量的緩和縮小を議論、FOMC6月議事要旨 早期化予想も

量的緩和縮小を議論、FOMC6月議事要旨 早期化予想も
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『【ワシントン=大越匡洋】米連邦準備理事会(FRB)は7日、6月の米連邦公開市場委員会(FOMC)の議事要旨を公開した。量的緩和の縮小開始(テーパリング)に向けた議論に着手した。政策変更の条件はまだ整っていないとしつつも「様々な参加者」が「従来想定より条件がいくぶん早く満たされる」との見方に言及した。

6月15~16日のFOMCは参加者が中期政策見通しを示し、これまで2024年以降としてきたゼロ金利政策の解除時期を23年に前倒しした。利上げの前に必要な量的緩和の縮小開始に向け、経済情勢の点検に時間を割いた。FRBは現在、米国債を月800億ドル、住宅ローン担保証券(MBS)を同400億ドルのペースで購入している。

縮小開始の条件とする「最大雇用と物価安定の目標に向けてさらなる著しい進展」は「一般的にまだ達成されていないと考えるが、進展が継続すると期待する」とした。足元では人手不足を主因に雇用情勢が新型コロナウイルス危機の前の水準を大きく下回っている半面、インフレは加速している。

会合では資産購入ペースの変更に向けて「忍耐強くあるべきだ」と慎重な意見もあった。同時に、予想以上に景気が過熱するリスクなどへの備えとして「必要に応じ、資産購入のペースを落とせる体制を整えておくことが重要だ」との認識を共有した。

議論はテーパリングの方法にもおよんだ。住宅価格が高騰している状況を踏まえ、MBSの購入規模の減らし方を米国債よりも早めるべきだとの意見が出た。これに対し、購入時と同じ2対1の比率で減らしていくべきだとの意見も出た。

参加者は今後の会合で経済情勢を確認しながらテーパリングの具体策を議論することで合意。「縮小開始を発表する前に、十分に前もって周知する」方針で一致した。

6月のFOMC後に公表された5月の個人消費支出(PCE)物価指数は、変動が激しい食品とエネルギーを除くコア指数が前年同月比で3.4%上昇し、約29年ぶりの高い伸び率となった。FOMCでは「(供給制約など)一過性の要因の影響が薄れるにつれ、物価上昇率は緩む」との見方が大勢だった。22年以降も物価上昇圧力が続くとの指摘も一部にあり、会合は「経済予測の不確実性が高まっている」と結論づけた。

労働市場については改善に向かっているとの認識で一致しつつ、「広範で包括的な最大雇用にはほど遠い」と多くの参加者が指摘した。

7月27~28日の次回会合や8月下旬の「ジャクソンホール会議」などを通じて、テーパリングに向けた市場との対話をさらに進めることになる。

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