ペルー大統領選、大混戦 フジモリ氏長女も当落線上

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『【サンパウロ=外山尚之】ペルーで11日に大統領選が実施される。本命候補不在の大混戦の様相を呈しており、フジモリ元大統領の長女、ケイコ・フジモリ氏(45)も当落線上にいる。長引く政治の混乱で政界への不信が強まっているためで、民意の受け皿は定まっていない。

調査会社IEPが3日発表した最新の世論調査によると、ケイコ氏の支持率は9.8%で、経済学者のエルナンド・デ・ソト氏(79)と並び首位だった。調査に…

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調査によって順位が入れ替わる混戦となっており、IPSOSが4日発表した調査では元大学教授ジョニー・レスカノ氏(62)が14.7%で首位で、ケイコ氏は5位の11.2%だった。

1回目の投票で当選するためには50%の得票率が必要だが、条件を満たす候補者がおらず、上位2人による決選投票の実施が確実な情勢だ。ケイコ氏も当落線上にいる。

ペルー政界は2000年まで大統領を務めたフジモリ氏の存在感が大きく、過去2回の大統領選ではフジモリ政権の功罪が大きな争点となった。ケイコ氏はフジモリ氏の後継者として11年、16年の大統領選とも決選投票に進んだが、今回は過去のフジモリ政権の功罪が明確な争点になっておらず、混戦の一因になっている。

ケイコ氏は3月30日に地元メディアの取材に応じ「パンデミックは人命や仕事を奪ったが、我々は経済を再起動し雇用を創出する」と述べ、新型コロナウイルスで傷んだ経済の再生を公約に掲げた。しかし、こうした主張が浸透しているとは言い難い。ケイコ氏は現在、マネーロンダリング(資金洗浄)などの罪で起訴されており、イメージが悪化していることも痛手だ。

候補者が乱立し、支持が分散する背景にあるのが政治不信だ。16年の大統領選でケイコ氏を破ったクチンスキ元大統領は汚職が発覚し、18年に辞職した。その後を継いだビスカラ元大統領も汚職疑惑を受けて昨年11月に国会で罷免された。議会工作でビスカラ氏を追い落としたメリノ前大統領も国民の猛反発を受け、就任から5日で辞職。汚職がまん延する中、ケイコ氏を含む既存の有力政治家がそろってすねに傷を持っており、国民の意見が集約されていない。

大統領選と同日に投開票される国会議員選も同様に混戦が予想されており、政治が安定するかは不透明な状況だ。新型コロナの影響もあり、ペルーの20年の国内総生産(GDP)は11.1%減と、約30年ぶりの経済低迷の渦中にある。21年は反動でプラス回復が見込まれているが、選挙の結果次第では政治混乱が経済の足を引っ張る可能性がある。