[FT]米国債市場、22年米利上げを織り込み始める

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『米国の経済が回復歩調を速めるなか、市場では米連邦準備理事会(FRB)が来年にも利上げに踏み切るとの見方を織り込み始めた。しかしアナリストの間では、利上げ時期を早めるのは「前のめり」過ぎると警告する声も出ている。

最近のデータでは労働市場が力強い回復を示し、先行指標もサービス業と製造業の両方で急速な(景気の)伸びを示していることから、米国の中央銀行であるF R Bがゼロに近い政策金利を想定よりも早い…

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最近のデータでは労働市場が力強い回復を示し、先行指標もサービス業と製造業の両方で急速な(景気の)伸びを示していることから、米国の中央銀行であるF R Bがゼロに近い政策金利を想定よりも早い時期に解除するとの見方がトレーダーの間では強まっている。
市場の金利予想を示す指標として注目されるユーロドル金利先物相場は現在、F R Bが2022年末までに利上げを開始し、24年初めまでに3回の追加利上げを実施することを予測している。これは、F R Bが最近、少なくとも24年まではゼロ金利政策を維持すると示唆したこととは対照的である。

「経済成長見通しを受けて、市場がF R B(の予測)が示すよりも早期の利上げを織り込むことは理にかなっているが、22年は早過ぎるように見える」と米運用会社プリンシパル・グローバル・インベスターズのチーフストラテジスト、シーマ・シャー氏は語る。「F R Bは経済の過熱を放置する意図を非常に明確に伝えている」

F R Bはインフレについて、長期にわたる政策目標値2%を下回る期間が長引いたのを埋め合わせするため、一時的に2%を超えることを容認する新しい政策指針を公約しており、少なくとも23年まではゼロ金利を維持するとシャー氏は予想する。

市場予測の行き過ぎを指摘する関係者も

バークレイズのマネジング・ディレクターであるアシュー・プラドハン氏も、F R Bが物価目標を上回るインフレを受け入れ、最大雇用の実現を目指していることを考慮すると、市場が現在予測する利上げ時期は「前のめりすぎる」と反論する。

21兆ドル(約2300兆円)規模の米国債市場は、F R Bによる利上げ時期の予想が変化するのに連動して揺れ動いている。景気回復の潜在的な力強さとそれがFRBの政策に与える影響に投資家が真剣に向き合い始めて以降、利回りは年初から急上昇(債券価格は下落)している。

中でも金利が過剰に上昇しているのが長期債だ。指標である10年物の利回りは、1月の0.9%から先月には1.78%まで上昇した。その後は1.66%まで低下している。債券の利回りは、価格が下がると上昇する。

最近ではF R Bの今後の政策運営に左右されやすい短めの期間の米国債も大きく売られている。

24年までの利上げ保留の見方も

5年物米国債利回りは5日、1%近くにまで上昇した後、やや下落した。プラドハン氏は買いのチャンスだとの見方を示す。同氏は投資家に対して5日、F R Bが利上げを検討する前に、雇用と物価安定の目標においてまだかなりの進展が必要であると指摘し、5年物の価格が上昇するとの見方をするよう推奨した。

TDセキュリティーズの金利ストラテジストも同じような見解を示した。市場は「F R Bによる早期利上げを過剰に織り込んでいる」とし、FRBは最終的には24年9月まで利上げを保留するだろうと主張した。

米運用大手ヌビーンのチーフ・インベストメント・ストラテジストのブライアン・ニック氏は、F R Bが月1200億ドルの資産購入をしている量的緩和策の縮小にどのように着手するかが、F R Bが最終的にいつ利上げに踏み切るかの手掛かりになるだろうと言う。FRBは金利変更のかなり前に量的緩和の縮小(テーパリング)を完了する傾向があるからで、現在の見通しを踏まえると、ニック氏は23年まで利上げはないとみている。

ニック氏は、米連邦公開市場委員会(FOMC)のドット・プロット(FOMC参加者によるFF金利予測の分布図)の変化も投資家に(利上げのタイミングについて)再考を促す可能性があると述べた。前回3月の会合では、昨年12月の会合に比べて、早期の利上げを予想する委員の数が増えた。見通しが更新される次回6月の会合で、その数がさらに増えれば、F R Bは「居心地悪い」立場に置かれることもあり得ると付け加えた。

「どこかの時点では、少しばかり修正を迫られるであろう」

By Colby Smith

(2021年4月7日付 英フィナンシャル・タイムズ電子版 https://www.ft.com/

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