巨大な米国オガララ帯水層、枯渇の危機

巨大な米国オガララ帯水層、枯渇の危機、穀物生産が困難に…日本の畜産に深刻な打撃
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『オガララ帯水層
 さらに、米国のオガララ帯水層の枯渇問題が世界的に問題になっており、日本の食糧安全保障を直撃しようとしている。オガララ帯水層は、北アメリカの大穀倉地帯(ロッキー山脈の東側と中央平原の間を南北に広がる台地上の大平原に位置)の地下に分布する浅層地下水帯で、日本の国土面積を超える広さを持っている。

 この帯水層に依拠している米国のカンザス州では、650万頭の肉牛が飼育され、270万トンの牛肉が生産され、日本にも米国産牛肉として輸入されている。牛肉1キロ当たり6〜20キロのトウモロコシなどの穀物が生育のため必要である。2億5000トンのトウモロコシなどの穀物生産のうち、3分の1が肉牛生産に使われている。

 穀物生産には膨大な量の水が必要で、カンザスの穀倉地帯はオガララ帯水層の地下水に頼って生産されているが、このオガララ帯水層の地下水が枯渇しつつあることが明らかになっている。現在、この帯水層は地表から100メートルの地点にあるが、この50年間で水位は60メートルも下がり、あと30メートルしかないとされている。そして、早ければあと10年でオガララ帯水層の地下水はなくなるともいわれ、遅くとも50〜70年には枯渇すると推定されている。

 東京大学大学院農学生命科学研究科教授の熊谷朝臣氏の研究発表「地下水資源から占う穀物生産の未来」でも「何の改善もされることなく現在のオガララ帯水層からの取水ペースにより灌漑農業を続ければ、ハイプレーンズ南部域の穀物生産は崩壊し、それは世界の食糧安全保障にまで影響します」としている。

 カンザス州、オクラホマ州、テキサス州、ニューメキシコ州をカバーしているオガララ帯水層が枯渇すれば、米国穀倉地帯でのトウモロコシなどの年間5000万トンの穀物生産が困難になり、日本の家畜の飼料とされている米国産トウモロコシの輸入が困難になることになる。それは、米国産輸入飼料に依存している日本の家畜生産や酪農生産が厳しくなることを意味している。また、米国産牛肉や米国産豚肉の輸入も途絶することになるであろう。

(文=小倉正行/フリーライター)

●小倉正行

1976 年、京都大学法学部卒、日本農業市場学会、日本科学者会議、各会員。国会議員秘書を経て現在フリーライター。食べ物通信編集顧問。農政ジャーナリストの会会員。

主な著書に、『よくわかる食品衛生法・WTO 協定・コーデックス食品規格一問一答』『輸入大国日本変貌する食品検疫』『イラスト版これでわかる輸入食品の話』『これでわかる TPP 問題一問一答』(以上、合同出版)、『多角分析 食料輸入大国ニッポンの落とし穴』『放射能汚染から TPP まで一食の安全はこう守る』(以上、新日本出版)、『輸入食品の真実!! 別冊宝島』『TPP は国を滅ぼす』(以上、宝島社)他、論文多数。

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〔オガララ帯水層〕
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