エクアドル大統領選、左派候補が優勢 IMFに反発

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN05CF70V00C21A4000000/

『【サンパウロ=外山尚之】南米の産油国エクアドルで11日に予定されている大統領選の決選投票で、現政権が国際通貨基金(IMF)との間で合意した財政再建案に反対する左派候補が優位に選挙戦を進めている。結果次第ではIMF主導の財政再建が進まなくなる懸念がある。

調査会社ペルフィレス・デ・オピニオンが3月下旬に発表した世論調査によると、反米左派のコレア前大統領の後継者で経済学者のアンドレス・アラウス元知識・…

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調査会社ペルフィレス・デ・オピニオンが3月下旬に発表した世論調査によると、反米左派のコレア前大統領の後継者で経済学者のアンドレス・アラウス元知識・人的能力調整相(36)が38%の支持率を獲得。元銀行頭取のギジェルモ・ラソ氏(65)を一歩リードしている。

エクアドルは2007~17年のコレア前政権が、原油輸出で得た富を低所得者層に分配したり公共投資に充てたりして高成長に導いた。一方で原油価格の下落も相まって政権後半は財政収支と経常収支の「双子の赤字」が定着し、深刻な財政悪化を招いた。

17年の大統領選で当選したモレノ大統領は財政の立て直しに着手。燃料補助金の削減などを進めたほか、19年には一部の国民の反発を押しきって、IMFからの融資で合意した。

20年には新型コロナウイルスの感染拡大を受け、国債の利払いを停止。一時的にデフォルト(債務不履行)状態になったものの、債権者団との交渉で債務削減に成功した。また、IMFから支援を受けながら財政再建の道筋をたてた。

アラウス氏はモレノ氏が進めたIMF主導の財政再建案に反発する。スペイン国営通信EFEが実施したインタビューで、アラウス氏は「モレノ政権とIMFなどの間で交わされた契約は履行しない」と明言。付加価値税(VAT)の増税や公共支出の削減など、IMFが求める財政再建策を「過酷で経済成長に寄与しない」と切り捨てている。

アラウス氏は3月には「我々の政府の間、燃料価格は固定される」と述べ、財政赤字の要因となった燃料補助金の復活を掲げる。また外貨準備を取り崩して低所得者に月額最低賃金の2.5倍に相当する1000ドル(約11万円)を配ると予告するなど、バラマキ色の濃い政策を掲げる。

南米では近年、左派政権がIMFと対立するケースが増えている。アルゼンチンでは19年に発足した左派政権が前政権時に実施された融資を巡りIMFと対立。20年に左派政権が誕生したボリビアでも、前暫定政権が新型コロナウイルス対策としてIMFから受け取った緊急融資を返すと2月に発表があったばかりだ。新興国にとって「最後の貸し手」であるIMFとの関係悪化で財政赤字の拡大に歯止めがかからなくなれば、中長期的に経済にとって重荷となる。

金正恩氏「苦難の行軍」を決心 党会議で発言

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM091LJ0Z00C21A4000000/

『【ソウル=恩地洋介】北朝鮮の朝鮮中央通信は9日、金正恩(キム・ジョンウン)総書記が8日の党会議で、出席した党の末端組織の幹部らに「より厳しい『苦難の行軍』を行うことを決心した」と述べたと報じた。経済制裁の長期化と新型コロナウイルスによる中朝貿易の中断で経済が苦境に陥るなか、内部の引き締めを図ったとみられる。

「苦難の行軍」は経済難に見舞われた1990年代に、父の故金正日総書記が危機克服のために使ったスローガンだ。金正恩氏は「我々の前進途上には多くの隘路(あいろ)と難関が横たわっている。闘いは平たんではない」とも訴えた。

報道によると、6日から朝鮮労働党の末端幹部による「細胞書記大会」が平壌で開かれ8日に閉会した。

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韓国外交、遠のく懸案打開 政権のレームダック化で

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM083L20Y1A400C2000000/

『【ソウル=恩地洋介】韓国二大都市の市長選で政権与党が惨敗し、文在寅(ムン・ジェイン)政権の外交にも影響が出そうだ。不動産政策などへの国民の不満の高まりを受けて政権は当面、内政の立て直しに集中せざるをえない。来春の退任を前に早くも政権のレームダック(死に体)化が進めば、世論の反発などのリスクを伴う外交的な決断がさらに困難になるのは必至だ。

韓国の文在寅大統領。マスクには「不動産腐敗清算」とプリントされている=聯合・共同
文大統領は8日、選挙結果を踏まえ「国民の叱責を厳重に受け止める。国民の切実な要求の実現へまい進する」と述べた。韓国大統領府関係者は、新型コロナウイルスの影響で落ち込む経済の回復や、高騰する不動産価格への対応が優先課題だとの認識を示した。

任期満了まで約1年となるなか、北朝鮮との融和路線を再び軌道に乗せる文氏の外交プランはそもそも行き詰まっていた。北朝鮮は夏に開く東京五輪への不参加を決め、文政権が構想した東京での南北首脳会談は絶望的となった。

それでも文氏は北朝鮮との対話を模索し、中国とも関係を改善する外交を展開しようとしている。ただ、米中対立の行方や北朝鮮の出方に翻弄される余地は大きい。

文政権の支持率が低下し求心力が落ちると、政権運営は与党の声に左右されやすくなる。知日派として知られる与党「共に民主党」の李洛淵(イ・ナギョン)前代表は8日、党内で選挙敗退の責任を追及する批判にさらされた。李氏は次期大統領選への出馬をにらみ、選挙戦直前に代表を辞任した。

李氏は日韓関係の改善を唱えてきたが、党の主流派には日米韓協力よりも南北融和を重視する議員が多い。日本に譲歩姿勢を見せないよう求める動きが強まる可能性もある。韓国裁判所が日本政府に賠償を命じた元慰安婦訴訟は、今月21日に2件目の判決が予定されている。再び賠償判決が出れば、韓国政府はますます解決策を講じるのが難しくなる。

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与党惨敗「ポスト文」混沌 韓国与野党、再編含み

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM082O70Y1A400C2000000/

『【ソウル=恩地洋介】7日のソウル、釜山両市長選で保守系野党が圧勝し、韓国政治の焦点は次期大統領選に向けた候補者選びへと移った。政権与党内では「保守に勝てる候補」を巡る攻防が激しくなり、野党は文在寅(ムン・ジェイン)政権と対立した尹錫悦(ユン・ソクヨル)前検察総長の擁立を探る。

革新系与党「共に民主党」の執行部は8日、敗北の責任をとって総辞職した。選対委員長を務めた李洛淵(イ・ナギョン)前代表はフェイスブックに「私の責任が大きい」と投稿した。李洛淵氏は党の大統領選レースから脱落の危機にある。

選好度で先頭を走るのは京畿道の李在明(イ・ジェミョン)知事だが、党の主流派である親文在寅派との折り合いが良くない。親文派には有力候補と目される人物がおらず、李在明氏の人気に乗るか、別の候補を立てるかが焦点だ。

動向に注目が集まっているのが丁世均(チョン・セギュン)首相だ。大統領選に集中するため、近く首相を辞任するとの観測もある。候補を決める党内選挙は9月に予定しているが、本命候補が見当たらない親文派からは延期論も上がる。

長く低迷していた保守系野党「国民の力」は、約5年ぶりの主要選挙の勝利に沸く。6月の党大会で新たな代表を選ぶが、国民的な人気のある人物の不在は致命的だ。8日付の保守系紙・朝鮮日報は「国民は野党に政権を任せる能力があるか疑問を拭えずにいる」と論評した。

独自候補を立てた後で前検察総長の尹氏との一本化を模索する構想がある。首都圏の有権者をひき付けようと、中道野党「国民の党」の安哲秀(アン・チョルス)代表との合流を優先する政党再編を唱える声も出ている。

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南沙諸島に中国船停泊1カ月 フィリピン、対応に苦慮

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM055KS0V00C21A4000000/

『【マニラ=志賀優一】中国とフィリピンなどが領有権を巡って争っている南シナ海の南沙(英語名スプラトリー)諸島のサンゴ礁周辺で、1カ月にわたり中国船が停泊を続けている。隣接するフィリピンは当該海域が同国の排他的経済水域(EEZ)だと主張し、米国とともに中国の行動を非難した。ただ、ドゥテルテ大統領は通商などで依存する中国との友好関係を保ちたい考えで、対応にはぶれも目立っている。
3月23日、ウィットサン礁の人工衛星写真=マクサー・テクノロジーズ、ロイター

「長引く中国船の停泊は明らかにフィリピンの主権を侵害している」。5日、フィリピン外務省は中国を非難した。ロレンザーナ国防相も中国船の「即時退去」を何度も要求し、連日、戦闘機を派遣すると表明した。
3月27日、南沙諸島で停泊を続ける中国船=フィリピン沿岸警備隊提供・ロイター

一方、中国政府は船は「漁船」で停泊は「嵐からの避難」だと主張するが、現地の天候は安定しており、この海域の実効支配を強める戦略の一環である可能性がある。中国外務省の趙立堅副報道局長は6日、「フィリピンは理由のない宣伝を直ちにやめ、両国関係と南シナ海の安定にマイナスの影響を及ぼさないようにすべきだ」と語った。

フィリピン政府は3月7日に西部パラワン島バタラザから西約324キロメートルにある南沙諸島のサンゴ礁周辺に中国船220隻が停泊しているのを発見した。複数回の巡察により3月末時点でも同じ場所に40隻以上とどまっており、さらに周辺の岩礁や島周辺にも中国船が停泊していることがわかった。

2012年にも、両国はフィリピンのルソン島西側に位置するスカボロー礁(中国名・黄岩島)の領有権を巡り対立した。米国が仲介に入り、双方の公船を退去させることでいったんは合意した。しかし中国は居座りを続け、当時のオバマ米政権もこれを事実上黙認。中国はスカボロー礁の実効支配を既成事実化した。

海上輸送の要衝でもある南シナ海では中国が独自の境界線「九段線」を主張する。この主張を巡り、オランダ・ハーグの仲裁裁判所は16年、フィリピンの訴えを審理し国際法上根拠がないと認定した。しかし中国は判決を受け入れず、自国防衛の「第一列島線」の一部として軍事拠点化を進めている。

これに対し、米国は自国艦船による「航行の自由作戦」でけん制を図る。南シナ海は米中対立の最前線となっている。サリバン米大統領補佐官(国家安全保障担当)は3月末、フィリピン側との電話協議で、同国の立場を支持する考えを伝えた。

ただ、当のフィリピンは対中強硬一辺倒ではいられない。ロクシン外相はツイッターで「私たちは法に基づいている」「(当該海域は)我々のものだ」などと発信を続ける一方で、4月2日には中国の王毅外相の招きに応じ、訪中した。中国メディアはロクシン氏が2国間の関係発展への期待を語ったと伝えた。

背景にあるのが、経済面の中国依存だ。20年のフィリピンの輸出総額のうち、中国と香港を合わせると全体の29.3%を占め、日本(15.5%)や米国(15.2%)を大きく上回る。対中輸入は23.2%と他国・地域を引き離す。投資や観光客の受け入れでも中国の存在感は年々高まっている。

フィリピンでは3月、中国から無償提供された科興控股生物技術(シノバック・バイオテック)製の新型コロナワクチン投与が始まった。29日には同社製ワクチン100万回分の到着を、ドゥテルテ氏や駐フィリピン中国大使らが並んで見届ける式典も開かれた。

4月6日の声明で、ドゥテルテ氏は中国船問題についての沈黙を破り「両国の友好関係やワクチン、コロナ後の経済回復を含む協力への障害にはならない」と融和姿勢を鮮明にした。

亜細亜大学の伊藤裕子教授は「フィリピンは領有権問題で揺さぶられても、経済面やコロナ対策で中国との関係を維持せざるを得ない立場にある」と指摘する。

「海上民兵」、中国共産党が指導 対外工作の先兵か

中国は領有権を主張する海域に民兵を派遣してきた(写真は12年、尖閣諸島周辺)=海上保安庁提供・ロイター

【北京=羽田野主】南シナ海の南沙(英語名スプラトリー)諸島での中国船停泊を巡り、フィリピン政府は中国の「海上民兵」が乗船していると指摘する。中国側はこれを否定するが、1カ月にわたる海域での「漁船の避難」は異例で、中国共産党が指導する作戦の一環との見方は拭えない。

中国国防法は民兵を人民解放軍、海警局を傘下に置く人民武装警察部隊(武警)とならび中国の武装力の一角と明確に位置づけている。中国共産党の習近平(シー・ジンピン)総書記がトップを務める軍の最高意思決定機関である中央軍事委員会の指導を受ける。

人民解放軍の機関紙、解放軍報によると、2010年時点で基幹となる民兵は600万人いるとされる。民兵の多くは経験豊富な退職軍人らが占める。戦時は正規軍との合同作戦や独自作戦などに従事し、平時は後方支援や社会秩序維持などを担当する。

民兵の予算は国防費に含まれる。07年時点で83.59億元(日本円で約1400億円)で、当時の国防費の2.35%を占める。21年の国防費は07年の4倍近く、民兵の予算も膨張しているとみられる。

民兵のなかでも海上民兵は漁民や離島住民や港湾関係者らにより組織される。海軍で訓練を受け武装している可能性もある。軍や海上保安機関といった位置づけがあいまいで、外国政府の機関が取り締まりにくいとの指摘がある。

中国は領有権を主張する海域に積極的に民兵を派遣してきた経緯がある。日本政府関係者は「16年8月に尖閣諸島(中国名・釣魚島)周辺海域に中国漁船が大量に集まったときも海上民兵が乗っていた可能性が高い」と話す。

海上民兵が乗る漁船には中国独自の衛星測位システムが搭載されていて、中国海警局などと連携を取りながら統一行動をとっているとの指摘もある。中国の主張を既成事実化する「先兵」としての役割を担っている可能性がある。

多様な観点からニュースを考える

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岩間陽子のアバター
岩間陽子
政策研究大学院大学 政策研究科 教授
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別の視点

これは本当に対処が難しい。いつ、日本近海で起こってもおかしくない事態。

他方、フィリピン政府が望む以上のエスカレーションをしても、迷惑をかけるだけです。背景にはアジアでの米中軍事バランスが完全に中国有利になっている現状があり、そこにしっかり対処しない限り、「言葉の戦争」だけ続けても、外交的な出口は見出せないでしょう。

また、ワクチン戦争で日本が完全に戦力外になってしまった現状は、日本自身の安全保障問題です。ワクチン製造能力がない国は、特定の種類の攻撃に対して脆弱です。一定の緊急時には、既存の手続きを変更して猛スピードでワクチン開発・認可・製造ができる法的枠組みを整備する必要があります。

2021年4月8日 19:01
鈴木一人のアバター
鈴木一人
東京大学 公共政策大学院 教授
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別の視点

船を横につけてその規模を誇るのは「赤壁の戦い」で痛い目にあっているはずなのだが、それでもこうやって存在を誇示する手法を使うのは、おそらくフィリピン相手なら火をつけることはないだろうという見通しがあるのだろう。

しかし、こうした「居座り」戦術が一般化してくると、今後、東シナ海でも似たような手を使ってその存在を既成事実化し、領域の主張をしてくる可能性がある。

中国は国際法上の合法性を無理やりこじつけながら、大胆なことをやってくるというパターンがここでもみられる。
2021年4月8日 18:43 』

シンガポール、与党の長期安定支配に揺らぎ リー首相の後継候補、突然の辞退表明

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM08CRU0Y1A400C2000000/

『【シンガポール=中野貴司】次の首相就任が確実視されていたシンガポールのヘン・スイキャット副首相兼財務相が8日、突然後継を辞退すると表明した。与党・人民行動党(PAP)は2020年7月の総選挙でも得票率が過去最低に近い水準に低迷するなど、かつては盤石だった政権運営に揺らぎが生じていた。国民の信任を得られる次のリーダーを早急に選ばなければ、与党離れが一段と進みかねない。

「私は今年、60歳になる。より…

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「私は今年、60歳になる。より若い政治家が将来の課題に対応するのが最も国益にかなう」。ヘン氏は8日の記者会見で、年齢が後継辞退の理由だと説明した。確かにヘン氏は16年に脳卒中で倒れるなど、健康が不安視されていた時期もあった。ただ、今は完全復帰しているほか、隣国のマレーシアでは18年に、当時92歳のマハティール氏が首相に復帰した事例もある。シンガポールでは政権・与党内の水面下の権力を巡る綱引きが表に出ることはまれなため、真相は見えない。

ヘン氏がリー・シェンロン現首相の後継の座を固めたのは、18年11月にPAP内で書記長のリー氏に次ぐ書記長第1補佐の地位を射止めた時だった。この時、ヘン氏と同じ「第4世代」に属する若手閣僚らは、ヘン氏を支持する方針を一斉に表明。リー氏も「若手閣僚たちが数カ月間の議論の末、ヘン氏が次のリーダーにふさわしいとの結論に達した」と述べ、皆の総意で選出したという構図を演出した。

官僚出身で2011年に政界に転身したヘン氏には常に経験不足との懸念がつきまとった。政治家としてカリスマ性に欠けるとの指摘もあった。第4世代が集団でヘン氏を支えるという演出はこうした懸念を払拭する目的があった。ヘン氏は19年に副首相に昇格。20年の総選挙では野党候補相手に得票率を伸ばせず、辛勝に終わったものの、副首相に留任した。リー氏とPAPは一度敷いたレールを変えることはせず、総選挙後の焦点はいつヘン氏にバトンを渡すかの一点に絞られていた。それが8日の発表で、リー氏の後継選びは白紙に戻った。

次の首相候補の1人に浮上するチャン・チュンシン貿易産業相=ロイター

ヘン氏に代わる後継候補に浮上するのはチャン・チュンシン貿易産業相やオン・イエクン運輸相、ローレンス・ウォン教育相らだ。いずれも50歳前後とヘン氏より一回り若く、「ヘン首相」が誕生した際には政権の中枢を占めるとみられていた政治家だ。ただ、04年に首相に就任する前の14年間、副首相として経験を積んだリー氏に比べれば、政治家としてのキャリアは格段に浅い。誰が選ばれても、ヘン氏の場合と同様、経験不足の不安を指摘され続けることになる。

「建国の父」である故リー・クアンユー氏が初代の首相だった時代には、全議席を独占していたこともあったPAPだが、直近の20年7月の総選挙では得票率が61.2%まで下がり、野党の労働者党(WP)に議席増を許した。加えて、今回のヘン氏の突然の辞退表明は国民にPAPの将来に疑念を抱かせる要因となる。WPは40代のプリタム・シン書記長の下で責任ある野党を掲げ、支持層の拡大をはかっている。次の総選挙での一段の退潮を是が非でも回避する必要のあるPAPにとって、リー現首相に代わる顔になれるリーダーの選出と新リーダーを支える集団指導体制を早急に固める必要がある。

PAP政権にとって、懸念は内政だけではない。バイデン米政権発足後も米中の対立は続き、中立を維持してきたシンガポールは米中の間で選択を迫られる圧力に直面している。こうした難局にもかかわらず、リー氏以外に国際的に知名度があり、大国の首脳と渡り合った経験のある現役政治家は見あたらない。

1965年の独立以来、シンガポールの首相に就いたのは2代目のゴー・チョクトン氏を含め、3人しかいない。PAPの一党支配と首相の長期在任は親ビジネスの政策を継続する上でプラスに働いてきたが、周到に描いたはずの権力の継承が計画通りいかなければ、途端にもろさを露呈する。後から振り返れば、今回のヘン氏の挫折がシンガポール政治にとっても転換点だったと位置づけられる可能性がある。

G7時に「日米豪印」案 首相、対中で協調急ぐ

G7時に「日米豪印」案 首相、対中で協調急ぐ
GWにインド・フィリピンを訪問へ
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA071HP0X00C21A4000000/

『政府は6月の主要7カ国首脳会議(G7サミット)にあわせて日本、米国、オーストラリア、インドの「Quad(クアッド)」首脳が会談する案を検討する。菅義偉首相は4月中旬の訪米後、大型連休中にインドとフィリピンを訪れる方針だ。中国の台頭を念頭にインド太平洋地域で協調拡大に動く。

クアッド4カ国は3月、初の首脳協議をオンライン方式で実施した。共同声明で中国の名指しは避けたものの、東・南シナ海の問題に触れ「…

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共同声明で中国の名指しは避けたものの、東・南シナ海の問題に触れ「ルールに基づく海洋秩序に対する挑戦に対応する」と明記した。

4カ国の首脳は「年内に会おう」と確認した。6月のG7サミットは議長国を務める英国の招待でG7メンバーに含まれていない豪印や韓国も参加する。G7に合わせる形でクアッドの首脳会談を設定すれば日程を調整しやすい。

会談が実現すれば途上国への新型コロナウイルスのワクチン普及や、先端技術、気候変動で、共同での取り組みの具体策を進める。日米豪印には中国が世界で展開する「ワクチン外交」やサプライチェーン(供給網)作りへの警戒がある。

G7に先立ち、首相はインドを訪れてモディ首相と対面で会談する方向で調整する。海洋安全保障やインフラ整備での協力を広げると確認する。

インドには伝統的に「非同盟」の立場で等距離外交を展開してきた関係で中国との対立軸づくりに慎重な姿勢がある。日印の首脳間で連携を深め、クアッド首脳会談の早期開催に向け道筋をつける狙いがある。

日印の対面でのトップ会談は国際会議にあわせた機会を除けば、2018年10月に当時の安倍晋三首相がモディ氏を山梨県の別荘に招いて以来となる。

モディ氏は3月に菅首相と電話協議した際、インドに招待する意向を示していた。感染状況を見極め、相互訪問のシャトル外交を再開する。

首相はインド訪問にあわせてフィリピンも訪ねる。ドゥテルテ大統領とも初めて対面で会談する。

首相は昨年秋の就任後初の外国訪問先にベトナムとインドネシアを選んだ。フィリピンで東南アジア諸国連合(ASEAN)加盟国として3カ国目となる。

いずれの国々も南シナ海の領有を巡って中国との懸案をもつ。フィリピンは南シナ海にある同国の排他的経済水域(EEZ)に多くの中国漁船が停泊する問題を巡り、対立が鮮明になってきた。

フィリピンのドゥテルテ氏はこれまで中国との経済関係を重視し、南シナ海問題を棚上げにしてきた経緯がある。首相はドゥテルテ氏との会談で、国際法に背く海洋進出を強行する中国への懸念を共有する。

ベトナムも南シナ海で中国公船の侵入が続く。ASEANの中でも特に中国への強硬な姿勢が目立つ。インドネシアも同海域を巡って対立がある。首相がASEAN各国で選んだのは中国と距離が出始めた3国ともいえる。

首相は今月中旬には訪米し、バイデン大統領との会談に臨む。日米両政府は首脳会談後の共同文書で、台湾海峡の安定が重要だとの認識を明記する見込みだ。インドやASEANなど第三国との安保やインフラ構築での協力も協議する。

中国も東南アジアや中東との対面外交を積極的に進めている。王毅(ワン・イー)国務委員兼外相は3月下旬、サウジアラビアやアラブ首長国連邦(UAE)、イランなど中東6カ国を巡った。4月初めにかけてマレーシアやインドネシア、フィリピン、シンガポールの外相を中国に招いて集中的に会談した。

中国には米国の包囲網作りに対抗する狙いがある。中国と経済的に結びつきの強い日本も当面は日米とクアッドの枠組みを軸にして対中国で厳しい姿勢を示す。

この記事の英文をNikkei Asiaで読む https://asia.nikkei.com/Politics/International-relations/Japan-seeks-first-in-person-Quad-summit-in-June-on-G-7-sidelines?n_cid=DSBNNAR

Nikkei Asia

米、パレスチナ支援再開へ トランプ前政権の方針転換

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN0801F0Y1A400C2000000/

『【ワシントン=共同】ブリンケン米国務長官は7日、声明を出し、トランプ前政権が大幅に削減したパレスチナ支援を復活させるため、計2億3500万ドル(約260億円)の経済開発援助や人道支援を実施すると表明した。イスラエル寄りの前政権が中止した国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)への資金拠出再開も含まれる。

バイデン政権はこれまでパレスチナへの支援を再開すると明言してきたが、今回の発表で具体化された。ブリンケン氏は支援再開がパレスチナとイスラエルの「2国家共存」による解決にも役立つと強調した。

声明によると、UNRWAを通じ1億5千万ドルを提供。ほかに、ヨルダン川西岸とガザ地区の経済開発に7500万ドル、平和構築プログラムに1千万ドルを支援する。

UNRWAはパレスチナ難民に対する教育や医療、食料支援などの事業を担っているが、最大の資金拠出国だった米国が18年に拠出を中止し、資金難が続いてきた。

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トルコ・ロシア、中央アジアで勢力争い 地域機構構想も

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR01ESK0R00C21A4000000/

『【モスクワ=石川陽平】トルコとロシアが旧ソ連・中央アジアを巡って勢力争いを繰り広げている。トルコは民族的に近い中央アジア諸国との協力の枠組みを、正式な地域機構に格上げすると表明。これに対して「旧宗主国」のロシアは旧ソ連諸国の外相会議で協調を演出し、影響力の保持に懸命だ。中央アジアは天然資源も豊富で、中国や米国も関心を寄せる。

「世界が直面している諸問題は、チュルク評議会のような協力組織をより重要な…

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「世界が直面している諸問題は、チュルク評議会のような協力組織をより重要なものに変えている」。トルコのエルドアン大統領は3月31日、オンラインで開いたチュルク評議会(トルコのほか、アゼルバイジャンと中央アジアのカザフスタン、ウズベキスタン、キルギスの旧ソ連4カ国)の首脳会議でこう強調した。

チュルク評議会は「チュルク語系諸国協力会議」とも呼ばれ、民族・文化・歴史的に近いチュルク語系5カ国が作る緩やかな協力の枠組みだ。2009年の発足で、トルコが主導する。エルドアン氏は今回の首脳会議で、評議会を国際的機構に衣替えする方針を示し、今夏に開く次回サミットで決定すると表明した。

トルコは20年秋にアゼルバイジャン軍を支援してアルメニアに対する勝利を導いたナゴルノカラバフ紛争で求心力を高めた。エルドアン氏はこの機を逃さず、旧ソ連・中央アジアのチュルク語系諸国に外交攻勢をかけた。ソ連崩壊で独立30周年の中央アジア諸国も、国家基盤の強化のためトルコの経済・政治的支援を期待する。

トルコはカスピ海地域に豊富に埋蔵される石油や天然ガスにも注目する。アゼルバイジャンとトルクメニスタンはソ連崩壊後、カスピ海海底にある石油・ガス田の帰属を巡って争ってきたが、21年1月に共同開発することで歴史的な合意に達した。トルコは直ちに共同開発への参加と自国のパイプラインを通じた輸出を提案し、エネルギー輸送のハブになる考えだ。

トルコは中央アジアのトルクメニスタンにもチュルク評議会への加盟も強く働きかけている。「永世中立国」の同国をまずは「オブザーバー」などの資格で取り込む狙いだ。地域で影響力拡大を目指すトルコの動きは「新オスマン主義」とも呼ばれ、「経済低迷への国内の不満をそらす」(独立国家共同体研究所のアンドレイ・グロージン氏)との思惑もあるとみられる。

一方、ロシアは「裏庭」とみなす中央アジアで北大西洋条約機構(NATO)加盟国でもあるトルコが影響力を拡大することに神経をとがらしている。

2日にはモスクワでロシア主導で旧ソ連9カ国がつくる地域協力機構、独立国家共同体(CIS)の外相会議を開いた。ウクライナやモルドバなど旧ソ連圏でロシア離れが広がる中、強権的な国が多い中央アジアで「勢力圏」の後退を食い止める考えだ。

トルコが触手を伸ばすトルクメニスタンのつなぎ留めにもロシアは動く。3月31日にモスクワで2国間経済協力委員会を開き、21~23年の経済協力プログラムを協議した。

トルクメニスタンは天然ガスを豊富に埋蔵し、パイプラインで中国に輸出している。国家収入の大半をガスの対中輸出でまかない、中国依存が強い。ロシアのラブロフ外相は、バイデン米政権が中央アジア5カ国との協力の枠組み「C5+1」を活性化させようとしているとも指摘している。

[FT]ロシア製ワクチン EUが治験の倫理性など調査へ

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCB091080Z00C21A4000000/

『欧州連合(EU)の医薬品規制当局は、ロシア製の新型コロナウイルスワクチン「スプートニクV」の臨床試験(治験)において倫理的・科学的基準に反する行為がなかったか、来週から調査を開始する。

欧州医薬品庁(EMA)が調査するのは、スプートニクVの治験が「医薬品の臨床試験に関する基準(GCP)」に基づいて実施されたかどうかだ。EMAの承認プロセスに詳しい人物がフィナンシャル・タイムズ(FT)に語ったところ…

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EMAの承認プロセスに詳しい人物がフィナンシャル・タイムズ(FT)に語ったところによると、同ワクチンの治験は非倫理的な方法で進められた疑いがあるという。GCPは医薬品の臨床試験を適切に計画および実施するための国際的に認められた基準だ。
軍人らの治験参加を強制か

ロシアの説明によれば、スプートニクVは、同国の政府系ファンドであるロシア直接投資基金(RDIF)が資金を提供して国営研究所が開発し、治験には軍人と公務員が協力した。だがロイター通信の報道によると、一部の参加者は上司から治験に参加するよう圧力をかけられたという。

RDIFのドミトリエフ総裁は、強制があったことを否定し、FTの取材に対し「(治験参加者が)圧力をかけられた事実はなく、スプートニクVはすべての臨床基準を満たしている」と回答した。またEMAによる調査は来週から開始される予定であることも明らかにした。

ロシアはスプートニクVを欧州のワクチン問題に対する解決策として売り込んでいる。だがEUの欧州委員会でワクチン接種プログラムを担当するブルトン委員は3月、欧州は「スプートニクVを全く必要としていない」と発言した。ロシア政府はこれに反発し、欧州委員会はロシア製ワクチンに偏見を持っていると批判した。

EMAはスプートニクVを審査中であり、EU圏内での使用を許可するか否かの結論はまだ出ていない。EMAは、臨床試験がGCPに合致していることを承認の条件としている。

EMAは「基準が順守されていれば、治験参加者の権利、安全や健康が守られており、臨床試験のデータが信頼できるという保証になる」と述べ、順守状況について懸念があれば、調査を命じる場合があると付け加えた。ロシアでの調査を含め、現在予定されている、または進行中の調査についてはコメントを控えた。
「59カ国で審査済み」とロシア側反論

ドミトリエフ氏は、すでにスプートニクVを承認した59カ国の規制当局は「治験データを非常に厳密に審査し、GCPの順守状況に満足している」と指摘した。

同氏は続けて、「我々はEMAがGCPについて懸念しているとの情報は把握していない。そのような情報をリークすることは、公平・無差別とされるEMAの承認プロセスの信頼性を損なおうとする人間がやりそうなことだ」と述べた。

またこれとは別に、EMAはロシアにあるスプートニクVの生産施設を5月に調査する計画だが、ドミトリエフ氏によれば、ワクチンを発注した国の調査官の視察を受け入れるため、数日間延期されるという。「我々はワクチンを購入すると約束した国の調査官を優先する。欧州委員会とは違う」

難航するワクチン接種プログラムを巡り、EUへの批判は高まりつつある。人口比で見たEUのワクチン接種率は英国や米国を大きく下回っており、当局はその原因の一つとして、ワクチンの不足問題をあげる。

EU加盟国であるハンガリーとスロバキアは、EMAの承認を待たず、緊急規則を利用してスプートニクVワクチンを購入した。だがスロバキアの首相は、ロシア製ワクチンの購入を決定したことで閣僚からの反発に遭い、3月に辞任に追い込まれた。

EU加盟国の大半が感染「第3波」への対応に追われ、欧州諸国の多くで新規感染者数、入院者数、死亡者数が増加するなか、ワクチン不足は切実な問題となっている。

By Donato Paolo Mancini and Henry Foy

(2021年4月7日付 英フィナンシャル・タイムズ電子版 https://www.ft.com/

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米、普天間移設で「日本政府の取り組み歓迎」 国防総省

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN08EOH0Y1A400C2000000/

『【ワシントン=永沢毅】米国防総省は8日の声明で、沖縄県・米軍普天間基地(同県宜野湾市)の名護市辺野古への移設に向けた日本政府の取り組みを評価していると表明した。「米国は日本政府が(代替施設の建設という)長期目標に向けて前向きな措置をとっているのを歓迎している」と強調した。

日米両政府による普天間返還合意から12日で25年を迎えるが、移設作業は四半世紀を経てなお途上にある。国防総省は普天間移設が住宅密集地における米軍運用の削減だけでなく、日本防衛の能力の改善につながるとの認識を表明した。「代替施設の建設によって米国は日本への安全保障の責任を果たすことができる」とし、16日の日米首脳会談を控えて移設作業の進展に期待を示した。

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[FT]米国債市場、22年米利上げを織り込み始める

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCB091600Z00C21A4000000/

『米国の経済が回復歩調を速めるなか、市場では米連邦準備理事会(FRB)が来年にも利上げに踏み切るとの見方を織り込み始めた。しかしアナリストの間では、利上げ時期を早めるのは「前のめり」過ぎると警告する声も出ている。

最近のデータでは労働市場が力強い回復を示し、先行指標もサービス業と製造業の両方で急速な(景気の)伸びを示していることから、米国の中央銀行であるF R Bがゼロに近い政策金利を想定よりも早い…

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最近のデータでは労働市場が力強い回復を示し、先行指標もサービス業と製造業の両方で急速な(景気の)伸びを示していることから、米国の中央銀行であるF R Bがゼロに近い政策金利を想定よりも早い時期に解除するとの見方がトレーダーの間では強まっている。
市場の金利予想を示す指標として注目されるユーロドル金利先物相場は現在、F R Bが2022年末までに利上げを開始し、24年初めまでに3回の追加利上げを実施することを予測している。これは、F R Bが最近、少なくとも24年まではゼロ金利政策を維持すると示唆したこととは対照的である。

「経済成長見通しを受けて、市場がF R B(の予測)が示すよりも早期の利上げを織り込むことは理にかなっているが、22年は早過ぎるように見える」と米運用会社プリンシパル・グローバル・インベスターズのチーフストラテジスト、シーマ・シャー氏は語る。「F R Bは経済の過熱を放置する意図を非常に明確に伝えている」

F R Bはインフレについて、長期にわたる政策目標値2%を下回る期間が長引いたのを埋め合わせするため、一時的に2%を超えることを容認する新しい政策指針を公約しており、少なくとも23年まではゼロ金利を維持するとシャー氏は予想する。

市場予測の行き過ぎを指摘する関係者も

バークレイズのマネジング・ディレクターであるアシュー・プラドハン氏も、F R Bが物価目標を上回るインフレを受け入れ、最大雇用の実現を目指していることを考慮すると、市場が現在予測する利上げ時期は「前のめりすぎる」と反論する。

21兆ドル(約2300兆円)規模の米国債市場は、F R Bによる利上げ時期の予想が変化するのに連動して揺れ動いている。景気回復の潜在的な力強さとそれがFRBの政策に与える影響に投資家が真剣に向き合い始めて以降、利回りは年初から急上昇(債券価格は下落)している。

中でも金利が過剰に上昇しているのが長期債だ。指標である10年物の利回りは、1月の0.9%から先月には1.78%まで上昇した。その後は1.66%まで低下している。債券の利回りは、価格が下がると上昇する。

最近ではF R Bの今後の政策運営に左右されやすい短めの期間の米国債も大きく売られている。

24年までの利上げ保留の見方も

5年物米国債利回りは5日、1%近くにまで上昇した後、やや下落した。プラドハン氏は買いのチャンスだとの見方を示す。同氏は投資家に対して5日、F R Bが利上げを検討する前に、雇用と物価安定の目標においてまだかなりの進展が必要であると指摘し、5年物の価格が上昇するとの見方をするよう推奨した。

TDセキュリティーズの金利ストラテジストも同じような見解を示した。市場は「F R Bによる早期利上げを過剰に織り込んでいる」とし、FRBは最終的には24年9月まで利上げを保留するだろうと主張した。

米運用大手ヌビーンのチーフ・インベストメント・ストラテジストのブライアン・ニック氏は、F R Bが月1200億ドルの資産購入をしている量的緩和策の縮小にどのように着手するかが、F R Bが最終的にいつ利上げに踏み切るかの手掛かりになるだろうと言う。FRBは金利変更のかなり前に量的緩和の縮小(テーパリング)を完了する傾向があるからで、現在の見通しを踏まえると、ニック氏は23年まで利上げはないとみている。

ニック氏は、米連邦公開市場委員会(FOMC)のドット・プロット(FOMC参加者によるFF金利予測の分布図)の変化も投資家に(利上げのタイミングについて)再考を促す可能性があると述べた。前回3月の会合では、昨年12月の会合に比べて、早期の利上げを予想する委員の数が増えた。見通しが更新される次回6月の会合で、その数がさらに増えれば、F R Bは「居心地悪い」立場に置かれることもあり得ると付け加えた。

「どこかの時点では、少しばかり修正を迫られるであろう」

By Colby Smith

(2021年4月7日付 英フィナンシャル・タイムズ電子版 https://www.ft.com/

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北アイルランドで住民対立再燃 EU離脱不満、暴動続く

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR08DYE0Y1A400C2000000/

『【ロンドン=中島裕介】英領の北アイルランドで、プロテスタント系住民とカトリック系住民の対立が激しさを増している。一部は暴徒化し、7日には一般道路上でバスが燃やされる事態に発展した。欧州連合(EU)離脱の合意内容への不満が底流にあり、騒動が長引けば英国だけでなく欧州全域を揺さぶる政治リスクとなりかねない。

暴動は2日夜から断続的に続いており、8日も続いた。英国のジョンソン首相は同日、「(主張の)相違…

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英国のジョンソン首相は同日、「(主張の)相違解消は対話でなすべきだ」と暴動を非難した。ジョンソン氏はルイス北アイルランド担当相を現地に派遣し、解決を模索した。

北アイルランドは1960年代後半から98年の和平まで宗派対立や国境を巡る紛争が続いた経緯がある。

7日の暴動では地域の最大都市ベルファストで、カトリック系とプロテスタント系の住民が「平和の壁」とよばれる居住地域を分ける壁越しに衝突し、双方から火炎瓶などが投げ込まれた。市街地では路線バスが暴徒化した住民にハイジャックされ、路上で炎上した。
暴動はEU加盟国アイルランドとの国境にあるロンドンデリーなどでも断続的に起こり、これまでに50人以上の警官がけがを負った。まだ一般住民の重傷者や死者の報告はないものの、英BBCは「ここ数年で最悪の状況」と報じている。

一連の暴動は2日に発生した英国による北アイルランドの統治を望むプロテスタント系のデモから始まった。この勢力は英EUの合意に強い不満を抱えている。

合意では北アイルランドとアイルランドの間の国境復活や通関手続きを避けるため、同じ英国内にもかかわらず英本土から北アイルランドに入る物品の通関検査が必要になった。アイルランド島に国境を設ければ、紛争の再発や地域の不安定化につながるリスクがあるとの判断だ。

だがプロテスタント系住民は英本土との間に貿易上の「国境」が生じていることに強く反発し、一部の勢力は合意の撤回を求めている。この問題では英EU間の対立も深まっており、暴動に拍車をかけている。

南北アイルランドの統一を訴え、かつてテロ行為を手掛けたカトリック系過激派組織アイルランド共和軍(IRA)の元重鎮の葬儀に、カトリック系のシン・フェイン党幹部が参列した件も要因の一つになっているとの指摘もある。

20年6月の葬儀には約2000人が集まったが、これは新型コロナウイルスの行動規制に違反している可能性があった。この件が不起訴になったことも、プロテスタント系の怒りに火をつけたとされる。地域の警察当局はプロテスタント系の準軍事組織が暴動に関与したとみており、両者の衝突がさらに深刻化するリスクもはらんでいる。

マクロン氏、仏エリート養成校ENAを廃止 22年にも

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR0903R0Z00C21A4000000/

『【パリ=白石透冴】フランスのマクロン大統領は8日、仏エリート養成校の最高峰である国立行政学院(ENA)を廃止すると発表した。一握りの秀才が国を動かしているとの批判をかわすため、2019年に方針を発表していた。代わりにより開かれた養成校「公共サービス機関」をつくるという。仏メディアによると、廃止は22年。

マクロン氏は省庁幹部らとのビデオ会議で「官僚を教育する方法を大胆に変えなければいけない。より幅広い社会層が入学できるような選抜にしたい」などと語った。ENAは年間約80人を受け入れているが、裕福な層からの入学者ばかりだとの指摘があった。新設の養成校は官僚を目指す学生全員が教育を受けられる機関にすると説明した。カステックス首相が数日中に詳細を示すという。

ストラスブールの国立行政学院(ENA)=ロイター

現在はENA卒業後20代半ばで官庁の重要な管理職に就く場合があるが、今後は最初の数年現場を経験させるとも語った。

1945年設立のENAはマクロン氏を含む直近の大統領の半数、首相の4割が学んでおり、エリート主導の仏政財界を象徴している。18年に始まった反政権デモ「黄色いベスト」が発生した一因になっており、デモを鎮めようとマクロン氏が廃止を発表した経緯がある。

22年に次回大統領選があるが、新型コロナウイルス対応への批判などからマクロン氏の支持率は低迷している。ENA廃止は一般国民に近い大統領とアピールするためとの見方がある。

【関連記事】
仏政権、コロナ対応で批判高まる 大統領選への影響も
[FT]仏極右ルペン氏、国を融和する政権樹立呼びかけ

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鈴木一人
東京大学 公共政策大学院 教授
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分析・考察 これまでフランスのエリート批判は何度も繰り返されてきて、そのたびにENAの廃止といった話題が出てきていた。今回も同じパターンを繰り返しているように思う。

フランスの政治経済行政の仕組みから考えると、エリート主義的な選抜抜きにシステムは回らないようにできているため、社会システム全体を改革しなければおそらく意味はない。

仮にENAだけなくしたとしてもポリテクニーク(理工科大学校)やノルマル(高等師範学校)などのグランゼコールは残るわけで、エリート主義がなくなるわけでもない。

2021年4月9日 9:44いいね
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伊藤さゆりのアバター
伊藤さゆり
ニッセイ基礎研究所 経済研究部 研究理事
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ひとこと解説 22年次期大統領選挙に関する世論調査では、前回17年に決選投票を争ったルペン氏の支持率がマクロン大統領を上回っています。

ルペン氏は右派、左派両方の有権者の支持を得るため、自らを「グローバリスト」と戦う「愛国主義者」と位置づけ、グローバル化から国境と市民を守るとして、社会的保守主義層の幅広い支持を得ようとしています。

前回大統領選挙でのマクロン対ルペンの対決は「エリート対非エリート」、「都市対地方」という様相も呈しました。前回は主力候補のスキャンダルもあり地滑り的勝利を収めたマクロン大統領の支持層は都市、高学歴層が中心。22年の勝利には、地方、非エリート層に支持を広げることが欠かせません。

2021年4月9日 8:12 (2021年4月9日 8:50更新)
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〔沿岸警備隊〕

沿岸警備隊
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B2%BF%E5%B2%B8%E8%AD%A6%E5%82%99%E9%9A%8A

『沿岸警備隊(えんがんけいびたい、英: Coast Guard)は、海洋や内水域(河川・湖沼)での哨戒・警備救難活動を行う組織。

警備艦や警備艇と呼ばれる各種の哨戒艦艇や航空機を保有し、自国の港に活動拠点を構えるのが普通である。任務の関連性から海軍や警察、税関とは密接な関係を持つ事が多い。
アメリカ沿岸警備隊では哨戒任務に当たる艦艇はカッターと呼ばれ、台湾では巡防艦や巡防艇、韓国では警備艦や警備艇が領海警備などを行なっている。

日本の海上保安庁は巡視船や巡視艇と呼ばれる船舶が領海の巡視・監視や海上警察活動に従事し、救難活動なども行なうが、軍事的な機能は有していないため他国の沿岸警備隊とは一線を画している。

国によって沿岸警備隊の組織は異なり、沿岸警備隊を設けずに海軍が任務を遂行している国もある[1]。また、海軍の一部として設置する国もある。国境警備隊と同様に準軍事組織の一種として設置されることもあり、この場合には、平時には海軍に代わって領海内や内水域(河川・湖沼)での警備救難活動を行ない、戦時に海軍とともに戦闘を行う。また、新興国では海軍を設置せずに沿岸警備隊のみを設置する国もある。』

『任務
海軍が海上における防衛・軍事行動に注力するのに対し、沿岸警備隊は主として海域・水域における警備・警察任務を遂行する。

これは専門性の問題とともに、海軍の軍艦に代わって文民の海上警察組織などが警察任務を担当することで、周辺諸国との緊張を招かないようにするためである。ただし、純粋な文民の沿岸警備組織は少なく、通常は準軍事組織・軍事組織の性格を持つもの場合が多い。

外国との緊張関係に配慮する例として、日本の海上自衛隊は海上警備行動発令時などの有事でなければ逮捕権や捜査権は無く、海上において発生した事件を捜査し、容疑者を逮捕できるのは警察組織である海上保安庁の役割となっている。

世界各国において設置されている沿岸警備隊の基本的な任務は、次の3つに集約される:

1、領海内及び排他的経済水域(EEZ)、内水域における警備活動

2、領海内及び排他的経済水域(EEZ)、内水域における水難・遭難事故に対する捜索救難活動

3、領海内の水路啓開・測量・ブイ設置工事

ただし、これらのみに限られるのでは無く、アメリカ沿岸警備隊(USCG)のように海軍の支援部隊として戦闘地域における臨検活動といった軍事的任務に就く場合もあり、逆にイギリス王立沿岸警備隊の様に捜索捜索・救難活動のみに限定されている場合もある。

なお、イギリス海軍は沿岸警備を行なっており、民間船舶に対しても日本の海上保安庁と同様に密輸船・密漁船等などの臨検も行なう。

領海やEEZ内等における警備活動
以下の3つに分けられる:

密輸船・密漁船等の犯罪船舶の取締
領海内を航行中の船内における一般的刑事事件の捜査
航路における船舶交通の監視と取締等

  1. は沿岸警備隊の最も重要な任務の一つであり、たとえばアメリカ沿岸警備隊はカリブ海経由の麻薬密輸問題に最も力を入れている。日本においても麻薬・覚醒剤の密輸を水際で阻止する役割として海上保安庁は重要であり、さらに最近は不審船(工作船)問題や不法入国者を乗せた密輸船の取締対策が重要になりつつある。また、世界各国において重装備の海賊船が領海・公海を跋扈するケースが相次いでいるため、これらに対する商船の防衛と海賊船の取締も国際的な課題となっている(2004年現在)。

近年では海洋資源保護の必要性も高まっており、担当省庁と連携して、密漁や廃棄物の不法投棄などの監視・摘発の任務も重要なものとなっている。

  1. に比べ、3. は地味であるが省く事のできない任務である。航路の警戒のために各国の沿岸警備隊は哨戒艦艇の多くを割いており、安全で順調な航行を可能とするために努力を払っている。

領海内及び排他的経済水域における捜索救難活動(SAR, Search And Rescue)
領海を航行している船舶の海難事故に際して、捜索活動と適切な救助活動を行なう。多くの沿岸警備隊は、この捜索活動のために長距離飛行可能な大型固定翼機を保有し、事故を起こした船からの緊急信号も含めて事故の現場と規模の確認を行なう。 広い領海を持つ日本においては、海上保安庁のみでは困難なため、航空自衛隊と海上自衛隊で設けられた救難区域(Search and Rescue Region)を担当する航空自衛隊救難隊や海上自衛隊の救難部隊などが捜索救難活動に協力しており、陸上自衛隊は救難活動ではないが東シナ海の離島での第15ヘリコプター隊が医療支援活動として患者の緊急搬送に協力している。

タンカーの事故においては、石油製品や化学薬品が海洋の広範囲にわたって流出し、深刻な海洋汚染をもたらす場合も多い。流出した石油製品等の回収・中和等も沿岸警備隊の重要な任務である。

戦時における戦闘
戦時に領海を警備することはこれすなわち軍事行動であり、交戦資格を有する。指揮系統を一本化するために戦時に海軍に編入される事も多い。

領海内の水路啓開・測量・ブイ設置工事
領海内の水路啓開・測量・ブイ設置工事も、多くの国において沿岸警備隊の任務となっている。日本においては戦前は沿岸警備隊を設置せず海軍が測量任務を遂行していたが、戦後は軍事的な測量を別として、海図の作成、潮流の測定、海底地形の測定など海上交通に必要な調査は海上保安庁(海洋情報部)が行なっている。また、カナダやアメリカなど、一部もしくは全ての領海が流氷によって閉ざされる場合には、沿岸警備隊の保有する砕氷船が流氷を破壊して冬季の航路を確保する。

科学調査
一部の国では海洋調査の延長として領海内における海洋や島嶼部の生態調査など科学調査の支援として、科学者や機材の輸送を担当することもある。財政的な理由で海洋調査船を所有できない途上国だけでなく、コストカットのため稼働時間が少ない専用船を廃止し、必要時に沿岸警備隊の船を利用する先進国もある。

アメリカ沿岸警備隊は南極観測船の運用など領海外における科学調査の支援も担当している。

各国の沿岸警備隊

日本

詳細は「海上保安庁」を参照

第二次世界大戦後、旧大日本帝国海軍の残余艦艇と人員をもとに初期の海上保安庁が創設された。連合国軍による日本の非武装化政策により、当初の人員は1万名以内、船舶は125隻5万トン以下、武装も小火器のみに限られている[2]。

創設直後には掃海活動も重要な任務の一つとされ、その一部は朝鮮戦争に出動しており、作業中の事故で1名が殉職している。

1952年(昭和27年)4月26日に将来的な分離独立までの臨時的措置[3]として海上保安庁内に旧海軍軍人主体の海上警備隊(Maritime Safety Security Force)[4]が創設され、同年8月1日には掃海部隊も含めて保安庁の警備隊(Safety Security Force)となり[5]、1954年(昭和29年)7月1日の防衛庁設置に伴い海上自衛隊に改編された。

このとき、「海上公安局」へ再編される予定であった海上保安庁の本体部分(海上警備隊系統を除く部分)は、組織移行を免れそのまま海上保安庁として存続することとなった。
その後の海上保安庁(Maritime Safety Agency of Japan)は、運輸省の外局を経て、2001年の中央省庁再編後には国土交通省の外局となり、日本の領海および排他的経済水域上においての警察権を有する法執行機関となった。

現在では”JCG = Japan Coast Guard”と、準軍事組織であるアメリカ沿岸警備隊(”USCG = United States Coast Guard”)を連想させる英語名を称しているが、沿岸警備隊の分類の中では海上警察機関系(海上保安庁職員のうち海上保安官は、刑事訴訟法及び海上保安庁法に基づく特別司法警察職員である)に分類される[6]。

海上保安庁法第25条により軍隊としての活動を認められておらず、準軍事組織として運営されている他国のコーストガードとは法制上は一線を画している。

一方で自衛隊法80条により有事の場合は海保組織の全部または一部を防衛大臣の指揮下に置くことを認めている[7]が、あくまでも警察活動と解釈されており、軍事活動の規定は海上保安庁法にはない。

海岸線の長さは世界第6位、領海と排他的経済水域の合計面積も世界第6位、さらにG7の一角を担う世界第3位の経済大国であるなどという国状から組織の規模も大きく、2010年時点の人員は約12,000名、400隻を超える船艇と70機以上の航空機を保有している。

諸外国との共同訓練も積極的に行っており、その任務の遂行能力は高く評価され「世界有数のコースト・ガード」[8]と評される。 現在は、不審船問題などから高速で重装備の巡視船の配備、海上自衛隊との様々な面での連携強化などが課題[9]となっている。

アメリカ

詳細は「アメリカ沿岸警備隊」を参照

アメリカ沿岸警備隊 (USCG = United States Coast Guard) は国土安全保障省の傘下にある組織である。

連邦の法執行機関であり、警備及び捜索救難等を任務としている。

アメリカ軍の第五の軍(Armed Forces)[10]であるが、戦時には海軍の指揮下に入ることがある。

隊員は軍人として統一軍刑法の適用を受け[11]、海軍と同等の階級呼称を使用している。
第二次世界大戦やベトナム戦争はもちろん、合衆国が参戦した全ての戦争に派遣され、臨検活動、船団護衛等の任務を遂行した。

保有する船舶(警備艦)には76mm砲やCIWSなどを装備し、構造も抗堪性の高い軍艦構造となっている。有事には対艦ミサイルランチャーを装備可能な艦艇もある(日本の巡視船の場合、ほとんどは商船構造)。

海外で行なわれる合同軍事演習では海軍の参加艦艇としてハミルトン級カッターの姿を目にする事がある。平時の船舶数こそ日本の海上保安庁に劣るものの、長距離の海岸線を保有する事から航空機の整備に力を注いでおり、早期警戒機としての能力を有するC-130やP-3を装備して麻薬密輸に対する警戒に充てている。

このほか、運河や航行可能な河川・湖沼が多いため、こうした内水における救難ボートや測量ボート、ブイ設置船を数多く保有する。海岸・河川・湖水の護岸や港湾の整備に関しても沿岸警備隊が責任を持っており、専門の工事・管理部門を保有する。

イギリス

詳細は「イギリス沿岸警備隊」を参照

イギリスにおいては、コーストガードを統括する行政機関として海事沿岸警備庁が置かれ、沿岸警備隊(HM Coastguard)は、沿岸での海難事故の捜索救難活動を任務にしており、これらに使用する小型船舶と救難ヘリコプター等を装備するのみである。

また、必要な場合はイギリス空軍も海難救助に参加しており、海事沿岸警備庁がこれらの調整を行なっている。

領海警備や海上の治安活動などは、イギリス海軍が、大型哨戒艦(OPV)を用いて沿岸警備を行なっている。

このほかに内務大臣直轄のイギリス国境部隊内に税関監視艇隊が存在しており、領海上での密輸などの監視にあたっている。

韓国

韓国では国土交通部(省)の下に海洋警察庁(KCG = Korea Coast Guard)が設置され沿岸警備に当っている。

本庁は仁川広域市に置かれ、釜山、仁川、束草、東海、泰安、群山、木浦、莞島、麗水、統営、浦項、蔚山、済州、西帰浦の14か所に海洋警察署が設置されている。

韓国と日本は竹島(韓国名:独島)領有問題を抱えており、日本漁船を拿捕することがある。

そもそも、韓国海洋警察が発足した際の主任務は、竹島周辺の日本船舶(漁船や巡視船等)の駆逐による実効支配の強化であった。

李承晩ラインの宣言(1952年1月)直後から、韓国海軍や民間義勇組織である独島義勇守備隊、海洋警察(1953年12月設立)が竹島周辺で300隻以上の日本漁船を銃撃・拿捕し、それにより4,000人近い日本人漁師が韓国に拉致され、44人が死亡している。

拉致されたのち日本へ帰国できた者でも、病気になったり拷問によって重症を負った者がいた。

1961年には、済州島周辺の公海上で韓国の警備艇が日本の漁船を銃撃・拿捕するという事件が複数発生している。

たとえば、1961年3月15日には第二進栄丸が、同年3月20日には第二秋田丸がそれぞれ韓国警備艇に追跡・攻撃・拿捕されている。また、これらの事件の際、日本の海上保安庁の巡視船や水産庁の漁業取締船が漁船からの緊急連絡を受けて現場に急行し、漁船を追撃する韓国警備艇に警告を行ったが、警備艇は巡視船と監視船に対し銃撃を繰り返し、漁船を拿捕して韓国へ連行している[12]。

韓国海洋警察の任務には、北朝鮮ゲリラの浸透阻止や、海洋環境保全のための海洋汚染監視も含まれている。歴代庁長は警察庁出身者が任用され、人事的には陸の警察と交流が深い。

2014年4月16日に発生したセウォル号沈没事故の救助失敗を理由に朴槿恵大統領により海洋警察庁は解体され新たに国民安全処が設立されたが、政権交代で大統領に就任した文在寅によって2017年に海洋警察庁体制に戻された[13]。

台湾

詳細は「海巡署」を参照

中華民国(台湾)では、2000年1月に行政院海岸巡防署(CGA = Coast Guard Administration, Executive Yuan)が組織された。この組織は2004年には19,680名を擁し、日本の海上保安庁に勝るとも劣らない規模をもつ。

2018年、海洋委員会発足に伴い、海洋委員会の下部組織となり、名称も「海巡署」へと変更された。

中国

詳細は「中国海警局」および「中華人民共和国の海上保安機関」を参照

中国の海洋行政は、公安部が海上公安、国家海洋局が海洋資源、農業部が漁業管理、海関総署が税関業務の戦略を企画・立案し、国家海洋委員会が各機関の戦略を調整し、国家海洋局が公安部の指導を受けながら一元的に中国海警局の名称の下で公船や航空機を運用する体制がとられている[14]。

2013年3月に、初代の中国海警局の局長 兼 国家海洋局副局長に公安部の次官を兼務する孟宏偉が就任した[15]。

2013年7月に中国海警局の本格的な運用が開始された。ただし、船舶からの汚染物質流失への対応、水路業務などを担当する交通運輸部海事局(船体表示「海巡」)は独立して公船の運用を行う[16]。交通運輸部には捜索救助を専門とする救助打捞(救助サルベージ)局(船体表示「海救」)も存在する。

2013年3月までは、公安部辺防管理局(Border Control Department of Ministry of Public Safety)が所管する中国公安辺防海警部隊(CHINA COAST GUARD、船体表示「中国海警」)、国土資源部が所管する中国海監総隊(船体表示「海監」)、農業部漁業局(船体表示「漁政」)が、別々に公船や航空機の運用を行っていた [17]。

同年3月から7月にかけて漸進的に組織の統合が行われた。

トルコ

詳細は「トルコ沿岸警備隊」を参照

トルコにおいては、内務省の所属機関であるトルコ沿岸警備隊が、海上警察・遭難救助・海路保全などの任務にあたっている。

これらの任務のため、本部のほか、地中海方面司令部・エーゲ海方面司令部・マルマラ海方面司令部・黒海方面司令部・教育センター司令部・航空司令部がおかれている。

準軍事組織ではあるが、陸海空の3軍およびジャンダルマと比較して、国家安全保障評議会に司令官が参加しないなど格下の扱いを受ける。

有事には海軍の指揮下に入るものとされている。ただし、もっとも重武装の艦艇ですら機関砲程度の武装であり、大半は小型で非武装の艦艇である。

また、哨戒・救難任務のために固定翼機・ヘリコプターを保有しているがこれらも非武装である。

その他の国

カナダの沿岸警備隊は非軍事組織であり、任務は主にブイ設置や測量、砕氷船による冬季の航路啓開等に限定されている。

ドイツの沿岸警備隊は国境警備隊のほかに、税関など各々の官庁に分割されており、統一された組織は存在しない。

フランスにおいては海上憲兵隊が国家憲兵隊の中に組織され、各国の沿岸警備隊と同様の任務を行っている。また、海軍も沿岸警備隊の任務を行うことがある。

イタリアにも海事組織としてイタリア海軍傘下にイタリア沿岸警備隊は存在こそしているが、その規模および役割は歴史的経緯から限定的なものにとどまっており、代わりに財務警察が巡視船等を運用し、密輸犯、マフィア及び不法移民対策に従事している。

ロシアにおいてはロシア国境軍が沿岸警備隊の役割を担っている。

イスラエルの沿岸警備隊は海軍の一部であるが、その活動地域は死海やガリラヤ湖などの国境線を有する内水である。

死海を超えてイスラエル領に進入してくるパレスチナゲリラの密入国阻止を狙ったものである。所有するボートはアメリカ製の河川哨戒艇(PBR)などであり、小型だが重武装を施している。

東南アジア各国では、日本の海上保安庁をモデルとした沿岸警備組織の能力強化に力を入れている。

これは重要な国際航路が沿海に存在し以前から海賊行為が頻発してきたことと、南シナ海の自国管轄域で主として中国漁船による密漁が多発しているためである。

このため沖合において運用が可能な巡視船艇の装備が課題となっている。近年、日本からの船艇の供与が進んでいる。

インドネシア:インドネシア沿岸警備隊(英語版)(Indonesia Coast Guard/Badan Keamanan Laut Republik Indonesia, BAKAMLA)が創設され、現在は組織と装備の強化に取り組んでいる。

マレーシア:海上法執行庁(Malaysian Maritime Enforcement Agency)は、それまで多くの国内関連機関が沿岸警備任務を分担していたが、細分化されすぎた業務の非効率性が目立ったため、全く新たな組織としてマレーシア行政府(Malaysian Civil Service)の下に領海内と公海上での国内法・国際法の執行と捜索救助その他の任務を遂行するため、2005年2月15日設立・同年11月30日に活動を開始した。

国内6つの本支部を持つ。有事には大臣の命令で国軍の指揮下に入る。[1]

シンガポール:ポリスコーストガード(Police Coast Guard, PCG)はシンガポール警察軍の一部署である。

1993年にシンガポール共和国海軍から沿岸警備部門が移管された時点では、海兵警察(Marine Police)と呼ばれていたが、やがて組織の再編とともに沿岸警察(Police Coast Guard)と改名され、警察部隊として、水上警察活動と沿岸警備任務を併せもつ、世界的にも特殊な形態の法執行機関の一つとなった。

46t級のボート12艇が最大で他94艇の比較的小さな(艇長20-11m)警備艇を有する。[2]

ノルウェー沿岸警備隊(Kystvakten)は、ノルウェー海軍傘下の組織であるが、装備の扱いは独立している。平時には漁業保護を中心としている。

ルーマニアにおいては内務管理省傘下のルーマニア国境警察が沿岸警備隊と同様の役割を果たしている。

オーストラリアでは統一した組織はなくオーストラリア税関・国境警備局の沿岸監視隊やオーストラリア海軍の哨戒艇群が沿岸警備隊と同様の役割を果たしている。

現在、統一した組織を創設しようとしているが、実現のめどはたっていない。

パキスタンは、陸軍の指揮下にある沿岸警備隊(Pakistan Coast Guards)と、海軍の指揮下にある海上保安庁(Pakistan Maritime Security Agency)が並立して存在する。

前者は文字通りパキスタンの沿岸の防衛が主任務であり、この中に捜索救難任務も含まれており、多数の小型ボートや高速ボートを保有する。

一方、後者は遠洋及び近海の警備が主任務であり、旧米国製駆逐艦など大型の巡視船艇を保有する。

僅少の海岸線を持つボスニア・ヘルツェゴビナは2020年現在、海軍は保有しておらず、国境警備隊の水上部隊がネウム沿岸を警備している。

沿岸警備隊と同種組織の一覧

日本の旗 日本

Ensign of the Japanese Coast Guard.svg海上保安庁(Japan Coast Guard)
アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国

Seal of the U.S. Coast Guard.svg沿岸警備隊(USCG : United States Coast Guard)
カナダの旗 カナダ

Coastguard Flag of Canada.svg沿岸警備隊(CCG : Canadian Coast Guard)
ロシアの旗 ロシア

Russian Border Guard.svg連邦保安庁国境警備局(旧:連邦国境警備庁)
大韓民国の旗 韓国

海洋警察庁(KCG : Korea Coast Guard)
中華人民共和国の旗 中国

Emblem of China Coast Guard.svg中国海警局(CHINA COAST GUARD、略称「中国海警」)
中華民国の旗 中華民国(台湾)

Flag of the Coast Guard Administration of the Republic of China.svg海巡署(CGA : Coast Guard Administration, Executive Yuan)
イギリスの旗 イギリス

海事沿岸警備庁(MCA : Maritime and Coastguard Agency)、王立救命艇協会(RNLI : Royal National Lifeboat Institution)
フランスの旗 フランス

Emblème de la Gendarmerie Maritime.svg国家憲兵隊海上憲兵隊(Gendarmerie Maritime)
イタリアの旗 イタリア

Guardia Costiera.svg沿岸警備隊(Guardia Costiera)
ノルウェー

Norwegian Coast Guard Racing Stripe.svg沿岸警備隊 (Kystvakten)
スウェーデン

Kustbevakningens vapen.svg沿岸警備隊 (Kustbevakningen)
オランダの旗 オランダ

Netherlands Coast Guard flag.svg沿岸警備隊 (kustwacht)
インドの旗 インド

Indian Coast Guard Logo.svg沿岸警備隊(ICG : Indian Coast Guard)
バングラデシュの旗 バングラデシュ

বাংলাদেশ কোস্ট গার্ডের প্রতীক.svg沿岸警備隊(Bangladesh Coast Guard)
パキスタン

沿岸警備隊(Pakistan Coast Guard)
インドネシア

沿岸警備隊(英語版)(Indonesian Coast Guard)
マレーシアの旗 マレーシア

Crest of Malaysian Maritime Enforcement Agency.svg海上法執行庁(Malaysian Maritime Enforcement Agency)(2005年11月発足。旧:海上警察)
フィリピンの旗 フィリピン

Philippine Coast Guard (PCG).svg沿岸警備隊(PCG : Philippine Coast Guard)
パナマの旗 パナマ

Escudo actual.png国家海上保安隊(National Maritime Service)
シンガポールの旗 シンガポール

警察沿岸警備隊
ベトナム

Vietnam Marine Police insignia.jpg海上警察(Vietnam Marine Police)
タイ王国の旗 タイ

水上警察(Royal Thai Marine Police)
トルコの旗 トルコ

沿岸警備隊(Sahil Güvenlik)
ドイツの旗 ドイツ

ドイツ連邦警察局 (Deutsche Küstenwache)
グレナダの旗 グレナダ

沿岸警備隊 (Grenadian Coast Guard)
ギリシャの旗 ギリシャ

沿岸警備隊(Hellenic Coast Guard)
スリランカの旗 スリランカ

Sri Lanka Coast Guard Seal.svg沿岸警備隊(Sri Lanka Coast Guard)
トンガの旗 トンガ

Coat of arms of the Tonga Defence Services.svg防衛局(Tonga Defence Serevices)
アルゼンチンの旗 アルゼンチン

Logo de la Prefectura Naval Argentina.svg水上警察(Prefectura Naval Argentina)
ハイチの旗 ハイチ

沿岸警備隊(Haitian Coast Guard)
ニュージーランド

沿岸警備隊(Royal New Zealand Coastguard)
ポルトガルの旗 ポルトガル

COA pt garde nationale républicaine.svg国家警備隊(Guarda Nacional Republicana)
スペインの旗 スペイン

Emblem of the Spanish Civil Guard.svgグアルディア・シビル(Guardia Civil)
ブルガリア

ブルガリア内務省国家国境警察庁
フィンランド

Rajavartiolaitoksen logo.svg国境警備隊(Suomen rajavartiolaitos)
ジョージア (国)の旗 ジョージア

Flag of the Georgian Coast Guard.png沿岸警備隊(Coast Guard of Georgia)
欧州連合の旗 欧州連合

Frontex logo.svg欧州国境沿岸警備機関(European Border and Coast Guard Agency)

アメリカ沿岸警備隊
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%A1%E3%83%AA%E3%82%AB%E6%B2%BF%E5%B2%B8%E8%AD%A6%E5%82%99%E9%9A%8A

自民尖閣提言 玉虫色の決着 国防部会・国交部会 意見対立

https://www.sankei.com/politics/news/210405/plt2104050041-n1.html

『自民党の国防部会、国土交通部会などが1日にまとめた尖閣諸島(沖縄県石垣市)の防衛に関する緊急提言をめぐっては、海上保安庁法の改正の是非で両部会の意見が真っ向から対立した。自衛隊派遣の前段階として海保の機能を強化するため、同法改正の必要性を訴える国防部会に対し、国交部会は改正は不要と主張。最終的には「必要があれば法整備も検討する」との“玉虫色”の表現で決着した。

 1日の両部会による合同会議後、大塚拓・国防部会長は記者団に「自民党が『ワンボイス』でまとまることができた」と成果を強調した。提言は法整備に関して具体的な法律名を記載しておらず、大塚氏は「特定の法律や条文を念頭に置いたものではない」と繰り返し指摘した。

 ただ、同席した平口洋・国交部会長は「海保は全力を尽くしており、(海保法)改正は必要ないという意見もある。将来的に穴があるならば、自衛隊法、海保法(の改正)を検討する」と述べるなど、見解の食い違いも露呈した。

 国防部会が国交部会に示した原案では「必要な法整備を行うこと」と記載されており、表現が弱まった感は否めない。合同会議に出席した政府関係者は「議論の中心は海保法だった」と話す。

 尖閣諸島周辺で領海侵入を繰り返す中国海警局は2018年に中央軍事委員会の指揮下に入り、今年2月に施行された海警法で防衛作戦を遂行すると規定されている。準軍事組織としての位置付けが明確になったといえる。

 尖閣諸島周辺の情勢が厳しくなったことを踏まえ、国防部会は海警に対処する海保の武器使用権限について整理した。2月25日の国防部会では、海警が尖閣諸島への上陸を試みた場合、「重大凶悪犯罪」とみなして相手に危害を加える「危害射撃」が可能との見解を海保から引き出した。

 この狙いについて自民党関係者は「中国が尖閣諸島への上陸を強行すれば撃ちあいになり、そうなれば自衛隊と米軍が出てくるというメッセージを送るためだ」と話す。

 もっとも、尖閣諸島への上陸を強行する可能性があるのは海警だけでなく、30万人以上いるとされる海上民兵が乗る漁船群が上陸を試みるケースも想定される。

 海保で対処しきれない場合、日本政府は海上警備行動を発令して海上自衛隊を投入することになるが、この際の海自の武器使用根拠は海保と同じだ。』

『自民党国防議員連盟が先月まとめた提言で、海保法を改正し「領海保全任務(仮称)」を規定するよう求めたのは、武器使用を含め「国際法上、可能な限りの対処」を国内法で担保するためだ。

 国際法は外国船舶の無害でない通航を防止するために必要な措置を取ることを各国に認めているが、その措置の範囲は具体的に示していない。各国の解釈によって取り得る措置の限界は異なり、中でも日本は厳格に解釈しているとされる。

 一方、海保側の海保法改正に対する反対は根強い。現行の法制度で十分に対処できているとの立場で、国交部会はこうした海保の意向を反映しているとみられる。

 中でも、海保は軍事的任務に就くことを禁じている同法25条に改正の手が伸びてくることを忌避しているとされる。石破茂元防衛相は4月2日付の自身のブログで「(海保が)『25条の規定はわれわれの誇りであり、精神そのものだ』として、『いかなる法改正も不要だ』と主張される様(さま)には大きな衝撃を受けた」と記している。

(大橋拓史) 』

民団の団長選挙に異変 対立候補の資格剥奪で現団長が再選

https://m-jp.yna.co.kr/view/AJP20210406004600882?section=japan-relationship/index

 ※ お定まりの内紛だ…。

 ※ 聯合ニュースは、日本だと「共同通信」みたいな位置づけのメディアだ…。

 ※ ソウルと釜山の市長選の情勢が、微妙に影響したものかもしれんな…。

『民団は6日、最高議決機関である第55回中央大会を開き、団長選挙の候補である中央副団長の任泰洙(イム・テス)氏について、候補者としての資格を剥奪することを決めた。 

 任氏の資格が剥奪されたことで、呂健二(ヨ・ゴニ)団長の再選が決まった。 

 民団は2月26日開かれた中央大会で新団長を選出する予定だったが、選挙管理委員会が任氏の候補者としての資格について問題提起したことで開票が延期された。

 先月12日に団長選出のための中央大会が再び開かれた。この席で選管委は任氏の資格取り消しを報告し、中央大会臨時議長団は選管委の措置を無効として開票を宣言した。選管委と臨時議長団が対立する中、開票は行われなかった。

 3年ぶりとなる今回の選挙は新型コロナウイルスの影響で郵便投票で行われた。

 呉公太(オ・ゴンテ)前団長は聯合ニュースに対し、任氏の資格剥奪は不当だと批判。任氏は訴訟で対抗する意向を持っていると伝えた。

 韓国政府の財政支援を受ける民団の団長選を巡る問題が日本での法廷闘争になる可能性が大きくなった。

yugiri@yna.co.kr

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海野麻実 (記者、映像ディレクター)
https://wedge.ismedia.jp/articles/-/22648

『国軍によるクーデターが実行され、1日で2カ月が経つなか、国軍による市民への弾圧は激化し、500人以上が犠牲になるなど緊迫感は高まっている。1日、抗議デモに協力している少数民族武装勢力に対し、自ら発した停戦を無視して空爆を行い、武装勢力は反撃を開始。事態は緊迫化している。

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 なかでも目立った動きを見せているのが、南東部カイン(カレン)州のタイ国境地帯を拠点とする「カレン民族同盟」(KNU)である。「カレン民族同盟」は、国内最大規模の反政府勢力で、軍政に対して自治権やカレン族の権利尊重などを要求して戦ってきた。ミャンマー国軍はクーデター後から少数民族勢力の懐柔に努めてきたが、カレン民族同盟は早い時点から「民主化プロセスを阻害し、国の将来に悪影響を及ぼす」と国軍を強く非難。

 武装組織メンバーが、デモ抗議参加者を警護する様子などはソーシャルメディア上で広く拡散され、民主化に向けた抗議の連帯を、民族を超えて高める一役を担ってきた。ミャンマー市民らは、次々に「カチン族も民主化を求めて戦ってくれている」「今度はシャン族も連帯を示してくれている!」など歓喜の声を惜しみなく上げている状況だ。

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『国民の3割占める少数民族の存在感
 ミャンマーでは、主に仏教徒のビルマ族が国民の約7割を占めているものの、カレン族、シャン族、カチン族などを始めとした少数民族が135にも及んでいると言われている。これらの少数民族は、1948年の独立直後から自治権の拡大や民族間を超える平等を求めて、国軍と衝突を繰り返してきた。この背景には、歴代の政府が多数派のビルマ族を優遇し、少数民族の土地にビルマ人を移住させるなどの政策が取られてきたことがある。国境沿いを中心に、ミャンマーの国土の実に3分の1が武装勢力によって支配されているとの統計もあり、人口の3割を占める少数民族の影響力は決して無視できないものだ。

 2016年にアウンサンスーチー氏率いる国民民主連盟・NLD政権が発足した後は、最優先課題の一つとして少数民族との和平が掲げられたものの、自治権などを巡って完全な合意が得られることはなく和平交渉は停滞してしまった。NLDが主導する和平協議に対して国軍が協力的でなかったことが理由の一つとして挙げられる。しかし、ここへきて、「国軍」という共通の敵を前に、俄かに少数民族とビルマ族との連帯の空気が醸成され始めている。

 この多数派のビルマ族と少数派民族の間の「連帯」の動きは、国際社会からも大きく非難を浴びてきたイスラム系少数民族ロヒンギャとの間にさえも起きた。

 ロヒンギャの難民キャンプから続々と、民主化に向けた市民の抗議運動を指示する写真がフェイスブックなどに投稿され、3本指を立てて連帯を示すロヒンギャの姿が拡散されると、ミャンマー市民からは「これまでロヒンギャについて声を上げなくてごめんなさい」などの声が相次ぎ、さらには、学生連盟などが正式なロヒンギャへの「謝罪文」を公開するという、クーデター前からは考えられない、異例の事態が起きている。

少数民族出身のササ氏が「革命の顔」として発信
 こうした少数民族との間の動きは、政治的思惑をはらみながら国軍とNLD側双方において意図的に行われてもいる。NLDの議員らがクーデター後に臨時政府のような形で設置した「連邦議会代表委員会(CRPH)」は、これまでに(3月17日)、すべての武装勢力について非合法組織の指定を解除するとの声明を発表、抗議活動を続ける市民を保護していることへの感謝の意を表すなど、積極的な姿勢を見せている。さらに「CRPH」は、少数民族が長年にわたって要求してきた連邦制民主国家の樹立を約束しており、少数民族に対して「共通の敵」である国軍への明確な共闘姿勢を打ち出している。

 特に注目されているのは、チン州出身の少数民族である医師、ササ氏の「国連特使」としての起用だ。ササ氏は、欧米メディアを始め、フェイスブックやツイッターなどのソーシャルメディアでも積極的に海外に向けての発信を担うなど、革命の「顔」として活躍しており、国軍に対抗する姿勢を打ち出しながら少数民族の支持拡大を狙う「CRPH」側の戦略は明らかに功を奏しているように見える。

 事実、歯に衣着せぬ発言で、国軍への強い非難も辞さず、連帯を呼びかけるササ氏のソーシャルメディアのアカウントは、民族や宗教に関係なくミャンマー人から今、絶大な支持を集めており、彼が発する文言は瞬く間に拡散されている状況だ。国軍が政治関与への理由付けとして掲げてきた少数民族の武装組織鎮圧に対し、和平を促進することにより国軍統治の必然性を崩していき、国際社会による支援をさらに取り付けたい背景もある。

 ササ氏は既に、南東部のカイン州に多いカレン族の自治拡大を求め国軍と衝突してきた武装組織カレン民族同盟(KNU)の代表や、北東部のシャン州、西部のチン州の武装組織の幹部とも相次いでZoom会談を行ってソーシャルメディアを通じて報告をし、ビルマ族だけでなく少数民族からも非常に好意的に受け止められている。

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『少数民族武装勢力の懐柔に国軍も躍起
 だが、少数民族の懐柔に躍起になっているのは、国軍も然りだ。クーデター直後から国軍は、武装勢力との和平実現を優先政策として掲げ、最高意思決定機関「行政評議会」のメンバーに少数民族出身者を登用。そのメンバーには、モン州やシャン州出身の少数民族のほか、国軍との間で戦闘を繰り返してきた、西部ラカイン州の武装勢力アラカン民族党(ANP)の出身者も含まれていた。

 さらに3月に入ってからは、国軍が大規模な掃討作戦を行うなど、激しい戦闘を繰り広げてきたラカイン州の武装組織「アラカン軍(AA)」のテロ組織指定を解除するなど、大胆な動きにも打って出た。そうした経緯もあり、アラカン軍は、民衆による抗議を大々的に支援するカレン民族同盟などとは異なり、しばらくその態度を明確にしてこなったわけだが、ここへきて、中国国境付近を拠点とする「タアン民族解放軍」(TNLA)と「ミャンマー民族民主同盟軍」(MNDAA)と共に、声明を発表。「もし市民の殺害を続けるならば、『春の革命』を掲げる市民とともに立ち上がる」として、軍が市民への残虐な弾圧をやめない限り、報復を辞さないと警告した。これは国軍にとって大きな誤算であるとも指摘されている。

 事実、国軍は先月31日、翌4月1日からの1カ月間に渡る停戦を一方的に宣言。「武装勢力から新たな攻撃がなければ、軍事作戦は1日から1カ月停止する」と発表し、混乱する事態になんとか手立てを打とうとするような動きを見せたものの、「政府の安全を妨げる行為に対する防衛」は停戦対象外としており、市民らへの武力行使が収まる兆しは見えない。

 むしろ、今や複数の武装組織が「民主主義を掲げる市民の抗議デモを支援する」として市民を守るだけではなく、反撃も辞さないプロアクティブな態度を表明していることから、これまで非暴力が掲げられてきた民衆による抗議運動は、武装組織を交えた国軍との報復の応酬へと異なる様相を呈してくる懸念が高まっている。こうした状況が、先般の安保理での「内戦」への発展に対する深刻な指摘に繋がっている。

激化する「内戦」の様相呈し始めたミャンマー情勢

花を一輪手にそっと持ち3本指で抵抗を示すフラワーストライキ (ミャンマー市民提供)
 現に、暴力の連鎖は始まっている。

 「国軍記念日」の式典が開かれた先月27日、抗議デモを行う市民らを警護するなどしてきたカレン族が自治を行う地域の村が空爆され、複数の死傷者が出た。これにより、住民3000人以上が隣国タイに避難をする事態となり、情勢は緊迫さを増している。さらに、冒頭述べたように、国軍は自ら停戦を無視して1日、再び空爆を行うなどもはや戦闘態勢に入ることを辞さない構えにも映る。カレン民族同盟側が停戦協定を破って、国軍の基地を攻撃したことへの報復だと強調しているが、非暴力での抗議を持ってして、犠牲者が後を絶たない現実に、次第に市民の側でも「戦わざるを得ない」との意思を固くする人々が出てきていることも確かだ。

 ヤンゴン出身の女性はソーシャルメディア上で、「もう既に内戦は始まっているのです。私たちは戦わなければならない段階に来ているのかもしれません」と投稿。女性や子供までもが犠牲になる残虐な攻撃も辞さない国軍の態度を前に、手段を失った一部の市民らが少数民族側の武装組織に入って訓練を受け始めたという報道もされ始めている。

 奇しくも、2日、ミャンマー市民らのソーシャルメディア上は、美しい花の写真で溢れた。「フラワーストライキ」——若者たちによって呼びかけられたこのストライキでは、可憐な花を一輪、抵抗を示す3本指の中にそっと抱えて撮影した写真が次々に静かに投稿され、犠牲になった英雄たちへの思いを込めて手向けられた。暴力を望まない、ただ民主主義を求めて戦う市民らの心は果たして通じるのか。

「ミャンマー国内ではもう立ちゆかない問題です。国際社会の皆さんの声が必要なのです。もう事態は一刻の予断も許さない状況です」ソーシャルメディアを通じて世界へ向けて懸命に訴えるミャンマー市民らの声が今、重く響く。』

ミャンマーの民族一覧
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9F%E3%83%A3%E3%83%B3%E3%83%9E%E3%83%BC%E3%81%AE%E6%B0%91%E6%97%8F%E4%B8%80%E8%A6%A7

米中対立下の世界で「いいとこどり」はできない

米中対立下の世界で「いいとこどり」はできない
岡崎研究所
https://wedge.ismedia.jp/articles/-/22607

 『中国政府は、3月11日に閉幕した全人代で、香港の立法委員選挙の制度を変えることを打ち出し、香港の一国二制度をほぼ完全に葬り去ろうとしている。直接選挙される立法委員を50%から22%まで減らす。従来は行政長官を選んでいた選挙委員会の権限を拡大し、立法会の議員の一部も選ぶようにする。資格審査委員会を設置し、候補者が「愛国主義」であるかどうかなどの審査を受けるように求める。などといった内容である。これは、中国による自由主義の価値への重大な挑戦の最新の例の一つである。

Rawf8 / timbaba / iStock / Getty Images Plus

 こうした香港情勢をとらえて、エコノミスト誌3月20日号は‘How to deal with China’と題する社説を掲載し、これから中国に見られる専制と自由の価値を擁護する勢力間の長い闘争が行われていくという情勢判断をしている。香港の自治と民主政が中国に踏みにじられていったこと、中国の政治の在り方を見て、こういう判断に行きついたということだろう。3月下旬のアンカレッジでの米中会談を見ても、この情勢判断は正しいと思われる。

 日本は、米中対立の時代が来ていることを明確に理解し、その価値観からして米国の側に立つというのが基本である。安全保障は米国に依存するが、中国との関係も特に経済面では重視するというような姿勢をとれるような生易しい状況ではない。

 この米中対立については、イデオロギー対立なのか、経済・技術の主導権争いなのか、あるいは大国間の勢力争いなのか、いろいろな説明があるが、これらの対立が複合的に重なり合ったものであると考えるべきだろう。米ソ冷戦時代はソ連の経済力は弱く、対立はイデオロギー対立と軍事対立を中心に行われたが、今度の米中対立は、中国が強い経済力を持つ中で、経済技術面での競争がかなりの比重を占めることになるだろう。これが物事を複雑化する。

 短期的には、もし選択を迫られれば多くの国は西側より中国を選ぶ可能性もある。中国は64か国にとり最大の商品貿易パートナーであるが、米国は38か国にとりそうであるに過ぎないからだ。長期的には、国の大きさ、多様性、革新性により、中国は外部圧力に適応できる能力を備えているかもしれない。香港での民主主義の後退は香港のドル決済や株式市場の繁栄に影響を与えていないし、中国本土への投資も盛んであるという。レーニンは「資本家というものは自分を縛り首にする縄さえ利潤のためには売るものである」といったことがあるが、大企業も徐々に中国への投資などを考え直すべきであろう。

 上記社説は、厳しい米中対立を予測しつつも、対応策として対中国「関与」が唯一賢明な道であるというが、これには必ずしも賛成できない。「関与」は何を意味しているのか、分からないが、中国の国際法違反を看過して普通の対話をするということならば、賛成しがたい。ダメなものはダメとし、それなりのコストを課していくべきであろう。

 より長期的には、中国の勢いはそれほど続かないと思われる。人口の少子高齢化はすでに始まっており、一人っ子政策のマイナスは大きくなっている。特に若年層での男女の比率の不均衡は、さらなる少子化につながる。環境面での制約、水不足や大気汚染はいまそこにある危機である。さらに言うと、専制体制は政治の不安定化の危険と隣り合わせである。国民の負託を受けているとの正統性がない政権には脆弱性がついて回るものである 』

新局面迎える世界情勢 「汎地球的」ルール整備が必要だ

新局面迎える世界情勢 「汎地球的」ルール整備が必要だ
ヴォルフガング・パーペ (元欧州委員会アジア戦略担当)
渡邊頼純 (関西国際大学国際コミュニケーション学部長・教授)
https://wedge.ismedia.jp/articles/-/22577

『「どちらからお越しですか?」。新型コロナウイルスが世界的に流行する前、外国に旅行するたびによくこんな質問を受け、私は「ヨーロッパから」と答えていた。ニューヨークの高校に通っていたころ、周囲の人たちが自分を「アメリカ人」と呼びながら、本来はそこに含まれるべきカナダ人やメキシコ人を無視している姿を目にしていたからだ。もちろんヨーロッパも単に欧州連合(EU)だけを意味するわけではない。EUに含まれない東側の国々も含まれる。

 だが、イギリスのブレグジットをめぐる交渉により、EU加盟国の結束はむしろ強化された。イギリスが被るマイナスの影響や損失が次第に明らかになったからだ。複数の調査によれば、ヨーロッパ統合には利点があると考えるEU市民は増えている。ドイツでは、その割合が過去15年で最高の73%に達した。脱退したイギリスでさえ、EUを支持する人が60%にのぼる(2020年8月ピュー・リサーチ・センター調査)。そんなEUをめぐる、21年の諸問題について触れていきたい。

 現在ウイルスの変異株が現れ、ヨーロッパ諸国は相次ぐ感染の波にさらされている。ドイツのメルケル首相も昨年3月に隔離を余儀なくされたが、すぐに回復し、その後の活躍で70%を超える支持率を獲得した。7月には、フランスのマクロン大統領と手を組んでEU加盟国を説得し、総額1兆8000億に及ぶ予算(21~27年)と経済回復プランを成立させた。

 メルケルとマクロンのコンビは、これらの受け入れに消極的だった「倹約4カ国」(オーストリア、デンマーク、オランダ、スウェーデン)の説得だけでなく、イタリアの動揺を一時的に鎮めることにも成功した。イタリアの人々は、ウイルスがヨーロッパ全域に広まる以前、ベルガモやミラノ、アルプス地方に押し寄せてきたウイルスとの死闘を真っ先に経験し、置き去りにされたような感覚を抱いていた。EU議会選挙前の19年5月、私が同僚と自転車でポー川流域を遊説していた際にも、現地のポピュリストの政治家から不満げに「ブリュッセル(EU本部の所在地)があまりに遠い」と言われたことがあった。

新たにイタリアの首相となったマリオ・ドラギ氏。技術官僚の「スーパーマリオ」は、多額の復興資金を割り当てられるなど経済的に苦しむイタリアを救えるか
(MONDADORI PORTFOLIO/GETTYIMAGES)
 21年初めの現在、EUは2220億(約28兆円)ものコロナ復興資金をイタリアに割り当てている。ところがイタリアは、またしても個人間および政党間の内紛に陥った。そしてまたしても、この国を救えるのはEUで経験を積んだテクノクラート(専門家、技術官僚)だけだと考えている。「スーパーマリオ」の異名を持つ元欧州中央銀行総裁、マリオ・ドラギである(編集部注・欧州経済危機に苦しんでいた11年にも同じくテクノクラートのマリオ・モンティが首相に擁立された)。

ワクチン供給の鍵は開放経済
 公衆衛生の問題については、EUの権限はまだ限られているが、EUは昨年の6月にはすでにワクチン戦略を発表し、安全なワクチンの生産能力の向上を図っていた。欧州医薬品庁(EMA)により承認されたワクチンはクリスマス直前の時期に、加盟27カ国間での不平等を避けるため、同じ条件のもと、同時に配布された。ちなみに、最初にEUの承認を得た米ファイザー・独ビオンテック製のワクチンは、マインツ(独)の移民夫婦により開発され、国境を越えたフランドル地方(ベルギー)の小さな町で製造された。これを見ても、緊急時には自由に動かせるサプライチェーンが必要なことがわかる。20年12月27日から、EU全域でワクチン接種が始まった。

 しかし、やがてワクチン不足が報じられるようになると、欧州委員会の交渉や計画に対する批判が高まり、今年2月初旬にはフォン・デア・ライエン委員長が非を認めるに至った。同氏によると、効果的なワクチン開発ばかりに気を取られ、大量生産の問題を軽視していたという。実際、最近になって、サプライチェーンの問題が世界中で起きている。

 スマートフォンは、小売市場に出るまでの製造過程で100回国境を越えると言われるが、同様にハイテク薬剤の大量生産も、一国の国内だけでは調達できない特殊な物資や設備、質の高いサービスを提供する無数の企業に依存している。アメリカのような大国にもこの教訓はあてはまる。ファイザーが真っ先にワクチンを開発できたのは、ドイツのビオンテックの協力があったからにほかならない。

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『対米正常化は分野別協力から
 政治面では、バイデン政権の誕生で、トランプ政権時代には低調だった米国とEUとの協力関係は間違いなく回復するだろう。しかしEUは、危機には陥りやすいがますます自律性も高めつつあり、「貿易においても、大西洋横断貿易投資パートナーシップ協定(TTIP)においても、5年前と同じ立場には戻れない」(編集部注・米国の強い姿勢にも対抗する)とフォン・デア・ライエン委員長は言う。また欧米関係が「正常化」すれば分野ごとの協力は進むだろうが、それが大きく報じられるかは別問題である。

 今年2月のEU統計局の発表によると、中国が米国を抜きEU最大の貿易相手国となった。対中国問題については、EUが提唱するEU-米国貿易・テクノロジー評議会(TTC)が、ハイテクの規格、投資審査、知的所有権の問題での協力を進めるはずだ。昨年末、ドイツの後押しにより大急ぎで締結された中国との包括的投資協定は多大な批判を浴びたが、それ以前に米中間で交わされた貿易に関する第一段階合意にある程度従い、公平な輸出条件を確保するよう努力してはいた。メルケルが欧州理事会でこの議論を主導したのは、これが中国市場を活用して低迷するドイツの自動車産業を支援する最後のチャンスと考えたからだろう。

 ドイツでは今年9月の選挙で新たな首相が誕生する。どの政党から首相が誕生するにせよ、その人物はフランスの大統領との相互補完的な協力関係を維持し、ヨーロッパ統合の屋台骨を支えていくことになるのか?

 第二次世界大戦後にアデナウアーとド・ゴールが友好関係を築いて以来、ドイツとフランスの間には個人を超えた深いつながりがある。いまや両国の政治はあらゆる面において、地球上のいかなる二大国も成し遂げられなかったほどのレベルにまで相手国に浸透していると言ってよく、いずれかの選挙でその関係が突然変わることはないだろう。EUでは、テクノクラートが作成した委員会の提案を理事会で審議し、合意に基づいて意思決定を行う方式を採用しているが、これは、意見の対立を招きがちな米英の二大政党制ではなく、ヨーロッパ的な議会制民主主義を反映している。

 だがこうした方式は、非自由主義的で違憲の疑いさえある行為を改めようとしない一部の加盟国(ハンガリーやポーランドなど)により、重大な危機に直面している。世界的に民主主義の力が弱まっている現在、多数者支配主義による統治がさらに長引けば、競争により前進する社会に欠かせない多元性が著しく損なわれてしまうおそれがある。EUにとって加盟国の内政は、効果的な対処が難しい問題である。

 16年の米大統領選でのトランプ勝利、および英国のEU脱退決定という二つの衝撃的事件が発生すると、日本・EU間の自由貿易協定(FTA)や経済連携協定(EPA)の交渉は一気に加速した。とりわけ、米国第一主義を標榜し、多国間協調主義を攻撃するトランプ大統領(当時)の影響は大きかった。だが、05年にパスカル・ラミー氏が欧州委員会から世界貿易機関(WTO)に異動したのを機に、EUもまた韓国を皮切りに、二国・地域間連携のパートナーを探していた。そのような状況のなかで、日本との交渉も始まったのである。

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『日欧EPA苦戦の背景
 しかしエコノミスト誌(09年9月3日号)によれば、二国・地域間協定が複数存在し(特にアジアに多い)、異なる基準や規則が錯綜している場合(これを「スパゲッティボウル現象」という)、貿易を促進する効果はほとんどないことが証明されているという。

 そのため最近ではアジアでも、環太平洋パートナーシップ協定(TPP)や地域的な包括的経済連携(RCEP)といった多国間地域協定が締結されている。米国・EU間のTTIPの交渉の際には、大衆の猛烈な反対もあった。一方、日EU経済連携協定は、安倍晋三前首相とEUのユンケル委員長の間で交渉が進められ、19年に発効に至った。

 ところがふたを開けてみると、多大な期待に反する結果だった(編集部注・発効翌年の欧州委員会発表では、19年2~11月の10カ月間における貿易額について、EUの日本向け輸出額の増加は前年同期比で6.6%、EUの日本からの輸入額増加は6.3%であった〈20年3月、ジェトロ短信〉)。11年に日本が韓国と自由貿易協定を締結した際に、当初およそ35%も貿易量が増加したのとは大違いである。

 実際、この協定の交渉時にはすでに、両者が重視する部分の違いが明らかになっていた(日本側は関税を、EU側は非関税障壁を重視)。これは、両者の歴史に基づく古くからの関心事の違いを反映している。島国だった日本は、外国に強制的に開国させられるまで、数世紀にわたり鎖国していたため、のちには「独自性」(日本人論によく見られる)の保護を求めるようになった。

 それに対してEUは、国境を開放し、国の相違を調和させることを存在理由としている。こうした背景の相違から、交渉は複雑化した。関税や割当制(日本から見たEUの「国境障壁」)については相互授受の交渉の場で容易に数値化できるが、さまざまな非関税障壁(製品規格など)が貿易に及ぼす影響(EUから見た日本の「国内障壁」)については明確に数値化できないからだ。非関税障壁に関してはさらに、公共調達や競争に関する法律も重要な問題になる。

昨年10月、日英経済連携協定に署名した、茂木敏充外相(右)と英国のトラス国際貿易相 (KYODO NEWS/GETTYIMAGES)
重要なのは「汎地球的」ルール
 もちろん、デヴィッド・リカードの言う貿易における「比較優位」の原則(編集部注・貿易においては自国の得意な生産に特化したほうが効果的)は、相違から生まれる利益に基づく。だが最近になって、輸入(類似製品の輸入も含む)を通じて競争やイノベーションを高めるというヨーゼフ・シュンペーターの主張(「共争」)がヨーロッパで優勢になりつつあり、徐々に東アジアにも広がっている。

 この「共争」や「比較優位」は、FTAによる二国間や多国間の国益のみに左右されない公平な条件下の世界市場でこそ、その効果を発揮する。新型コロナウイルスのパンデミックで明らかになったように、グローバル化がもたらす恩恵により、あらゆる経済圏の相互依存は劇的に高まっている。もはや、多大な損失を被ることなくこの流れを逆行させることなどできない。世界に張り巡らされたインターネットに象徴されるこの相互依存関係をどう育むかは、グローバルな解決策を必要とするグローバルな問題である。

 そのためには、主権国家だけでなく、GAFAやBATX(編集部注・中国の四大IT企業のバイドゥ、アリババ、テンセント、シャオミ)などの大企業や市民社会など、あらゆる関係者がさまざまな意見を比較検討する議論に積極的に参加し、二国間・多国間・地域間という枠組みを飛び越えた「汎地球的(オムニラテラル)」(omnilateral)ルールが必要だ。万人による万人のための枠組みが必要とされている。

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『column

日本とEUは新時代の真なる戦略的パートナーになれるか?
1970年代、難題を抱えていた日欧の貿易関係。多くの障壁を超え、今後は米中を巻き込む主導的な役割が求められている。

渡邊頼純(関西国際大学国際コミュニケーション学部長・教授)

 1978年、ブリュッセルを訪問した福田赳夫首相(当時)は対日貿易赤字の拡大に悩む欧州共同体(EC=欧州連合〈EU〉の前身)首脳からの厳しい批判に直面した。続いてEC各国を歴訪した経済団体連合会の訪欧団も先々で同様に対EC貿易黒字の削減と日本市場の開放を強く求められた。

 翌年にはECの行政府に相当する欧州委員会が対日関係に関する初めての報告書において、「日本人は働きすぎの労働中毒患者(ワーカホリック)でウサギ小屋(ラビット・ハッチ)に住んでいる」と揶揄した。

 86年9月、関税貿易一般協定(GATT)のウルグアイ・ラウンドを立ち上げる閣僚会議で、ECは交渉項目の一つとして「利益の均衡」を取り上げるべきと訴えた。その核心は「日本は一方的にGATT体制から利益を得て、自らの市場は閉ざしたまま欧米の市場を席巻している、そのような不均衡は是正されるべき」という主張であった。幸い日本代表団の効果的な反対キャンペーンが奏功し、多国間交渉の中でECがシステマティックな対日輸入制限をルール化することは回避できた。

 70年代後半から日欧(以下、日EU)間にはさまざまな貿易摩擦が存在した。日本が一方的に自動車や家電製品、エレクトロニクス関連商品を欧州市場に輸出する一方、EU側は自動車はもちろん、チーズやバター、ワイン、チョコレートに至るまで日本市場への売り込みに苦労していた。自動車は関税がゼロであったため、EU側は問題は関税ではなく関税以外の措置、いわゆる非関税障壁にあると主張、軽自動車に対する軽減税率や車検制度などをやり玉に挙げた。

 日本政府が薬品についてEUの治験データを信用せず、あくまでも日本基準のテスト結果を求めるなどしたため、日本は非関税障壁のデパートのように言われた。今でも日本との通商問題が生じると「非関税障壁のせいだ」と言えば皆が納得する傾向があるのには閉口する。日本でのビジネスがうまく行かない時に欧州のビジネスマンがこのイクスキューズを使えばそれで良しとされた時代が長く続いたのである。

希望のEPAとSPA

 そのような日EU間で、2019年2月に自由貿易協定(FTA)である日EU経済連携協定(EPA)が発効した。世界の国内総生産(GDP)の約3割、貿易で約4割をカバーするメガFTAが誕生した。規模だけでなく、米国のトランプ大統領(当時)による保護主義が世界を覆いつつあった時に、あたかもそれに挑戦するかのようにこのメガFTAが合意された。トランプ氏の政策に対するいわばアンチテーゼとなった。

 またEPA発効だけでなく、政治協力を志向する戦略的連携協定(SPA)が締結されたことも意義深い。日EU双方は、民主主義、法の支配、人権など普遍的価値を共有することを確認しており、EPAとあいまって世界と地域の平和、安定および繁栄にむけて互いに協力する枠組みをもったことになる。この枠組みを通じて日EUの協力が深化することで、米国と中国の間で繰り広げられる「覇権競争」に第三の道を提示することが期待されている。

 日EUが共によって立つのは多国間主義(マルチラテラリズム)である。米国も中国も引き込んで行くことで日本もEUも「米国か、中国か」というダイコトミー(二分法的論理)から解放される。そこに日EUパートナーシップの戦略的価値がある。パーペ氏の主張するオムニラテラリズム(汎地球主義)はその延長線上に存在している。

Wedge4月号では、以下の特集を組んでいます。全国の書店や駅売店、アマゾンなどでお買い求めいただけます。 http://wedge.ismedia.jp/ud/wedge/release/20210320

■「一帯一路」大解剖 知れば知るほど日本はチャンス

PART 1 いずれ色褪せる一帯一路 中国共産党〝宣伝戦略〟の本質
PART 2 中国特有の「課題」を抱える 対外援助の実態
PART 3 不採算確実な中国ラオス鉄道 それでも敷設を進める事情
PART 4  「援〝習〟ルート」貫くも対中避けるミャンマーのしたたかさ
PART 5 経済か安全保障か 狭間で揺れるスリランカの活路
PART 6 「中欧班列」による繁栄の陰で中国進出への恐れが増すカザフ
COLUMN コロナ特需 とともに終わる? 中欧班列が夢から覚める日
PART 7 一帯一路の旗艦〝中パ経済回廊〟
PART 8 重み増すアフリカの対中債務
PART 9 変わるEUの中国観
PART10 中国への対抗心にとらわれず「日本型援助」の強みを見出せ』