去最大規模の約1万1090人の選手が参加する。競技数33も過去最多。17日間の大会で選手たちが最高のパフォーマンスを演じられるよう、日本側は重い責務を担う。

観戦チケットの販売枠(セッション)は33競技と開閉会式で計750で、観客を入れるのは全体の約3%。観客受け入れの方針が決まる前は一般向けに363万枚を販売済みだったが、大部分が無観客となり、有効なのは約4万枚だ。

大会組織委員会が当初900億円と見積もっていたチケット収入は数十億円程度に激減する。ロンドン(現行レート換算で約1090億円)、リオ(同約350億円)と比べても異例の少なさとなる。

大会運営にかかる経費は昨年12月時点で1兆6440億円と、延期前から2940億円膨らみ、うち960億円は新型コロナ対策費用として積み増した。感染が疑われる選手らの診療や検査を担う選手村の発熱外来の整備、大会関係者に定期実施するPCR検査の委託費用などが含まれる。

東京大会ではサーフィンやスポーツクライミングなど若者に人気の競技も新たに追加された。実施競技33、種目339は史上最多。毎日の検査や厳しい行動制限を乗り越えて、参加選手数はリオ大会に匹敵する過去最大規模にのぼる。

選手村では既に南アフリカやチェコの選手らの新型コロナの陽性が判明している。選手村でクラスター(感染者集団)を発生させないよう、迅速な検査と感染者の特定が不可欠となる。

式典や運営は簡素化し、過去大会の華美なイメージは影を潜める。収容6万8千人の国立競技場での開会式は無観客で行われる。組織委は国際オリンピック委員会(IOC)などと協議し、国内外関係者の出席も大幅に削減。IOC委員やスポンサーなど950人程度に収まる見通しだ。

経済効果もしぼむ。大和総研は完全無観客の場合、五輪・パラリンピック期間中の経済効果は3500億円程度と通常開催より4500億円縮小すると予測する。

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