比大統領「ワクチン接種、順番守れ」 市長らの氏名公開

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『【マニラ=志賀優一】フィリピンで3月から始まった新型コロナウイルスのワクチン接種を巡り、ドゥテルテ大統領が「接種の優先順位に従うべきだ」と警鐘を鳴らしている。最優先の医療従事者向けを進めるなかで、先に割り込んで接種した市長らの氏名を公表し批判した。十分な量のワクチンを確保できないなか、新規感染者数が急増しており警戒感が高まっている。

ドゥテルテ氏はこのほど、医療従事者への投与が実施されるなかで先にワクチンを接種した複数の市長の氏名を公表したほか、有名人の子供らも接種したとの情報があることを明らかにした。フィリピンでは170万人におよぶ医療従事者へのワクチン接種を進めているが、その優先順位に従わなかったという。市長らには説明を要求した。

同国では中国科興控股生物技術(シノバック・バイオテック)製のワクチンを輸入しているほか、世界保健機関(WHO)などが主導するワクチンを共同購入・分配する国際的な枠組み「COVAX(コバックス)」を活用している。

ドゥテルテ氏はWHO側から「(ワクチン接種の)優先順位に従わなければWHOの支援を失うかもしれない」と伝えられたという。3月29日にはシノバック製のワクチン100万回分が同国に到着したものの、人口約1億人のフィリピンでは必要数の確保は遠い。

大統領や首相などが自ら率先してワクチンを接種することで、安全性を訴え効率的な接種を呼びかける国もある。こうした理由で市長らが接種することをドゥテルテ氏は「グレーゾーン」と呼び問題視する。

世論調査会社パルスアジアが3月26日に発表した調査によると、フィリピンで新型コロナのワクチンがあれば接種するかという質問に対して61%が「接種しない」と答えた。安全性に対して抱く懸念が理由だ。順次対象を広げる見通しで、今後課題となりそうだ。

フィリピンではウイルスの変異株の感染拡大を受けて、3月以降感染者が急増している。29日には1日あたりの新規感染者数が過去最多の1万人超となった。2020年夏に記録した水準を超え「第2波」が本格化していることから、マニラ首都圏などでは再び外出・移動制限を厳格化するなど対策を進めている。

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