東南アジアで観光再開 プーケット、60カ国超に隔離免除

東南アジアで観光再開 プーケット、60カ国超に隔離免除
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『【バンコク=村松洋兵】東南アジアで外国人観光客の受け入れ再開が始まった。タイは1日、リゾート地プーケットで新型コロナウイルスワクチンを接種済みの旅行者には、入国時の隔離義務を免除する措置を開始した。インドネシアもバリ島で7月下旬の実施を計画する。ただ、各国では変異ウイルスが広がっており、先行きが不透明な部分もある。

タイはこれまで全ての入国者に14日間の隔離を義務づけていた。1日からプーケットで、ワクチン接種済みの旅行者には到着初日から自由な行動を認めた。受け入れはタイ政府が指定するコロナ感染の「低・中リスク国」からに限定する。1日時点では米国や中国、韓国など66カ国・地域が観光目的での隔離免除を認められた。

日本はビジネス目的の渡航に限り隔離免除が適用されることになった。条件など詳細は明らかにされていない。プーケットには直行便で訪れる必要があるが、現時点で日本からの運航予定はない。

低・中リスク国はマレーシア企業が算出する「コロナ回復指数」が60以上であるか、60未満でも15日間の平均新規感染者数が1000人以下であることが条件となる。

タイ政府は感染防止対策としてプーケットの人口の約7割に1回目のワクチン接種を終えた。バンコクなどでもワクチン接種を加速し、10月中旬までに全国で観光再開を目指す。ただし、プーケットで一定数以上の新規感染者が出た場合は計画を見直すとしている。

観光はタイの実質国内総生産(GDP)の約2割を占める主要産業だ。2020年の外国人客は前年比8割減り、実質GDPは同6.1%減に低迷した。プラユット首相は1日、プーケットで記者会見し「(観光再開は)経済回復のために緊急の必要がある」と強調した。

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インドネシアのバリ島は7月下旬の再開を目指すが、詳細は決まっていない。ワクチン接種済みであることや、直行便の利用が条件となる見込みだ。観光客がバリ島でワクチンを接種できるようにもするとしている。

一方でジョコ大統領は1日、足元の感染再拡大を踏まえてジャワ島とバリ島で3日から20日まで行動制限を強化する方針を発表した。観光再開が予定通り進むかは不透明な情勢となった。

東南アジアではインド型(デルタ株)などの変異ウイルスが広がっている。インドネシアは新規感染者が連日2万人を超え、タイも4000~5000人台で推移する。両国ともワクチンを1回以上接種した人は全国で10%前後にとどまる。

タイ国立マヒドン大学のプラシット・ワタナパ医学部長は「変異ウイルスへの効果が低いワクチンもあり、観光再開は時期尚早だ」と警鐘を鳴らす。ワクチン接種が進むシンガポールは5月下旬に香港との間で隔離なしの往来再開を予定していたが、感染者増加を受けて延期した。

南アジアのリゾート地、モルディブは既に観光を再開しているが、5月中旬からインドやパキスタンなど7カ国からの観光客の入国を停止した。4月末までに国民の半分以上がワクチンを1回以上接種したものの、インド型の感染者が急増したためだ。足元で新規感染者数は低下傾向にあり、15日には停止措置を解除する方針だ。』