台湾・香港に交流断絶危機 中国、公式ルートで強硬策

台湾・香港に交流断絶危機 中国、公式ルートで強硬策
出先機関で領事業務停止
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM210MB0R20C21A6000000/

『【台北=中村裕、香港=木原雄士】台湾と香港の関係が急速に悪化してきた。香港政府は5月中旬、台湾にある出先機関(領事館に相当)の業務を突如停止した。台湾が香港に置く出先機関にも圧力をかけ、7月末にも同機関の業務が事実上、停止される恐れが出てきた。「一つの中国」を唱える中国政府が、台湾と香港の公式ルートを分断する強硬策に出ている可能性が高い。』

『一連の動きについて、台中関係に詳しい専門家である王智盛・中華亜太菁英交流協会秘書長は「香港政府は色々な理由を付けているが、要するに中国政府は、香港やマカオが台湾と特別な関係にあってはならず、早期の統一を進めるべきだと考え、出先機関を停止させる動きに出た」と指摘した。さらに「7月1日に中国共産党は創立100年を迎え、このタイミングで動いてきた」と語った。』

『台湾企業は、香港に拠点が多い日本企業などと同様に、中国本土への投資に税務上や法務上のメリットから香港を活用するケースも多かった。20年6月時点で台湾企業の香港拠点は約360カ所に上る。台湾の銀行も香港に約70拠点を持つなど、台湾人の有力な資産運用先として、金融面での結びつきが強いことでも知られている。

中国側はこうした点を十分理解しており、貿易や投資など経済への影響は避けつつ、まずは政治的に台湾と香港の公式ルートを遮断する動きに出たものとみられる。

日本総合研究所の野木森稔・主任研究員は「中国が台湾への直接的な行動に出る代わりに、今回は香港を使って台湾に圧力をかけた。台湾と香港の関係は非常に強いだけに、経済でも一定の影響が今後出るだろう」と指摘する。』