中国・習氏「台湾統一は歴史的任務」 党創立100年式典

中国・習氏「台湾統一は歴史的任務」 党創立100年式典
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM0124Z0R00C21A7000000/

『北京=多部田俊輔】中国共産党は1日午前、北京市内の天安門広場で創立100年の記念式典を開いた。習近平(シー・ジンピン)総書記(国家主席)は演説で「香港での全面的な管轄権を持ち、台湾独立のたくらみを断固として粉砕しなくてはいけない」と強調。米国を念頭に「外部勢力が私たちをいじめ、圧迫することも決して許さない」と米国に対抗する姿勢を鮮明にした。』

『習氏の演説は約1時間。米国が支援を強化する台湾について、「祖国の完全統一を実現することは共産党の歴史的任務だ」と強調。「国家主権と領土を完全に守る決意や強大な能力を見くびってはならない」と力強く述べたところで、天安門広場から大きな拍手と歓声が湧き起こった。

香港や台湾、新疆ウイグル自治区を巡って対立を深める米国に対抗する姿勢を明確に示した。米国が共産党の支配体制に問題の根源があると党を標的にすることに対して、習氏は「共産党と国民を分割して対立させる企ては絶対に思いのままにならない」と反論した。

さらに、米国を念頭に「偉そうな説教を絶対に受け付けない」と強調し、「いかなる外部勢力が私たちをいじめ、圧迫することも決して許さない」と指摘。軍事力についても「世界一流の軍隊をつくりあげ、より強大な能力で、国家の主権、安全、発展の利益を守りぬく」と述べた。

香港国家安全維持法(国安法)が施行されて1年が経過した香港については、高度の自治を認めた「一国二制度」を堅持すると述べたが、「香港での全面的な管轄権を持つ」とも強調。香港の言論統制などを強める取り組みを正当化した。

習氏は演説の冒頭で、貧困問題を解決して国民生活にややゆとりがある「小康社会」の全面的な達成という「(党創立)100年の奮闘目標」の実現を宣言し、大きな拍手を受けた。行政や司法、企業活動などのすべてを指導する共産党の統治体制の優位性を強くアピールした。

さらに「未来を切り開くには共産党の強固な指導を堅持しなければならない」と強調した。外交については新型の国際関係の構築を推し進め、習氏が提唱する広域経済圏構想「一帯一路」の発展を進める方針を強調した。

習氏は記念式典に1人だけ人民服を来て登壇した。スーツを着た李克強(リー・クォーチャン)首相ら最高指導部メンバーや王岐山(ワン・チーシャン)国家副主席に加え、胡錦濤(フー・ジンタオ)前国家主席や温家宝前首相らと歴代の指導者らも登壇した。江沢民(ジアン・ズォーミン)元国家主席は見当たらなかった。

党創立の記念式典はこれまで、天安門広場の隣に位置する人民大会堂で指導者が演説してきた。習氏は中国を代表する天安門で初めて演説することで、来年秋の最高指導部が刷新する党大会に向けて、慣例を破って3期目に入ることを視野に求心力を高める狙いも透けて見える。

式典には7万人余りが参加した。開始前には共産党旗を掲げたヘリコプターが「100」という形で飛行し、主力戦闘機「殲10」などが編隊飛行を行った。軍事パレードの実施は見送ったが、「殲10」は台湾の防空識別圏(ADIZ)に入っている戦闘機で、軍事力をアピールする狙いもありそうだ。

北京市内は1日、天安門広場付近に武装警察などを配置して厳戒態勢を敷く。周辺の地下鉄駅は閉鎖され、多くの店舗が営業を中止した。北京以外の主要都市でも治安当局がデモなどの事態を抑え込むため人やモノの移動を制限し、ネットの監視を強める。

中国では憲法で共産党を「国家の指導的な立場」と位置づける。全国人民代表大会(全人代、国会に相当)も共産党の指導を受けて、党の方針を具現化する役割だ。党員数は9515万人。中国大陸の総人口(14億1177万人)の7%程度を占める。』