中国、東南アにワクチン供給拡大探る

中国、東南アにワクチン供給拡大探る
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM29DOM0Z20C21A6000000/

『【シンガポール=中野貴司】中国は東南アジア各国への中国製の新型コロナワクチンの供給拡大も目指している。域内の国々では欧米製ワクチンの確保が難しいことから、接種率を上げるために効力が比較的低いとされる中国製ワクチンを受け入れる動きも出ている。

「新型コロナ対策の相互協力を通じて、両国の親密な関係がさらに強固になることを望んでいる」。マレーシアのヒシャムディン外相は6月16日、中国の王毅(ワン・イー)国務委員兼外相から50万回分の追加ワクチン供給の申し出を受けたとして謝意を述べた。日本がマレーシアを含む東南アジア5カ国へのワクチン提供を発表した翌日の出来事だった。

新型コロナの感染者が高止まりするマレーシアは6月1日以降、ロックダウン(都市封鎖)が続き、約2割にとどまるワクチン接種率(1回以上ワクチンを接種した国民の割合)の引き上げが喫緊の課題になっている。ただ、欧米製ワクチンの確保は思うように進んでいない。6月下旬時点で到着したワクチンの約4割が科興控股生物技術(シノバック・バイオテック)製で、中国製なしでは接種の加速は難しいのが実情だ。

直近の1日あたりの新規感染者数が2万5千人を超え過去最多を更新するインドネシアも、到着済みワクチンの約9割が中国製だ。中国と南シナ海の領有権問題で対立するベトナムは中国製のワクチンを受け入れていなかったが、6月に初めて中国製の輸入に踏み切った。3%台にとどまる接種率の低さが受け入れ容認につながった。

ただ、中国製ワクチンは多くの国々にとって欧米製が不足する中でのやむを得ない選択であり、有効性への不信感が消えたわけではない。シンガポール政府は6月30日、市民がシノバック製ワクチンを受けてもイベントに参加する前に課されているコロナ検査は免除されないとの見解を明らかにした。』