〔「必ず帰って来られる」という思想…。〕

 ※「電動化」とか、「カーボンニュートラル」とかというお題目とは、対極の世界がここにはある…。

 ランクル14年振りの刷新 「ランクルじゃなきゃダメなんだ」世界で評価される理由
 https://www.itmedia.co.jp/business/articles/2106/14/news026.html

『実はミスターランクルみたいな名物エンジニアがいるのだが、彼と話していると、頻繁に出てくる言葉がある。それは「必ず帰って来られる」という言葉だ。ほんのわずかな油断が絶望的な状況を招くかもしれない「道」で、何があっても絶対帰って来られる性能を最大限に追求したクルマがランクルだ。彼はこう言う。

 「モデルチェンジする時、旧型で走れた場所が新型では走れないということは絶対にあってはいけないんです」

 村落の食料や生活必需品の輸送ルートが、ランクルにしか通れない「道」だけで結ばれている場合がある。そのクルマを買い換えた時、旧型でできたからと、いつものつもりで走って、走破できないとドライバーは死んでしまうかもしれない。だから絶対に限界性能は下げてはいけないと彼は強く訴えた。そのミスターランクルは、昨年定年を迎えて後進に道を譲った。図らずも100年に一度の改革のタイミングにである。』

『もっとスゴい話もある。1986年、アフリカ大陸中央部のチャドで起きた内戦のうち特定の時期を雑誌「タイム」は「トヨタ戦争」と名付けた。

リビアとの国境付近で起きた武力衝突で、反政府軍を応援するカダフィー率いるリビアはチャド併呑(へいどん)の目論見を成就すべく、チャド正規軍の殲滅(せんめつ)を狙って虎の子の戦車旅団を派遣した。まあ実態は崩壊間近の旧ソ連製のT-54、T-55戦車の中古で、整備不良のひどい代物だったとはいわれているが、その数実に300両。

普通に考えてチャド正規軍に勝機はない。それをひっくり返したのがランクルやハイラックスなどに機銃とロケットラウンチャーを備えた急造部隊400台だった。結果的にカダフィーは自慢の戦車部隊に大損害を受け撤退した。

チャド正規軍は、ランクルとハイラックスの圧倒的な機動性を生かして、戦車に対してヒットアンドウェイ攻撃を繰り返して走り去って行く。その後ろ姿に描かれた「TOYOTA」の文字がタイムのカメラマンによって象徴的に報道され、世界の人々を驚愕(きょうがく)させたわけだ。』