インドと欧州を近づけた中国、「政冷経熱」の終焉

インドと欧州を近づけた中国、「政冷経熱」の終焉
アジア総局長 高橋徹
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM194GH0Z10C21A6000000/

『ところが中国が米国の覇権に挑戦し始めたいまは「政冷経冷」の時代に突入したようにみえる。今回のG7において対中国で米国と足並みをそろえた欧州もインドも、程度の差こそあれ、そうした潮流から無縁ではいられない。

中国は当然警戒する。EUとインドのFTA交渉再開について、中国共産党系の環球時報は「20年に中国は初めて米国を超えてEUの最大の貿易相手国になり、インドの最大の貿易相手国の地位も取り戻した。彼らが互いの地政学的利益のため、経済や通商で手を携えて中国との対決を選べば、損失が利益を上回るだろう」と論評した。

だが経済を政治から切り離すことなく、むしろ混然一体で利用する発想は、ほかならぬ中国自身が持ち込んだものだ。「安保=米国、経済=中国」でバランスをとってきたアジアに、両者一体で推し進める広域経済圏構想「一帯一路」を通じて影響力を行使してきた。新型コロナの発生源調査を主張した豪州には輸入制限などの露骨な経済報復に走った。習近平(シー・ジンピン)国家主席は、世界のサプライチェーンに中国依存を強めさせ、威嚇・報復力を高めるとまで口にしている。

政経分離の穏健論はもはや過去のものになった。ポストコロナ時代の米中新冷戦の主戦場となるであろうアジアは、新たな経済ブロック化のせめぎ合いの舞台ともなっていくのだろうか。

=随時掲載 』