エクアドル次期大統領に親米右派 中国警戒論を公言

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『【サンパウロ=外山尚之】南米の産油国エクアドルの次期大統領に元銀行頭取で右派のギジェルモ・ラソ氏(65)が決まった。ラソ氏は対中警戒論者として知られ、中国の債務増加を懸念していた。中国と米国が中南米地域での影響力を競う中、バイデン政権には追い風となる。

ラソ氏は11日の大統領選決選投票で52%の得票を獲得し、当選した。5月24日に就任し、任期は4年。事前の世論調査では低所得者層への現金給付策など大…

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事前の世論調査では低所得者層への現金給付策など大衆迎合的な政策を掲げる左派の経済学者アンドレス・アラウス元知識・人的能力調整相(36)がリードしていたが、元銀行頭取の経歴を生かしたラソ氏が雇用の創出など経済再建を重視した政策をアピールし、逆転勝利した。

ラソ氏は選挙期間中、「米国と新たな自由貿易協定(FTA)と投資協定を結ぶ」と述べるほか、新型コロナウイルスのワクチンの確保でも米国に協力を要請する方針を示すなど親米的な姿勢を鮮明にしていた。一方、中国に対しては債務問題などを理由に厳しい姿勢で知られ、2020年にはエクアドルの排他的経済水域(EEZ)付近で中国漁船が操業を繰り返していると非難、現政権に対し、駐エクアドル中国大使に抗議すべきだと強硬論を展開した。

エクアドルは07年から17年まで続いた反米左派のコレア前政権の下、中国と接近。国際通貨基金(IMF)など国際機関との関係が悪化する中、対中債務を膨らませた。21年1月時点で中国向けの債務は51億ドル(約5580億円)で、2国間債務の約7割を占める。

債務の一部は原油で支払う契約となっており、市場価格に対し1バレルあたり3~4ドル安い価格で提供する必要がある。中国への債務が膨らむ中、同国最大の外貨獲得の手段である原油輸出を制限される事態を招いていた。

融資と引き換えに天然資源を担保にとる「債務のわな」問題にはまりつつあったエクアドルに対し、モレノ現政権の下で2国間関係の改善を進めていた米国は資金提供で自陣営に引き込もうと動いてきた。1月には次世代通信規格「5G」から中国の華為技術(ファーウェイ)の排除を条件に、政府系金融機関の米国際開発金融公社(DFC)を通じ、中国に比べ低い金利で35億ドルの融資を決定したばかりだった。

駐エクアドル米国大使館は12日、フィッツパトリック大使が次期大統領となったラソ氏と電話会談し、「両国の共通の目標に向かい、ともに働くことを期待している」と伝えたと明らかにした。

南米大陸では19年にアルゼンチン、20年にボリビアでそれぞれ親米政権からの政権交代が起こり、中国との関係を重視する左派政権が誕生している。新型コロナの感染拡大を契機に中国はワクチン外交を展開しており、中国の存在感は日増しに大きくなっていた。