[FT]米共和党トランプ派議員、記録破りの資金調達

[FT]米共和党トランプ派議員、記録破りの資金調達
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『1月6日の米連邦議会議事堂襲撃事件を受けて、米企業が政治献金の中断や打ち切りに動くなかで、トランプ前大統領に忠実な共和党議員らが1~3月期に過去最高額の資金を集めた。

米連邦選挙委員会(FEC)が開示した最新報告によると、ジョシュ・ホーリー上院議員(ミズーリ州選出)、テッド・クルーズ上院議員(テキサス州)、マージョリー・テイラー・グリーン下院議員(ジョージア州)などの共和党議員が小口献金を中心に前…

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1月6日の米連邦議会議事堂襲撃事件を受けて、米企業が政治献金の中断や打ち切りに動くなかで、トランプ前大統領に忠実な共和党議員らが1~3月期に過去最高額の資金を集めた。

共和党員の間では、大統領選で敗れたトランプ氏への熱狂が今も続いている=ロイター
米連邦選挙委員会(FEC)が開示した最新報告によると、ジョシュ・ホーリー上院議員(ミズーリ州選出)、テッド・クルーズ上院議員(テキサス州)、マージョリー・テイラー・グリーン下院議員(ジョージア州)などの共和党議員が小口献金を中心に前年同期を大きく上回る選挙運動資金を集めた。

ホーリー氏の調達額は前年同期の約12万ドルから300万ドル超に急増。クルーズ氏は同160万ドルから360万ドルに増やした。両氏とも再選を目指す選挙を迎えるのは2024年だ。

一方、陰謀論を支持したとして2月に下院の2つの委員会から除名されたグリーン氏は320万ドルを調達。1期目の女性下院議員としては驚異的な額となった。

未成年者の性的人身売買に関与した疑いで捜査を受けているマット・ゲイツ共和党下院議員(フロリダ州)も180万ドルを調達。同じくトランプ氏の盟友であるジム・ジョーダン下院議員(オハイオ州)は前年同期の約3倍に上る210万ドルを集めた。

トランプ氏の元報道官で11月のアーカンソー州知事選に出馬予定のサラ・ハッカビー・サンダース氏は480万ドルを集めたと公表した。同州での選挙資金調達額としては過去最高となる。同氏の陣営によると、献金の約75%は州外から寄せられた。同氏はトランプ氏が大統領退任後に設立した政治活動委員会(PAC)「セーブ・アメリカ」から最初に支持を得た政治家だ。

強まる小口献金者の影響

こうした選挙献金の多さはトランプ氏の支持層と共和党の各地域支援者による熱狂が今も続いていることを明確に示している。また、バイデン次期大統領を認定する会議を開いていた連邦議会に乱入し5人の死者を出した議事堂襲撃事件をめぐり企業が政治献金を見合わせるなかで、小口献金者の影響が強くなっていることも物語る。

フェイスブックやマイクロソフト、JPモルガン・チェースなど米国の大企業や有力ロビー団体の全米商工会議所は、トランプ支持者が主導した1月6日の暴動を批判して政治献金の停止や見直しを表明した。

バイデン氏の大統領選勝利認定に異議を唱えた共和党議員にのみ献金しないとした企業もあったが、その約束を反故(ほご)にする企業も出ている。

だが最新の報告によると、共和党が小口献金調達サイト「ウィンレッド」などから企業献金の減少分を上回る個人献金が共和党の親トランプ派政治家に流れ込んでいる。ホーリー、クルーズ、グリーン、ゲイツ、ジョーダン各氏はいずれもバイデン氏の大統領選勝利の認定に反対票を投じた。

同報告を分析すると、21年には主要な選挙がないのに、米国の政治資金が増加傾向にあることもわかる。米国の次の大きな政治イベントは22年の中間選挙で、下院435議席の全てと上院100議席の3分の1が改選され、多くの州知事選も行われる。

共和党内反トランプ派議員への献金は減少

さらに、共和党内の反トランプ派議員のなかには、トランプ氏を批判する一方で献金を増やしていた事例が少数あったとFECの報告は伝えている。

1月6日の議事堂襲撃事件におけるトランプ氏の役割をめぐり、同氏の弾劾に賛成票を投じた共和党下院で最も格上の女性議員リズ・チェイニー氏(ワイオミング州)は1~3月期に150万ドル超の資金を集めた。同じく弾劾に賛成し、反トランプ派の共和党候補の活動資金を調達するPACを立ち上げたアダム・キンジンガー下院議員(イリノイ州)は、他の共和党政治資金団体からの移転分を含めて110万ドルを調達した。

だが、上院の弾劾裁判で有罪を支持した7人の共和党議員も含めて、トランプ氏への忠誠心の薄さが献金の減少につながらなかった反トランプ派共和党議員はチェイニー、キンジンガー両氏のほか一握りにとどまった。

22年に改選を迎えるリサ・マカウスキ上院議員(アラスカ州)の1~3月期の資金調達額は約37万9000ドル。26年まで選挙がないベン・サス上院議員(ネブラスカ州)は13万ドルに届かなかった。ミット・ロムニー上院議員(ユタ州)は約7万5000ドルだった。

1~3月期の資金調達額の多さをみると、22年中間選挙の活動資金が過去最高水準に達する可能性が高く、共和党が「ウィンレッド」を通じて小口献金の収集力で民主党に迫りつつある状況が読み取れる。民主党は最近、主要選挙のたびに小口献金サイト「アクトブルー」を経由して巨額の資金を集めている。

FECの最新報告によると、民主党は1~3月期も大量の献金を受けた。

1月に南部ジョージア州で行われた上院2議席をめぐる決選投票の一つを僅差で制した民主党のラファエル・ウォーノック議員は、前任者の任期を引き継ぐ補欠選挙での当選だったため、22年中間選挙で改選を迎える。報告書によると、同氏は1月26日~3月31日の間に450万ドル超の資金を集めた。

ジョージアと同様に民主・共和両党の勢力が拮抗するアリゾナ州で20年に補欠選挙を制したマーク・ケリー民主党上院議員も、22年の改選となる。同氏は1~3月期に440万ドル超の献金を受けたと公表している。

By Christine Zhang & Lauren Fedor

(2021年4月17日付 英フィナンシャル・タイムズ電子版 https://www.ft.com/

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