天安門で試す視覚トリック 習近平氏が毛沢東になる日

天安門で試す視覚トリック 習近平氏が毛沢東になる日
編集委員 中沢克二
https://www.nikkei.com/article/DGXZQODK022PH0S1A700C2000000/

『習の灰色の人民服姿は珍しい。過去の軍事パレードや外国訪問時の晩さん会では黒っぽい人民服だった。今回は明るめの灰色という色彩を利用して視覚的に習一人だけ際立たせた。「独り舞台」の演出である。

周りに立つ前国家主席の胡錦濤(フー・ジンタオ)ら長老、首相の李克強(リー・クォーチャン)ら現役の最高指導部メンバーは皆、ダークスーツに赤系のネクタイ姿。重要な式典のプロトコルだけに事前の根回しがあったはずである。』

『この視覚トリックショーには、もう一つの隠された仕掛けがあった。国営中国中央テレビの中継を凝視していた数億人の一般国民には、この微妙な政治的な演出の全容がわからないように工夫されていた。天安門楼上の習の姿と、下にある毛の肖像画を同時に映し出すテレビカメラからの映像がなぜかまったくない。広場の群衆側からの中継映像も人々が振る五星紅旗の小旗で巧みに毛の肖像画を隠していた。』