[FT]米、外交官の台湾関係者との接触制限を緩和

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『米バイデン政権が自国の外交官と台湾関係者との接触を容易にするガイドラインを作成している。トランプ前政権が導入した規制緩和の一部を踏襲するもので、中国は挑発行為とみなす可能性がある。

トランプ前大統領は退任直前の1月、外交官と台湾関係者の会合を困難にしていた規制を大幅に緩和した。専門家はバイデン大統領が規制を再導入するか注目していた。

規制の大半「消滅」へ

新しい方針の説明を受けた複数の人物による…

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新しい方針の説明を受けた複数の人物によると、準備中のガイドラインは前政権が実施した変更の多くを維持している。米台間の接触を制限する規制は数十年にわたり存在していた。

事情に詳しい人物によると、新たなガイドラインは台湾関係者との接触の制限よりも推奨に重点を置く。また別の人物は米台関係者の交流に関する規制の大半が「消滅する」としている。

こうした台湾に対する支持はバイデン政権の対中強硬姿勢を表している。ある米高官は先週フィナンシャル・タイムズ(FT)に、政権が中国による台湾への武力行使を懸念していると述べた。

米台間の接触を難しくしていた当初のガイドラインは1979年に米国が台湾と断交し中国と国交樹立した後に作られた。しかし昨年12月に議会が「台湾保証法」を可決し、1月に当時のポンペオ国務長官が規制の大半を撤廃した。同法は成立後180日以内に見直される。

ブリンケン国務長官は1月の指名公聴会で、台湾関係者との「接触の機会を増やしたい」と発言していた。

バイデン政権の対中強硬姿勢を裏付ける動きは他にもある。太平洋の島しょ国パラオのウィップス大統領が29日に台湾を訪問した際、パラオ駐在のジョン・ヘネシーニランド米大使が同行した。パラオは台湾と国交を持つ15カ国のうちの一つだが、首脳の訪台に米政府関係者が同行するのは異例だ。

中国はこれに反発し、同日戦闘機10機を台湾の防空識別圏(ADIZ)で飛行させた。4日間で2度目の大規模な侵入だった。

米、台湾と国交を持つ国を支援

パラオ大統領訪台への大使同行は、バイデン氏がオバマ政権で副大統領だったころより表立って台湾への支援していることを示している。同氏は1月の大統領就任式に台湾の駐米代表に相当する蕭美琴氏(駐米台北経済文化代表処代表)を招待した。蕭氏は就任式に出席した初の駐米代表となった。

また先日、ジョセフ・ヤング駐日米臨時代理大使は台湾の駐日代表を公邸に招待したとツイッターで表明した。

南米パラグアイも台湾と外交関係を持つが、中国が台湾との断交を条件に新型コロナウイルスのワクチン提供を申し出たと明らかにした。ブリンケン氏はパラグアイ大統領に電話し、台湾のような民主国家のパートナーと協力する重要性を強調したという。

内容が明らかにされたこの電話会談について、ある米政府関係者は台湾と外交関係を維持する各国を表立って支援する意図があったと説明した。

「パラグアイという獲物を中国がさらおうとしている」と米戦略国際問題研究所(CSIS)の台湾専門家、ボニー・グレイザー氏は指摘した。「パラオは今のところ危うい状況ではないが、大統領訪台への大使同行は米国が台湾および台湾と国交をもつ15か国の外交関係維持を支持していることを示している」

米メアリー・ワシントン大のエリザベス・ラルス氏は、バイデン氏の対中姿勢は大半の専門家の予想より強硬だが、トランプ氏の政策の恩恵を受けているとも話した。「台湾に関する困難な仕事の一部はすでに完了している」

米ランド研究所のデレク・グロスマン氏は「バイデン政権は台湾についてあまり目立った動きをせず、中国との関係をある程度『リセット』すると考えられていたが、予想は外れている」と話した。

前述のガイドラインに詳しい人物は、トランプ政権以前の方針には戻らないが、台湾関係者とのいかなる会合でも台湾の旗を掲揚しないなど一定の制限は設けると話した。「主権に関わることは全て禁止される」

ブリンケン氏、台湾は「国家」の意味は

米国は「一つの中国」政策に基づき中国を唯一の正当な政府と認めているが、ブリンケン氏は最近議会で証言した際、台湾を「国家」と表現した。

米デビッドソン大の台湾専門家、シェリー・リガー氏は「ブリンケン氏は非常に職務に徹しているので思い付きで言っているとは考えられない。そのため同氏の発言は重要な意味を持っている可能性があり、中国に対し彼らと同じ言葉遣いはしないと意思表示していると考えられる」と話した。

国務省にバイデン政権は台湾を国家とみなすのかたずねたところ、「長年維持してきた『一つの中国』政策に従って」台湾に関与するとの答えだった。

この2か月間、米軍は台湾海峡に軍艦を航行させ中国にメッセージを送った。また国防省は南シナ海で空母2隻による異例の合同訓練を実施した。米台は先週、海上警備分野での協力を強化するための覚書に調印している。

By Demetri Sevastopulo and Kathrin Hille

(c) The Financial Times Limited 2021. All Rights Reserved. The Nikkei Inc. is solely responsible for providing this translated content and The Financial Times Limited does not accept any liability for the accuracy or quality of the translation.

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