[FT]トルコ、米軍アフガン撤退が対米関係改善の好機に

[FT]トルコ、米軍アフガン撤退が対米関係改善の好機に
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 『トルコはアフガニスタンの首都カブールにある民間空港の警備を引き継ぐことで米国と合意に近づいている。一連の対立で対米関係は冷え込んでおり、北大西洋条約機構(NATO)のパートナー各国に協力できるめったにないチャンスとなっている。』

 ※ そして、「当事国」どころか、その「周辺国」すら、「その世界戦略」を前提に、「自国の生き残り戦略」を企画・立案・実行して行くことを迫られる…。

 『トルコはNATO加盟国で第2の兵員規模を誇り、既に同空港で軍事活動に従事している。アカル氏は500人強の駐留部隊を増派する可能性を否定しており、エルドアン氏はハンガリーとパキスタンに協力を求める考えを示している。』
 『パキスタンは既に米国がパキスタンからアフガンに空爆を仕掛けるのを拒否している。パキスタンの政府高官は匿名を条件にフィナンシャル・タイムズ(FT)の取材に応じ、トルコからは「物流や部隊の移動の支援」のほか「アフガンに関する情報の共有」を求められるとみていると語った。

アフガン国境に近いパキスタンの辺境の町ペシャワルに拠点を置くアフガン専門家ラヒムラ・ユスフザイ氏は、パキスタンが関わればアフガン政府との緊張が高まると指摘する。現在のアフガン政府はパキスタン政府をタリバンの有力な後ろ盾とみなしているからだ。同氏は「パキスタンにはトルコを非公式に支援することくらいしかできない。それ以上はパキスタンの利益にならないだろう」との見解を示した。』

 ※ 「周辺国」とは、「地理上、国境を接している国」だけでは無い…。
 「戦略」上、「情報」の「結節点」をも、含んでいる…。
 「ハンガリー」が、「アフガン戦争」に深く関与しているなんて、知っている人がどれだけいる…。

『トルコはアフガニスタンの首都カブールにある民間空港の警備を引き継ぐことで米国と合意に近づいている。一連の対立で対米関係は冷え込んでおり、北大西洋条約機構(NATO)のパートナー各国に協力できるめったにないチャンスとなっている。
 米国は今週、アフガンの主要軍事基地から撤収した。米軍の撤収が進むことで反政府武装勢力タリバンの勢いが復活し、アフガンが混乱に陥りかねないと懸念されている。』

『米からの空港警備の引き継ぎを提案

トルコのエルドアン大統領は6月のNATO首脳会議でバイデン米大統領に対し、米国が必要な「外交や物流、資金面での支援」を提供してくれるなら、空港警備を担うと提案した。エルドアン氏は「タリバンの実態」についても認め、タリバンとの協議を続けると語った。

トルコのアカル国防相は7日、オースティン米国防長官との電話会議で「ハーミド・カルザイ国際空港の警備」について「建設的で前向きな」議論を交わしたことを明らかにした。8日にも再び協議するという。

トルコの国営テレビTRTによると、アカル氏は今週、トルコは「アフガンの人々の安全と平和、保護に貢献する」つもりだと述べた。

もっとも、トルコが空港警備を担えるかはタリバンと合意に至ることができるかどうかに左右される。トルコの元外相で、アフガニスタンのNATO上級文民代表を務めたヒクメト・チェティン氏は、タリバンは首都に着実に迫りつつあり、米国の撤収後は外国軍のアフガン駐留を一切認めないと明言していると話す。

「アフガンは今や事実上の内戦状態にある。トルコが任務を担うには、停戦とタリバンとの合意が必要だ。タリバンはトルコに『NATOの任務でアフガンに駐留したのだから、NATOとともに撤収すべきだ』と言っている」とチェティン氏は語った。「タリバンの同意なしにトルコがこの役目を引き受けるのは誤りだ。リスクが高すぎる」との懸念も示す。

各国大使館や人道支援団体がアフガンに引き続きとどまる場合には、ハーミド・カルザイ国際空港を安全な玄関口として運営し続ける必要がある。アカル氏は「カブールの空港の機能を維持しなくてはならないと認識している。さもなければ各国大使館が撤退し、アフガンは孤立国家になってしまう」と語った。

パキスタンに協力を要請か

トルコはNATO加盟国で第2の兵員規模を誇り、既に同空港で軍事活動に従事している。アカル氏は500人強の駐留部隊を増派する可能性を否定しており、エルドアン氏はハンガリーとパキスタンに協力を求める考えを示している。パキスタンは既に米国がパキスタンからアフガンに空爆を仕掛けるのを拒否している。パキスタンの政府高官は匿名を条件にフィナンシャル・タイムズ(FT)の取材に応じ、トルコからは「物流や部隊の移動の支援」のほか「アフガンに関する情報の共有」を求められるとみていると語った。

アフガン国境に近いパキスタンの辺境の町ペシャワルに拠点を置くアフガン専門家ラヒムラ・ユスフザイ氏は、パキスタンが関わればアフガン政府との緊張が高まると指摘する。現在のアフガン政府はパキスタン政府をタリバンの有力な後ろ盾とみなしているからだ。同氏は「パキスタンにはトルコを非公式に支援することくらいしかできない。それ以上はパキスタンの利益にならないだろう」との見解を示した。

2001年にアフガニスタン紛争が始まって以来、トルコは戦闘以外の役割で米国を支援しているが、アフガンとは宗教などでつながりがある。トルコの政治アナリスト、ハサン・セリム・オゼルテム氏は、エルドアン氏は今回の取り組みを外交政策の相違を巡って長年対立してきた米国との「関係改善」のチャンスと捉えているとも指摘する。

オゼルテム氏は「トルコは今回の行動でNATOの不可欠なパートナーだと示すことができると考えている。米国と協力し、こうした責務を担える数少ない国の1つだと改めて強調できる」と語った。

バイデン氏が米大統領に選出されて以来、エルドアン氏は米国との関係修復に乗り出す意向を示している。NATOのジェット戦闘機を撃墜するために開発されたロシアの最新鋭ミサイルシステムの購入を受けて、トルコは米国から制裁を科されている。オゼルテム氏はアフガンを巡る合意は「米国とトルコが(対立を)凍結し、双方が前向きな政策課題に集中するチャンスになる」と語った。複数の米政府高官はトルコとの合意の進展状況についてはコメントを控えるとしている。

By Ayla Jean Yackley and Farhan Bokhari

(2021年7月8日付 英フィナンシャル・タイムズ電子版 https://www.ft.com/)

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