米、ウイグル取引に警告 国務省「違法の恐れ」

米、ウイグル取引に警告 国務省「違法の恐れ」
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『【ワシントン=鳳山太成】バイデン米政権は13日、中国の新疆ウイグル自治区にサプライチェーン(供給網)を抱える企業に対して「米国の法律に違反する高いリスクを冒す可能性がある」と警告する文書を発表した。強制労働など中国政府の人権侵害に関わる事態を指摘した。

国務省など6省庁が共同で、新疆に関する企業向けの注意文書を出した。中国のウイグル族への弾圧が激しくなっていることを踏まえ、トランプ前政権が2020年7月に出した文書を更新した。

人権侵害に加担する中国の企業・団体と関わる可能性があるとして、企業に注意するよう求めた。ウイグル族の監視技術を扱う中国企業への投資や合弁会社の設立、研究協力、強制労働でつくられた製品の調達などの事例を挙げた。

綿製品や太陽電池にとどまらず、携帯電話やおもちゃなど様々な産業で強制労働の疑いがあるとして幅広い業界の企業に警告した。

米国はウイグル族の弾圧に関わる中国企業や団体に様々な制裁を科している。綿製品や太陽電池部材の輸入を禁じたり、米国製品の輸出を禁じたりしている。こうした制裁を列挙して、法令に違反するリスクを取り上げた。

問題のある中国企業と直接取引するだけではなく、「間接的」に関わることでも法令に違反するリスクがあるとし、取引内容を事前に厳しく審査するよう企業に促した。法令違反に加え「評判を落とすリスクに直面する可能性がある」とも説明した。

トランプ前政権は1月、ファーストリテイリングが運営する「ユニクロ」のシャツの輸入を差し止めた。バイデン政権もウイグル問題を巡って中国企業に禁輸措置などを相次いで科している。日本企業も注意文書をもとに対応の強化を迫られる。

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菅野幹雄
日本経済新聞社 ワシントン支局長・本社コメンテーター

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ひとこと解説 36ページに及ぶ文書は冒頭で「説明だけを目的としており、法的な効力は持たない」と断っているものの、6省庁の連名による「警告」は米国はもちろん世界の企業にとって新疆ウイグル自治区との関わりを断つよう促す重い圧力になりそうです。法律違反に加えて「評判低下リスク」にも言及しており、「人権」よりビジネスを優先しようとする企業への脅しに近い内容です。

新疆ウイグル自治区での強制労働や人権侵害の有無を巡り、米国をはじめ民主主義体制の諸国と中国側の見解は真っ向から対立しています。今回の警告が摩擦に一段と拍車をかけることは間違いないでしょう。

2021年7月14日 7:43いいね
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