〔トルコの新運河建設と軍事バランス〕

 ※ 単なる「経済的な問題」だけの話しじゃないようだ…。

 ※ 自分の投稿に記述があった…。

 『3月に建設計画を政府承認して以降、運河は国内外で議論を呼んでいる。既存のボスポラス、ダーダネルス両海峡の扱いを定めた1936年のモントルー条約に影響する可能性があるためだ。黒海の非武装化を目指したこの条約は、両海峡へのトルコの主権を幅広に認める。黒海沿岸国以外の軍艦往来をより厳しく制限し、通航の際はトルコへの事前通告などを義務付けている。

米国が今月、ウクライナ支援のため、黒海に軍艦2隻を派遣しようとした際もトルコに通告していた。運河という「バイパス」ができればモントルー条約の前提条件が崩れるとの指摘がある。元外交官、退役軍人らは相次いで運河がトルコの安全保障を脅かすとする公開書簡を発表し、一部は当局に拘束された。

神経をとがらせるのはロシアだ。モントルー条約がなければ米欧の艦船が玄関口の黒海に自由に進入してくる恐れがある。プーチン大統領は9日、エルドアン氏に電話して「モントルー条約の維持は重要だ」と伝えた。一方、元米国務副次官補のマシュー・ブライザ氏は「モントルー条約体制の見直しは北大西洋条約機構(NATO)にとって大きな好機だ」と指摘する。

トルコは運河ができてもモントルー条約に影響はないとの立場を示しているが、トルコによる脱退論はくすぶる。条約は民間船舶が両海峡を自由に航行できることを保証しており、現状では船会社側がほぼ無料のボスポラスを迂回して運河を選ぶメリットが薄いためだ。

エルドアン氏は「将来必要が生じればどんな(国際)合意もためらわず見直す」と含みを持たせる発言をしている。条約の破棄や変更はトルコにとって不利とみられるが、揺さぶりによって米欧とロシアの間で外交的利益を得ようとする思惑が透ける。

運河建設には、環境や経済的な持続性を問題視する声も強い。政府はボスポラスの混雑を緩和し、安全性を高められると説明。年間10億ドル(約1100億円)の通航料収入が得られるとも試算する。ただ、「トルコストリーム」「ノルドストリーム」などのパイプラインが完成したことでタンカーの輸送需要が減っている。

野党によると、過去15年で海峡を通る船舶は4分の3に減った。シンクタンクEDAMのシナン・ユルゲン会長は「運河の収益性は未知数で、着工したとしても完成するとは限らない」と指摘する。』

 ※ そういう話しだ…。

 トルコ、黒海―地中海に運河着工へ 軍事均衡に影響も
 https://http476386114.com/2021/04/20/%e3%83%88%e3%83%ab%e3%82%b3%e3%80%81%e9%bb%92%e6%b5%b7%e2%80%95%e5%9c%b0%e4%b8%ad%e6%b5%b7%e3%81%ab%e9%81%8b%e6%b2%b3%e7%9d%80%e5%b7%a5%e3%81%b8%e3%80%80%e8%bb%8d%e4%ba%8b%e5%9d%87%e8%a1%a1%e3%81%ab/

渡来人は四国に多かった? ゲノムが明かす日本人ルーツ

渡来人は四国に多かった? ゲノムが明かす日本人ルーツ
日経サイエンス
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC18CCA0Y1A610C2000000/

 ※ こういう「サイエンス・データ」に反する従来からの「文献による言説」は、全く意味をなさなくなった…。

 ※ 「学問の進化」とは、そういうものだ…。

 ※ ただ、「50人」じゃ、ちょっと少ないな…。

 ※ まあ、大まかな「傾向」を探る…、程度のものだろう…。

『私たち日本人は、縄文人の子孫が大陸から来た渡来人と混血することで生まれた。現代人のゲノム(全遺伝情報)を解析したところ、47都道府県で縄文人由来と渡来人由来のゲノム比率が異なることがわかった。弥生時代に起こった混血の痕跡は今も残っているようだ。』

『東京大学の大橋順教授らは、ヤフーが2020年まで実施していた遺伝子検査サービスに集まったデータのうち、許諾の得られたものを解析した。1都道府県あたり50人のデータを解析したところ、沖縄県で縄文人由来のゲノム成分比率が非常に高く、逆に渡来人由来のゲノム成分が最も高かったのは滋賀県だった。沖縄県の次に縄文人由来のゲノム成分が高かったのは九州や東北だ。一方、渡来人由来のゲノム成分が高かったのは近畿と北陸、四国だった。特に四国は島全体で渡来人由来の比率が高い。なお、北海道は今回のデータにアイヌの人々が含まれておらず、関東の各県と近い比率だった。』

『近年の遺伝学や考古学の成果から、縄文人の子孫と渡来人の混血は数百~1000年ほどかけてゆっくりと進んだとみられている。弥生時代を通じて縄文人と渡来人が長い期間共存していたことが愛知県の遺跡の調査などで判明している。どのような過程で混血が進んだのかはまだ不明で、弥生時代の謎は深まる一方だ。今回の解析で見えた現代の日本列島に残る都道府県ごとの違いは、弥生時代の混血の過程で起こったまだ誰も知らない出来事を反映している可能性がある。書物にも残されていない日本人の歴史の序章は、ほかならぬ私たち自身のゲノムに刻まれているのだ。

(日経サイエンス編集部 出村政彬)

詳細は6月24日発売の日経サイエンス8月号に掲載』

トルコ イスタンブール 大運河建設計画の関連工事始まる

トルコ イスタンブール 大運河建設計画の関連工事始まる
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210627/k10013106171000.html

※ 新運河の方は、通行料を取って、有料だそうだ…。

※ 果たして、思惑通り、迂回路を選択する船舶が増えて、掛かった費用が順調に回収されるものか…。

※ けっこう、「懸念」はあるようだ…。

※ 一番の懸念は、ここいら近辺の「油田」からのタンカーの通行料を当てにしているところ、だんだん「パイプライン」経由での「送油」が増えて、タンカーによる輸送はジリ貧になっていくのでは…、ということのようだ…。

『黒海とマルマラ海を結ぶ要衝、ボスポラス海峡のう回路として、トルコのイスタンブールに大運河を建設する計画の関連工事が始まりました。』

『トルコのイスタンブールを東西にわけるボスポラス海峡は地中海からマルマラ海をへて黒海に抜けるルート上にあり、年間4万隻をこえる船が通過する交通の要衝で、トルコ政府はその西側にう回路となる全長45キロの大運河を建設する計画です。』

『イスタンブールでは26日、その運河にかかる予定の橋の起工式が行われ、演説したエルドアン大統領は、運河はボスポラス海峡の交通の混雑を緩和し、安全面が向上するとしたうえで「トルコの発展の歴史に新たなページを開く」とアピールしました。

総工費はおよそ150億ドル、日本円で1兆6600億円余りを見込み今後6年以内に完成させたいとしています。

一方で運河建設をめぐっては、費用対効果を疑問視する声や環境や水資源などへの影響を懸念する声も出ています。』

イスタンブール探訪⑥ボスフォラス海峡(水) | 柴犬カン、福の日記
https://ameblo.jp/shibainukan80/entry-12406867352.html

塩野義の国産ワクチン 年明け6千万人分供給可能

塩野義の国産ワクチン 年明け6千万人分供給可能
https://www.sankei.com/article/20210626-YDYNH6WAJFJ3VBPJRBRWHBXNLY/

『塩野義製薬が開発中の新型コロナウイルスワクチンを生産・供給できる量が、来年1月から年間最大6千万人分へ倍増することが26日、分かった。これまで「3千万人」としていた。手代木(てしろぎ)功社長が産経新聞のインタビューで明らかにし、「国産ワクチンを安定的に供給したい」と述べた。

塩野義のワクチンは現在、第1、2段階の臨床試験(治験)を国内で行っている。ワクチンの効き目などから供給量を拡大できる見通しになったという。さらに治験を進めて確認する。

同社は提携先である医薬品製造会社「ユニジェン」の岐阜県池田町の工場で生産設備を整備中。これまで年内に3千万人分のワクチンの生産体制を整えるとしていた。

また手代木氏は、最終段階の大規模な治験について「アフリカや東南アジアでの実施に向けて調整中」と明らかにした。

塩野義は国内でも千例規模の治験を検討している。これを踏まえ、一定の条件を満たせば承認を受けられる国の「条件付き早期承認制度」が適用されれば「年内の実用化が可能」としているが、並行して最終段階の大規模な治験を世界の流行地域で実施する。

塩野義のワクチンは「遺伝子組み換えタンパクワクチン」と呼ばれる。新型コロナの遺伝子の一部を基に昆虫細胞でタンパク質を培養して作る。すでにインフルエンザワクチンなどで実績がある技術だ。』

「Windows 11」の動作要件

新しめのPCでも動かない可能性が? 「Windows 11」の動作要件を改めてチェック!
https://www.itmedia.co.jp/pcuser/articles/2106/25/news124.html

 ※ 特に、ココ( TPM(セキュリティモジュール) )は気を付けよう…。

 ※ オレの旧機改では、「TPP」とかいう設定項目になっていた…。

 ※ 久々で、BIOS(UEFI…)をチェックしたら、「OFF」にしてあった…。

 ※ ちょっと、「意味わからん…。」だったんで、触らないでおいた…。

 ※ この記事読んで、「ON」にした…。

 ※ 若干、ネットの各記事の表示が、遅くなったような気がする…。

 ※ 一々、介入しているんだろう…。

 ※ 久々で、3DMarkをブン回して、チェックしてみた…。

 ※ まあ、正常動作しているようだ…。

『TPM(セキュリティモジュール)
 Windows 11では、「TPM 2.0」に準拠するTPM(セキュリティチップ)の搭載が必須となる。

 Windows 10ではTPMの利用はオプションだが、2016年7月28日以降に出荷されるプリインストール機ではTPM 2.0の搭載が原則として必須となっている。そのため、比較的最近のPC/タブレットは要件を満たしているものと思われる。

 ただし、実際にはTPM 2.0に対応しているPC/タブレットでも、出荷時に無効化されていたり、プリインストールOSの都合で出荷時に「TPM 1.2互換」の設定がなされていたりするケースもある。

 出荷時に無効とされている場合は、PC/タブレットのUEFI設定から有効化すれば利用できるようになる。TPM 1.2互換モードで稼働している場合は、UEFI設定からバージョンを切り替えるか、ファームウェアをTPM 2.0用に書き換える必要がある。自作PCで用いるマザーボードの場合、TPM 2.0チップを搭載していなくても後から購入して追加できるケースもある。詳しくは、PC/タブレットやマザーボードのメーカーのサポートサイトを参照するか、サポートに問い合わせてほしい。

 なお、TPMチップの有無やチップが準拠しているバージョンは「Windowsセキュリティ」を使って調べられる。スタートメニューで「セキュリティ プロセッサ」を検索して実行してみよう。』

Windows セキュリティでのデバイス保護
https://support.microsoft.com/en-us/windows/device-protection-in-windows-security-afa11526-de57-b1c5-599f-3a4c6a61c5e2#securityprocessor

『Windows セキュリティには、悪意のあるソフトウェア攻撃からデバイスを保護するために、次の組み込みのセキュリティ オプションが用意されています。

以下に説明する機能にアクセスするには、タスク バーの検索ボックスに「 windows security」と入力し、結果から選択して、[デバイス セキュリティ] を選択します。』

地銀、深刻なIT統治不全 ベンダー頼みのツケ重く

地銀、深刻なIT統治不全 ベンダー頼みのツケ重く
金融PLUS 金融グループ次長 亀井勝司
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB212F90R20C21A6000000/

 ※ どうも、最大の問題点は、「銀行側に、ITに精通した人材が無く」「ベンダー側に、経営・業務に精通した人材が無い」というところのような気がする…。

 ※ その両方の領域を、つなぐ人材が、決定的に欠いているという気がする…。

 ※ これを、「プライオリティの判断」という観点から見れば、従来・旧来の「銀行経営におけるプライオリティの判断」と、「IT導入におけるプライオリティの判断」が、決定的に乖離しているという気がする…。

 ※ 例えば、あるITシステムを導入しようとしているとする…。
 当然、そこにおいては、「導入することによるメリット」と、「導入したことによるデメリット」があり、そこを「抽出」「利益衡量」することが必要となる…。
 
 ※ さらには、「パッケージソフト」を導入して、安上がりに上げようと考えたとする…。

 ※ その場合、その「お仕着せ」による従来の業務執行形態を「変える必要があるのか、否か」「そのメリット・デメリット」の利益衡量をどう図るのか、などという問題も出てくる…。

 ※ 「お仕着せ」からハミ出した、「特殊業務」を残すのか否か、そこを組み入れて、一から「システム発注」するのか否か、その場合の後々の保守・管理業務のコスト計算をも含めた「プライオリティの判断」が必要となる…。

 ※ こういうものは、従来・旧来の「銀行の経営判断」とは、全然違う…。

 ※ そういう「判断」や、その判断に必要な「要素の抽出」が、できる体制になっているのか…。人材、手順の構築は、なされているのか…。

 ※ そういう辺りが、決定的に重要なんだろう…。

 ※ さらには、「新技術」への対応・拡張性…、という問題もある…。

 ※ オンプレミス全盛時に、クラウド環境への「備え」を考えておくということは、不可能事かもしれない…。「神対応」かもしれない…。

 ※ しかし、そこの「備え」が無いと、「後れを取って」、競争における敗者となる…。

 ※ こうして検討してみると、いわゆる「日本企業」が、決定的に「苦手」としている「分野」「事例」のようだな…。

『みずほ銀行で起きたシステム障害は、システムが銀行経営に死活的に重要なことを端的に示した。ただその重要性と裏腹に、銀行、とくに地方銀行自身が主体的に関与できているかといえば疑問符がつく。』

『「監視を厳しくしないといけない。システム対応できないか」(地銀幹部)

「半年後になりますね」(システム会社)

NTTドコモの電子決済サービス「ドコモ口座」に絡む不正送金があった2020年9月。ある有力地方銀行とシステム会社で交わされた会話だ。新しいサービスの開発からマネーロンダリング(資金洗浄)につながる不正送金の対策まで、システムは銀行経営の要だが、開発や運用はシステム会社に頼っている実態が浮かぶ。』

『システム会社はベンダーと呼ばれ、みずほ銀行が4500億円を投じて導入した新システム「MINORI」は日本IBM、富士通、日立製作所、NTTデータの4社が中心となって開発した。もちろん、数千万口座を抱えるメガバンクと地方銀行のシステムには差があるものの、地銀も平均して年間50億円弱のシステム関連経費がかかっている。

金融のデジタル化が進み、システム部門の戦略的な位置づけは高まっているが、上位地銀でさえシステムの実務部隊はベンダーにほぼアウトソースしているところも多い。効率化の一環で自行のシステム人材をベンダー側に移管し、開発・運用を委ねている。ドコモ口座で問題になったインターネットバンキングから「○○ペイ」にチャージする場合も、自行からの出金にもかかわらず、その取引情報を保有しているのは銀行自身ではなくベンダーだという。』

『特定のベンダーの製品やサービスに強く依存することで、他社の同じような製品への切り替えが難しくなることをベンダーロックインと呼ぶ。言い換えれば囲い込みで、公正取引委員会もかねて問題視してきた。機動的に機能を追加したいと思っても時間と多額のコストがかかる。それでもベンダーに依存しているため「言い値」を受け入れざるをえない構図が浮かぶ。』

『銀行業務の基幹である勘定系システムを日本ユニシスからマイクロソフト社のクラウドサービスに移行した北国銀行のように、ベンダー丸投げと決別する地銀はまれだ。北国銀はクラウド上に集積した顧客データを活用し、取引やサービスの利用実態を人工知能(AI)などで分析。営業やコンサルティングにつなげる計画で、システムのフル活用を経営の中核にすえる。

システムに関していえばベンダーが銀行に対して優越的地位に立っているように見えるが、ある金融庁関係者は「だからといって地銀が『被害者』かといえば、それは一つの断面だ」と指摘する。ベンダーロックインが機動性を奪い、高コストになっている面は否めないが、ベンダー側からみれば「非効率で硬直的な事務を温存しているため、それをつなぐのに複雑な仕組みが必要になり、結果的にコストが高くなる」という声も漏れる。』

『実際、システムを共同化している信金と地銀のコストの差は、システムにあわせて事務も共通化しているかどうかの違いが大きい。システムと一言でいっても、債務者の情報を管理するシステムや取引内容を記録するシステム、担保物権を管理するシステムなど多岐にわたる。そのうえ、ほぼ取り扱いがない商品もスクラップすることなく新たな機能を付け加えようとすると、「結果的にアクロバティックなシステムになり、その分コストも上がる」(金融庁関係者)という。』

『自行に必要な機能を絞り込み、コストを減らして機動性を高めるために何が必要かを把握し、それにあわせて不要な事務を削る判断がIT統治(ガバナンス)だとすれば、ベンダーロックインはその欠如が招いた帰結にも見える。もっとも、マネロン対策など迅速に対策を打つ必要があるシステム改修で多額の費用を求め、より安価なサービスを提案する他社を阻むのは優越的地位の乱用だ。金融庁は銀行の委託先であるベンダーに立ち入り検査することもできる。

金融犯罪への対応は新たな手口が出てくるたびにシステム的な対応が必要になり、金融サービスのデジタル化もシステムの裏付けがあってこそだ。ベンダーロックイン問題は、「銀行はシステム産業」といいながらシステムを傍流に追いやってきた姿勢に変化を迫っている。』

『浅川直輝
日経BP 「日経コンピュータ」編集長
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分析・考察企業内のITシステムを構築・運用する情報システム部門は本来、社内の業務とシステムの全体最適を考え、ときには経営陣や事業部門に「このやり方ではダメだ」と業務改革やサービス改革を迫ることもいとわない重要な部門です。

そんな情報システム部門の役割を外部のITベンダーに丸ごとアウトソースすれば、内発的な改革は起こりようがありません。ITベンダーも「良かれ」と考えて全てのIT関連業務を受託すれば、結果として顧客企業のデジタル変革(DX)の機会や意欲を奪う結果につながりかねません。

DXが企業競争力に直結する時代、企業とITベンダーの関係を今一度考え直すべきでしょう。』

中国、「開放」から再び「統制」へ

中国、「開放」から再び「統制」へ 党支配の揺らぎ警戒
分岐点の中国 共産党100年㊤
https://www.nikkei.com/article/DGXZQODE171XD0X10C21A6000000/

『中国共産党が7月、結党100年を迎える。改革開放路線に踏み切った後の経済成長は一党支配を支えてきたが、都市と地方の格差や少子高齢化の加速、米国との対立激化など内憂外患も深まる。分岐点に立つ中国の姿を追う。』

『中国・安徽省合肥市。内陸部の省都は1000億元(約1兆7000億円)を投じ量子技術の世界最大の研究拠点を建設する構想に沸く。「今後10~15年で国防や金融、エネルギーなど幅広い分野に応用する」。4月、「量子の父」と呼ばれる中国科学技術大学の潘建偉教授は息巻いた。

習近平(シー・ジンピン)国家主席は2020年10月の党の会議で「量子技術の国際競争でトップの地位を占めよ」と指示、潤沢な資金投入を約束した。日本経済新聞社が出資する調査会社アスタミューゼによると中国の09~18年の量子コンピューターへの研究投資額は6億3千万ドル(約700億円)に達し、米国の10億6千万ドルを追う。

中国は巨額の資金を元手に官主導による研究開発を推進する。3月には今後5年間で取り組む科学技術の重点分野に人工知能(AI)など7項目を掲げ、官民を合わせた研究開発費を年平均7%増やす方針も示した。』

『習指導部が次世代の成長の軸を探すのに躍起となるのは、一党支配への国民の不満を抑えているのが高成長による生活水準向上と国力発展にあると考えているからだ。』

『建国の英雄だった毛沢東氏の死去後、最高指導者となった鄧小平氏は1978年に改革開放政策を採用し、外資導入を進めた。89年の天安門事件の混乱を経て、2001年の世界貿易機関(WTO)加盟で「世界の工場」の地位を確立した。

だが過去の高成長を支えた柱は外資による技術導入と安価な労働力だった。05年ごろには新興国で農村部での労働力の余剰がなくなって都市部への人口流入が減り、賃金上昇が始まる「ルイスの転換点」を超えたとされ、沿海部を中心に労働コストは急上昇した。15~64歳の生産年齢人口も13年をピークに減少に転じ、かつての2ケタ成長は見込めなくなった。

米国はデータ流通や半導体など重要分野で中国への技術流出を阻むなど経済面での封じ込めを探っており、外資導入にも不透明感が漂う。』

『08年のリーマン・ショック以降の経済成長は借金の拡大という「カンフル剤」で底上げされてきたのが実態だ。企業・家計・政府を合わせた債務残高の国内総生産(GDP)比は07年の142%から20年末に290%に上昇し、米国(296%)とほぼ肩を並べる。国有企業の債務不履行が続き、借金頼みの成長は限界に来ている。

長年取ってきた「一人っ子政策」の影響で少子高齢化も加速し、共産党系メディアも「総人口は22年にも減少に転じる可能性がある」と指摘する。中国の人口問題に警鐘を鳴らす米ウィスコンシン大学の易富賢研究員は中国の実質経済成長率が30年までに3.3%まで低下すると試算する。

高齢化で膨らむ社会保障費負担への備えは遅れ、不動産価格の高騰で持たざる若年層の不満も高まる。世代を問わずくすぶる体制批判の芽を摘もうと、習指導部は「開放」から「統制」へのシフトを加速する。』

『習指導部は自由こそがイノベーションの源泉と位置付ける米国に対し、国家主導の体制で挑もうとしている。だが中国を世界第二の経済大国に押し上げたのは、アリババなど米国の模倣もいとわずに激しい競争を繰り広げてきた民間のハイテク企業群でもあった。国家の管理を強めれば、潜在力を封じかねない。

国民の不満を経済で解消できなくなれば、香港や台湾への高圧姿勢のような対外強硬路線に人心掌握を頼らざるを得なくなる。100歳を迎える共産党の統治の行方は、世界も左右する大きな分岐点となる。』