経済足掛かりに「強国」目指す 成長優先の姿勢変わらず

経済足掛かりに「強国」目指す 成長優先の姿勢変わらず―中国共産党100年
https://www.jiji.com/jc/article?k=2021062900753&g=int

『【北京時事】中国共産党政権は1978年の改革開放政策導入後、経済成長によって求心力の維持を図ってきた。国内総生産(GDP)は2010年に日本を抜き、世界2位に浮上。米国とのトップ逆転も視野に入る中、習近平国家主席(党総書記)は経済力を足掛かりに「強国」入りを目指す。

「革命党」の本質変わらず 中国共産党史研究の京大・石川教授

 「35年までにGDPを2倍にすることは完全に可能だ」。習氏は昨年秋の党重要会議に関する説明でこのように断言し、今後も経済成長を優先する考えを明確にした。ただ、国内では経済の量から質への転換を求める声が根強い。輸出やインフラ投資に頼ってきた従来の成長戦略が限界に近づきつつある上、住宅価格の高騰や貧富の差の拡大など、成長に伴うひずみも大きくなっている。
 それでも習指導部の姿勢に変わりはない。経済力は軍事や科学技術などの基盤であり、米国との覇権争いを続けていく上で成長は不可欠。また、共産党政権は経済的な豊かさを実現することで国民の支持をつなぎ留めてきたことから、低成長への警戒感もくすぶる。
 毛沢東時代の「大躍進」政策の失敗や文化大革命の混乱で国民の信認を失った共産党政権は、改革開放にかじを切らざるを得なかった。当時の最高実力者、トウ小平は「白猫でも黒猫でも、ネズミを捕るのが良い猫だ」として、一党独裁体制を維持しつつ、経済に市場原理を導入した。

 その後の40年間で対外開放は進み、多くの外資系企業が中国に進出、経済の躍進を支えた。01年には世界貿易機関(WTO)に加盟。世界経済における存在感は飛躍的に高まり、米中摩擦や新型コロナウイルス禍でも対中投資は拡大を続けている。その半面、経済的影響力を利用し、意見の異なる国・地域に圧力をかける事態も頻発。西側諸国との「分断」の可能性も取り沙汰されている。

 一方、改革は道半ばだ。国家主導の産業育成策や国有企業支援の是正を求める声に逆行し、習指導部は国有企業に肩入れすると同時に、アリババ集団など民間企業への締め付けを強める。経済発展や雇用の担い手だった民間企業の勢いをそぐ動きは、長期的な成長に影響を及ぼしかねない。』