欧州でコロナ債務「帳消し」論 ピケティ氏ら提唱 ECB総裁「考えられない」と一蹴

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『【パリ=白石透冴】フランスを中心としたユーロ圏で、欧州中央銀行(ECB)や各国中銀が保有する国債約3兆ユーロ(約390兆円)の「帳消し」を求める議論が出ている。新型コロナウイルス対策で借金が積み上がっているためで、経済学者を中心にした賛成派は増税や緊縮を防ぐ唯一の方法と主張する。ECBは「考えられない」(ラガルド総裁)と議論を一蹴している。

「コロナ禍の借金の未来は?」(3月下旬の仏経済紙レゼコー…

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(3月下旬の仏経済紙レゼコー)。仏政財界やメディアは、コロナ禍で膨らんだ債務をいかに減らすかの議論が活発だ。きっかけは2月、ベストセラー「21世紀の資本」で知られるトマ・ピケティ氏ら仏独伊スペインなどの経済学者約150人が共同で「徳政令」を求める意見書を発表したことだ。

ユーロ圏各国が発行した国債の約3割を保有するECBや各国中銀が、償還を求めないことで、各国政府の財政を健全化すべきだとの提言だ。個人や機関投資家が保有する国債の扱いは変えない。

ピケティ氏らは、各国政府は自国の中銀とECBを直接・間接的に保有しており、ECBや中銀による国債買い取りは自分で自分に借金しているのと同じだと主張する。

賛成派の仏経済学者ジェザベル・クペスベラン氏は国債の償還を求めないことで「国が財政破綻を起こす可能性が下がり、国債の信頼性が高まる。市場の混乱は引き起こさない」と取材で語った。賛成派は経済学者が中心だが、欧州議会議長でイタリア人のサッソリ氏は2020年11月、伊メディアに「興味深い議論だ」と語った。

前例のない提案にECBや各国政府は否定的だ。ECBのラガルド総裁は2月、仏メディアの取材に「考えられない」と一蹴している。コロナ禍以前に発行した国債も対象とするのか、どのように意思決定するのかなど手続き上も不明点が多い。

反対の立場を取る仏景気経済研究所のアンリ・スタディニアク氏は「急なインフレも起きていない段階で国債の心配をする必要はない。見直すべきは財政規律を定めた欧州連合(EU)のルールだ」と語る。

議論が起きる背景には、コロナ禍で急激に増えた各国の借金がある。外出制限で影響を受けた業界への支援を繰り返し、21年の国内総生産(GDP)比累積債務はフランスとスペインがそれぞれ120%超、イタリアでは約160%に達する見通しだ。

フランスでは各党が債務の扱いについて意見表明する場面が増えており、22年大統領選で争点になる可能性がある。

マクロン大統領の与党「共和国前進」は3月下旬、「安易で非生産的な考えだ」とする声明を出して帳消し論を批判した。超低金利の市場環境では国債発行で集めた資金を成長戦略に充てるのが正しいなどと論じた。野党の中道左派社会党で前回大統領選に出馬したアモン氏らは帳消し論を主張している。

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伊藤さゆり
ニッセイ基礎研究所 経済研究部 研究理事
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ひとこと解説 欧州の財政出動の規模は米英に比べて小さく、欧州域内では過剰債務国ほど対策規模が小さい。IMF(国際通貨基金)の「財政モニター」データ・ベースから、確認できる傾向です。
英米との差は、平時のセーフティーネットの厚さで説明できる部分もありますが、過剰債務国の慎重姿勢は、信用危機の再燃や、現在、停止中の財政ルールの再適用を意識せざるを得ないから。結果として危機対応として必要な対応が講じられず、傷痕がより深く、長く残る結果となることが懸念されています。

債務「帳消し」議論の背景は理解できるものの、ユーロ参加国政府の広い賛同を得ることは考えられません。
見直すべきはルール、という意見に賛成です。

2021年4月2日 15:34いいね

クリスティーヌ・ラガルド
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AF%E3%83%AA%E3%82%B9%E3%83%86%E3%82%A3%E3%83%BC%E3%83%8C%E3%83%BB%E3%83%A9%E3%82%AC%E3%83%AB%E3%83%89

『経歴
パリ9区にて、ロベール・ラルエットとニコル・カル夫妻の第1子として誕生。四人兄弟で3人の弟がいる[2][3]。幼年時代をル・アーヴルで過ごし、そこでカトリックの教育を受けた[4]。 10代の頃はアーティスティックスイミングの選手であり、フランスのナショナルチームに所属していた[5] [6]。16歳の時に父が亡くなり、以後母ニコルが1人で子供4人を育てた[7]。1974年にバカロレアを取得。パリ第10大学を卒業し、更に、グランゼコールの一つであるエクス=アン=プロヴァンス政治学院を卒業した。ENAの入学試験に2度失敗しているが、自身はこの失敗を後悔していないと述べている[8]。

卒業後の1981年、アメリカの国際ロー・ファームであるベーカー&マッケンジーのパリ・オフィスで弁護士として働き始める。1995年よりベーカー&マッケンジーのシカゴ本部でのエグゼキューティヴとなり、1999年よりチェアマンに選ばれた。

ジャン=ピエール・ラファランに発掘され、2005年にアメリカから帰国。ドミニク・ド・ヴィルパン内閣の農業・漁業相などを経て、2007年6月からフランソワ・フィヨン内閣の経済・財政・産業相(財務大臣に相当)に就任する。G8最初の女性財相でもある。

2006年には、アメリカの経済誌『フォーブス』が取り上げた世界最強の女性30に選出されている。反トラスト法、労働法専門の弁護士としても著名であり、ベーカー&マッケンジーの所長に女性で初めて就任した。

2011年6月28日、IMFの理事会にて専務理事に全会一致で選出された[9]。女性として初のトップ就任である。かつてラガルドと同じくフランス経済・財政相からIMF専務理事に転じたドミニク・ストロス=カーンが2011年5月に性的暴行容疑で逮捕・起訴されIMF専務理事を辞任したため、その後任の最有力候補として名が挙がっていた[10]。

2019年7月、欧州中央銀行次期総裁に就任が決定。同年11月1日に就任[11]。女性初の総裁となる。これに伴い、9月12日にIMF専務理事を退いた。』