エクアドル大統領選、左派候補が優勢 IMFに反発

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『【サンパウロ=外山尚之】南米の産油国エクアドルで11日に予定されている大統領選の決選投票で、現政権が国際通貨基金(IMF)との間で合意した財政再建案に反対する左派候補が優位に選挙戦を進めている。結果次第ではIMF主導の財政再建が進まなくなる懸念がある。

調査会社ペルフィレス・デ・オピニオンが3月下旬に発表した世論調査によると、反米左派のコレア前大統領の後継者で経済学者のアンドレス・アラウス元知識・…

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調査会社ペルフィレス・デ・オピニオンが3月下旬に発表した世論調査によると、反米左派のコレア前大統領の後継者で経済学者のアンドレス・アラウス元知識・人的能力調整相(36)が38%の支持率を獲得。元銀行頭取のギジェルモ・ラソ氏(65)を一歩リードしている。

エクアドルは2007~17年のコレア前政権が、原油輸出で得た富を低所得者層に分配したり公共投資に充てたりして高成長に導いた。一方で原油価格の下落も相まって政権後半は財政収支と経常収支の「双子の赤字」が定着し、深刻な財政悪化を招いた。

17年の大統領選で当選したモレノ大統領は財政の立て直しに着手。燃料補助金の削減などを進めたほか、19年には一部の国民の反発を押しきって、IMFからの融資で合意した。

20年には新型コロナウイルスの感染拡大を受け、国債の利払いを停止。一時的にデフォルト(債務不履行)状態になったものの、債権者団との交渉で債務削減に成功した。また、IMFから支援を受けながら財政再建の道筋をたてた。

アラウス氏はモレノ氏が進めたIMF主導の財政再建案に反発する。スペイン国営通信EFEが実施したインタビューで、アラウス氏は「モレノ政権とIMFなどの間で交わされた契約は履行しない」と明言。付加価値税(VAT)の増税や公共支出の削減など、IMFが求める財政再建策を「過酷で経済成長に寄与しない」と切り捨てている。

アラウス氏は3月には「我々の政府の間、燃料価格は固定される」と述べ、財政赤字の要因となった燃料補助金の復活を掲げる。また外貨準備を取り崩して低所得者に月額最低賃金の2.5倍に相当する1000ドル(約11万円)を配ると予告するなど、バラマキ色の濃い政策を掲げる。

南米では近年、左派政権がIMFと対立するケースが増えている。アルゼンチンでは19年に発足した左派政権が前政権時に実施された融資を巡りIMFと対立。20年に左派政権が誕生したボリビアでも、前暫定政権が新型コロナウイルス対策としてIMFから受け取った緊急融資を返すと2月に発表があったばかりだ。新興国にとって「最後の貸し手」であるIMFとの関係悪化で財政赤字の拡大に歯止めがかからなくなれば、中長期的に経済にとって重荷となる。