アフリカ諸国、EV生産目指す エジプト「22年にも」

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『【カイロ=久門武史】アフリカで電気自動車(EV)生産を目指す国が広がっている。エジプトは来年にも始めるとし、ウガンダはEVバス量産を狙う。ともに中国企業と組む。EVは新興国が一足飛びに国産車を育てる手段になる。中国企業がアフリカの成長市場に浸透する糸口にもなる。

エジプトの国営自動車会社ナスルは1月、中国の東風汽車の傘下企業とEVの生産協力で合意した。東風のEVセダン「E70」を首都カイロ郊外のナ…

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東風のEVセダン「E70」を首都カイロ郊外のナスルの工場でつくる計画だ。同社は1960年設立で、伊フィアットの乗用車を組み立てていたが休止状態にある。

国営企業を統括するエジプトのヒシャム・タウフィーク公共事業相は日本経済新聞の取材に、同工場でのEV生産開始は「来年半ば」との見通しを示し、まず年2万5千台を目指すとした。バッテリーなど基幹部品は輸入するが「国産部品を50%使う」と語った。「我々のデザインで車をつくるチャンスで、いずれ自国のブランドも非現実的ではない」と述べた。

アラブ圏で最大の1億人を抱えるエジプトは人口が年2%のペースで増えるアフリカ有数の市場だ。日本や韓国、欧州のメーカーが現地生産しているが、国産ブランドは育っていない。

一方、アフリカ東部の内陸国ウガンダでは、国営の新興自動車会社キイラがアフリカ初のEVバス量産を目指している。ロイター通信によると、中国恒天集団から技術移転を受けている。同社は傘下企業がEVバスを手掛け、輸出実績もある。

EVはアフリカ諸国にとって産業振興だけでなく、大気汚染の軽減につながる。人口増と経済成長で交通渋滞が悪化し、排ガスによる健康被害は無視できない。

ケニアの首都ナイロビではEVタクシーが走り始め、モロッコでは国産の充電スタンドが登場した。ルワンダでは電動バイクをつくるスタートアップ企業が現れた。

アフリカでエンジンで走るクルマの生産は、欧州や日本の自動車大手が先行した。所得水準の高い南アフリカや欧州市場に近いモロッコに工場が集まり、ガーナなどアフリカ西部で生産するメーカーも増えてきた。中国勢は知名度が低く、EVは出遅れを挽回する手掛かりになる。

「彼らは準備が整っていた。欧州勢はそうではなかった」(タウフィーク氏)など、中国企業の意思決定の速さを評価する声は多い。他方で「後になってコストを詰める点が出てくるのでは」との見方も日本企業からは上がる。中国のEV大手、比亜迪(BYD)は17年にモロッコにEV工場を建設する意向を示したが、実現していない。

アフリカでは今年1月、大陸全体を共通市場にするアフリカ自由貿易圏(AfCFTA)が始動した。関税撤廃を掲げており、域内全体を視野に入れて製造拠点を構える外国メーカーは増える可能性が高い。

EVはエンジンが要らないため、参入障壁が低いとの期待もある。半面、アフリカで普及するには、電力供給の安定や充電設備の整備が課題だ。関税や補助金の見直しで消費者を誘導する仕掛けも欠かせない。

さらに先進国が地球温暖化対策でEVへの移行を急げば、だぶつくエンジン車の中古車が安くアフリカに流れ込む。結果として高値のEVが売れにくくなるとの懸念がある。